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2024.06.05 11:00

一人ひとりの経営者に向き合い、「大廃業時代」という社会課題に挑む。異業種大手から転身したM&Aアドバイザーの志

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M&A業界のベンチャーとして急成長を遂げ、2022年6月、創業からたった3年9か月で東証グロースへの上場を果たしたM&A総合研究所。さらに2023年8月には東証プライムへ市場変更した。

同社で活躍している、企業合併や買収を仲介するM&Aアドバイザーには、異業種からの転職組も多い。2022年に異業種から入社した2人のM&Aアドバイザー、吉武遼(よしたけりょう)と高橋一平(たかはしいっぺい)は、ともに入社2年も経たないうちに多くの案件を成約に導きながら、シニアマネージャーとしてチームを率いている。

2人とも、前職は学生人気就職ランキングで毎年上位にランクインする大企業だった。そのキャリアを方向転換し、次の活躍の場としてM&A総合研究所をなぜ選んだのか。過去に培った実績やスキルをどう生かし、どのような新たな経験を積んでいるのか。その想いと現在の日々に迫る。

キャリアを重ねるほどに抱いた葛藤

吉武は、新卒で総合商社に入社し、船舶のトレーディングに携わっていた。売買の仲介を通して世界中の船舶オーナーと関わることへ大きなやりがいを感じていたという。20代後半にはギリシャへの駐在も経験した。

高橋はメガバンク出身だ。東京都下の支店で、企業オーナーと二人三脚で経営について話し合い、融資の支援をした喜びを原体験にもつ。お客様と1対1で膝を突き合わせて直接コミュニケーションする仕事は楽しく、やりがいに溢れていたという。

ところが2人とも、ビジネス経験を積むにつれて満たされない思いも抱くようになる。

「船舶の世界は狭く、業界内のプレイヤーがほぼ把握できてしまった。海外駐在も経験して帰国した頃から、違う環境で仕事をしたいと思うようになったんです」(吉武)
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「年次を重ねるにつれ、大きな融資案件を担当する機会にも恵まれました。ただ、綿密にリスク分析し、私が交渉をまとめたお客様に対する融資も、上層部の審査が通らなければ実現できません。分析結果からは融資すべきだと考えられるにもかかわらず、お客様のチャレンジをご支援できずに悔しい思いをすることが続いていました」(高橋)

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さらに、大手企業ならではの悩みも抱えていたことも、2人に共通する転職の理由だ。稟議申請や事務手続きなどの社内業務が多く、お客様と向き合う時間が削がれるように感じていたという。これは、自身の実力がついてきたからこそ感じるジレンマでもあった。

誰もが知る人気企業で活躍しながら、こうした忸怩たる思いを抱いていた吉武と高橋。新たなフィールドで、お客様に徹底的に向き合える環境を求めて、M&A総合研究所へ入社した。

「自分の裁量をもって仕事ができる環境を探していました。また、私の入社当時は100名に満たない規模だったので、これから組織を作るフェーズで成長を実感できそうだという期待もありました」(高橋)

「入社の決め手は、お客様との折衝に多くの時間を使える環境だったことです。当社は見込顧客へのコンタクトや資料作成のサポート、事務作業などは効率化されたプロセスがあり、アドバイザーがお客様としっかり向き合える環境がある点を魅力に感じました」(吉武)

M&A総合研究所は創業時から業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)に力を入れており、効率化できる業務は仕組みを整え、バックオフィス部門もプロフェッショナルとしてアドバイザーをサポートする。業務システムの整備にもこだわりを持ち、徹底したデータクレンジングを行うとともに、これまで10,000回以上ものシステム改修を重ねているという。

本質的な価値を発揮できる環境。これはまさに、吉武と高橋が求めていたことだった。

入社1年で海外M&A事業部の立ち上げメンバーに抜擢

成果報酬型という厳しい環境でアドバイザー業務に従事し、実績を挙げている2人。
高橋は、案件の最終判断まで自分に課せられている環境に満足している。

「当社は、案件をもっとも理解している担当アドバイザーが自ら判断して動くことが求められます。大きな自己責任が伴いますが、自由に動ける点が前職と大きく違うと感じますし、魅力的だと思います」(高橋)

