急成長を支える人財戦略とは。そして、TVer社のカルチャーとは。その企画に携わる人財戦略本部の香坂遼志と、ジョインして間もない広告事業本部の廣田一章が語り合った。
香坂遼志(以下、香坂):我々2人とも、中途入社なんですよね。私は旅行会社やITサービス大手でマーケティングや人事などを経験して、フリーランスを経たあと、2022年6月にTVerに入社しました。入社後は人財戦略本部の立ち上げ時期から参画し、24年7月から人事全体を見ています。廣田さんと最初に会ったのは、ちょうど1年くらい前でした。
廣田一章(以下、廣田):そうでしたね。香坂さんがリクルーターで、4回ほど面接があって。
香坂:そのたびに「うちの会社に来てください」と言いながら(笑)。廣田さんはECサイトをはじめ、大手IT企業で広告営業に深く携わっていたので、我々の事業拡大をけん引してくれるだろうと考えていました。
廣田:入社して半年ほどですが、過ごした時間が濃密すぎて、もう1年以上仕事をしているような感覚ですね。もともとテレビが好きでTVerに応募したのですが、近年の急成長には驚いています。
香坂:2015年に50番組ほどの配信から始まって、今は配信するレギュラー番組の数が800番組を超えるまでになっています。20年以降はコロナ禍で在宅率が上昇したこともあり、視聴機会の増加につながりました。自社努力と外部環境の変化の掛け算がうまく働いたことが、サービスの成長につながったのだと思います。社員数も、ここ3年で約3倍に増えました。
だからこそ、人財戦略本部として、この成長を組織的な要因で鈍化させたくないのです。廣田さんのように、グロースフェーズを経験されている方を中心に採用を強化していますし、その方々が実際に入社してからも、「この会社で長く活躍したい」と思ってもらえるような環境整備に力を入れています。
生まれも育ちも文化も異なる人々が生み出すカルチャー
廣田:実際の現場でも、自分で手を挙げれば、どんどん仕事を進めていける環境が整っていると感じています。私も前職の経験を生かして、営業活動の後方支援の仕組みづくりを任せてもらいました。属人的になりすぎないような仕組みを整えることができたら自分も楽になるし、みんながハッピーになるだろうと。香坂:自分から旗を持とうとすれば、周りはちゃんと支援してくれますね。
廣田:わかります。「手を挙げた人を中心に話し合って決めていこう」というフェーズを、高速で繰り返しているイメージです。自部署の上司はもちろん、他部門との距離も近いから、意志決定もすごく早い。縦割り的な雰囲気もまったく感じません。
香坂:社員数は急増しているものの、200名程の大きさであり、しっかり顔と名前が一致する規模感であることも、その要因かと思います。
あとは、プロダクトへのコミットメントが高いのも、大きな理由ですね。TVerの社員は放送局や広告会社からの出向者に加え、さまざまな業種や事業フェーズの会社から転職で集まった仲間が多く、一般的な事業会社よりもバックグラウンドが多種多様。そんな人たちが、TVerというプロダクトに魅力を感じて集まってきたわけです。同じ方向を見ているからこそ、縦割り感がないのだと思います。
廣田:それにしても、これだけさまざまな人たちが集まっていると、カルチャーを作るのも大変じゃないですか?