銀行員時代に培ったファイナンスの知識を生かしながら、ディール全体をまとめる力がついていることに成長実感を覚えているという。

そして、「船舶トレーディングとM&A仲介の進め方には共通点が多い」と語る吉武も前職の経験を生かしながら、自由度の高い環境で満足できる仕事ができているという。毎日の時間の使い方も、自分の裁量次第だ。

日々の仕事は個々の裁量に任されているが、その柔軟性は各社員の業務のアサインにも発揮されている。

「会社として海外のM&A市場を開拓していこうというとき、私は商社で英語を使い海外と日本を繋いでいた経験があるので、真っ先に手を挙げて海外M&Aを推進するプロジェクトのリーダーを任されました。自分の得意なことを生かしたり、やりたいことを自由にやらせてもらえる環境はありがたいですね」(吉武)

M&A成立には、お客様の感情にも寄り添うことが不可欠

アドバイザーとしてのやりがいは、大きな裁量をもって、緻密な分析と計画を行い、譲渡企業と譲受企業とのディールをまとめることだけではない。

後継者がいないなどの理由で事業継続に悩むオーナーと人として向き合い続けること。そして、オーナー本人のみならず、多くの人を支援できることも大きな満足度につながっているという。

「ご高齢で後継者がいない中、従業員を守るために会社を存続させたいというオーナー様から相談を受けた案件は、心に残っています。無事M&A成約に至り、ありがとうと言っていただけて嬉しく思いましたし、譲渡後もお付き合いが続いています」(高橋)

「M&A仲介は、オーナー様のみならず、そのご家族や譲渡会社の従業員の人生も変える重要な仕事です。ある案件で、企業譲渡をオーナー様と一緒に従業員の皆さんに伝えたときには、これからの仕事が良い方向に変わると感じてワクワクしたことを覚えています」(吉武)

企業譲渡を考えるオーナーにとって、会社は人生を賭けて育てあげた子どものような存在だ。それゆえに、M&Aの検討を進める過程で会社を手放すことに躊躇するケースも珍しくないという。

そのようなときに大切な姿勢は、答えを急がず、共感して寄り添うことだという。人生を変える出来事だからこそ、アドバイザーはオーナーと徹底的に向き合う。ロジックだけでは片付けられない側面もある中、M&Aを成立させるというゴールに至らせるのが、アドバイザーという仕事の難しさであり、醍醐味でもあるのだ。

後継者未定の会社を1社でも救うために

日本は近い将来、「大廃業時代」を迎えるといわれている。70歳を超える中小企業の経営者は245万人いるが、そのうち約半数の127万人は後継者が決まっていない。これは、日本企業全体の約3分の1にものぼる割合だ。その127万人の経営者のもとで働く従業員は、その何倍、何十倍もの人数になる。

事業継続に悩みながら、その術が見出せずにいるオーナーは多いという。あるいは、M&Aという手段を知っていたとしても、抵抗感があったり相談先がわからなかったりすることも少なくない。

この後継者不足は大きな社会課題だが、アドバイザーとしては、1件1件の案件成約を積み重ねた結果として、この課題の解決を目指す。

「あくまで私がやるべきことは、目の前のオーナー様一人ひとりと向き合い、ご支援すること。その結果として社会課題の解決に役立つことができれば、という思いです。そのためにM&Aの専門家としてスキルを磨いていきたいですね」(高橋)

「国内の企業が海外の会社を買うケースは年々増えているので、日本企業が海外へ羽ばたく手助けをしていきたいと考えています。私自身は、前職で海外ビジネスをやっていた経験を生かして、海外M&AチームのリーダーとしてクロスボーダーM&Aをより多く手がけられるアドバイザーになっていきたいです」(吉武)

大きな社会課題を目の当たりにしながらも、あくまで大切なのは、一人ひとりのオーナーに寄り添うことだと言い切る2人。後継者未定の会社を1社でも多く救い、オーナーやその家族、従業員の人生を支えるパートナーとして、これからも価値を生み出し続ける。


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Promoted by M&A総合研究所 | text by Takako Miyo | photographs by Shunichi Oda | edit by Kana Homma

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