香坂:生まれも育ちも、通ってきた文化も異なる人たちが集まっているので、「TVerらしさとは?」と問われると、いつも答えに困るんですよね。でも、一言で表せない多様さこそが、TVerのカルチャーなのかもしれません。全員がバックグラウンドの違いをきちんと認識しているからこそ、互いの意見を否定することもないし、相手を尊重して動いてくれますから。
どんな行動を評価して、どんな行動を評価しないのか
廣田:CREDOの話も聞いていいですか?会社が成長期に入ったタイミングで、行動指針であるCREDO「DO/DON'T BOOK」を作った経緯を知りたいなと。香坂:もともとTVerには「我々は挑戦者である」「我々は仲間である」「我々はプロフェッショナルである」という3つのバリューがありました。社員数が100人以下のときに作ったもので、当時は全員がなんとなく「挑戦者とはこういうことで、プロフェッショナルとはこういうことだろう」と同じ解釈を持てていたと思うんですよね。
ところが、多種多様なバックグラウンドを持つ人が集まってきて、社員数も3倍に増えた。そうなると、同じような方向を目指しているように見えて、実は、バリューの解釈に対して微妙にズレが生じる可能性もあると感じてきました。そこで、私たちが大切にしているバリューに基づき、どんな行動がTVerらしいのか、TVerらしくないのかを明文化することにしたんです。
廣田:なるほど。だからバリューの一つひとつを分解して、それぞれに「DO(TVerらしいこと)」と「DON’T(TVerらしくないこと)」が提示されているんですね。こうして明文化されていると、「自分が取ったアクションは本当に会社の考え方と合っているのか」と常に立ち返ることができる。
香坂:2024年9月にローンチしたばかりなので、社員への浸透はまだまだこれからですね。もちろん、このクレド自体もアップデートされていくべきものだと認識していて、「これは良いことになっているけれど、今は違うんじゃないか」など、ディスカッションできる場も設けられたらと考えています。
廣田:TVerで中長期的に働くためのキャリア支援もしているんですよね。
香坂:希望者には、人事が主催するキャリア面談を行い、今後の中長期的なキャリアについて相談する機会を設けています。
TVerでは現在、中途入社して3年ほど経過する社員が、全社員の約30パーセントを占めています。入社後に取り組んだ仕事がひと区切りついて、社内でさらに次のチャレンジをするか、外に出て違うチャレンジに挑むか、その分岐点で迷っている人もいることでしょう。
こうした社員は今後も増えていきますし、「外に出るしか選択肢がない」という状態ではいけません。希望部署への異動や組織改編を視野に入れながら、「中長期的なキャリアを描けそう」と感じられる体制作りに取り組んでいます。
尊重し合える仲間たちと、次のTVerを作っていく
廣田:私が入社して以降も、新しい人が続々と採用されています。私のリクルーターだった香坂さんに聞くのもおこがましいのですが、TVerが求めている人物像はどのような人でしょうか?香坂:自分なりの考えを持って自発的に動ける人。TVerというプロダクト自体、業界の勝ちパターンや慣習をなぞらない形で成長してきたので、誰も正解を知らないことに対して手を挙げてチャレンジしたり、必要なメンバーを巻き込んで推進したり、といったコンピテンシーの部分を重視しています。
それから面接では派手な失敗や挫折した経験を聞くことが採用選考の大きなヒントになっています。失敗したことはネガティブに捉えられがちですが、どれほどのチャレンジを試みたのかが測れますから。
廣田:そういえば、私のときも聞かれました。「こんなこと面接で話して大丈夫かな」と不安でしたが(笑)。
香坂:もちろん無理に聞くことはしませんが、どれくらい素直に伝えてくれるかで、その人の誠実さもつかめると思っています。
今回せっかくの機会なので、会社に対して「もっとこうしてほしい」という要望があれば聞きたいのですが、どうですか?
廣田:社員同士の交流について、部門を超えてランチ会や飲み会を行う「シャッフル食事会」が行われていますが、まだいろいろできるんじゃないかと思っています。例えば、全社員が一堂に会する機会がもっとあってもいいですよね。入社して日が浅いので、お会いしていない人もたくさんいるんですよ。
香坂:確かに、今は年に1回の表彰イベントで集まるくらいなので、頻度を増やしてもいいですね。普段から部門を超えて社員が集まれるように、雑談ができるようなスペースを社内に設けてもいいなと思います。
廣田:いいですね。「このサービスをもっと飛躍させたい」「社会のインフラにしたい」という熱い思いを持たれている方が多くて、常に前を向いている姿がとても好きなんです。なので、もっといろんな方とお話してみたいですね。
香坂:ぜひ!私も人財戦略本部として、その思いを持続できる環境をもっと作れたらと思います。
TVer採用サイト(https://recruit.tver.co.jp/)
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