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2024.01.29

隈研吾×小林喜光×春日秀之 「サーキュラーエコノミーにはロマンが必要だ!」

サーキュラーエコノミー。従来の大量生産・大量消費・大量廃棄をベースとした経済モデルから脱却し、資源を循環させながら環境と調和の取れた経済モデルを目指す発想で、近年ヨーロッパを中心に注目されている。

この考え方を、日本でも定着させるべく情熱を注いでいるのが、「hide kasugaグループ」代表の春日秀之だ。昨年末、hide kasugaグループ主催、Forbes JAPANが協力に名を連ねたフォーラム「サーキュラー エコノミー フォーラム」が東京・六本木の国際文化会館で開催された。

フォーラムのメインイベントは、主催者の春日に加えて建築家・隈研吾、令和臨調共同代表・小林喜光の3人による特別鼎談「令和モダニズム」。ここでは、フォーラム全体の様子を紹介しよう。


カルチャープレナーに期待する「ものづくり」

特別鼎談に先駆けて第一部として行われたのが、「コラボレーションセッション with Forbes JAPAN」。Forbes JAPAN編集長・藤吉雅春が司会を務め、スマイルズ代表の遠山正道、secca代表でデザイナーの上町達也が登壇し、「ものづくりの未来」をテーマにセッションを繰り広げた。

Soup Stock Tokyoを皮切りに、ネクタイブランドやリサイクルショップなどを手がける遠山は、自身の経験を踏まえて「関連性のなさそうなことばかりやってきたが、根っこにあることは『やりたいことをやる』こと。だから、失敗という考え方もない」と話す。

その上で、「ものをつくるということは仲間を作るということ。コミュニティが重要になってくる。ビジョンも勝敗もなくて、ただ仲間と野っ原にいて、そこにまた共感した仲間が集まって広がるような、“ピクニック村”がこれからできてくるのではないか。もちろんそこには魅力がなければ仲間も来ないし、呼ばれない。アートをやっている人は、そういう環境で力を発揮するのが得意だと思う」と、カルチャープレナーとしてのアーティストに期待を寄せた。

写真左から

写真左から、Forbes JAPAN編集長・藤吉雅春、スマイルズ代表の遠山正道、secca代表でデザイナーの上町達也


Forbes JAPANでもカルチャープレナーとして選出され、金沢で活躍する上町は、「金沢で起業する際に遠山さんの本を読んでとても刺激を受けた」と告白。「昔は文化的なものを支援する旦那衆がいたと聞きます。いまではほとんど廃れつつあるため、新しい仕組みが求められています」と言う。

「加賀藩には御細工所という藩お抱えの今でいう工芸工房があった。それを踏まえて、現代の御細工所をつくりたいというイメージ。工芸の新しい作り方と届け方を再考し、それらを新しいマーケットと繋ぎ合わせていくことが大事になってくる」と、自身の今後の展望も踏まえたものづくりのあり方を披露してくれた。

プラクティカルな人材こそ必要だ


そしてメインとなる第二部は、主催者の春日と令和臨調共同代表の小林が登壇、コンペのため中国滞在中の建築家の隈がオンライン参加して、「令和モダニズム」をテーマにした三人の鼎談が行われた。

「令和モダニズム」とは春日が提唱する循環型社会の姿。「戦前はヨーロッパから学び、戦後はアメリカから学んできたが、そろそろ日本として新しく自立しても良いんじゃないかと思う。そのチャンスはサーキュラーエコノミーにある。たとえば江戸時代は木くずや紙くずを売る商売が成立し、町にゴミひとつ落ちていない環境に幕末の外国人は驚いた。こうした新しいライフスタイルは再構築できるし、令和モダニズムと呼ぶべき文化にもなるでしょう」。

果たして日本は循環型社会をリードできるのか。小林は「日本はリスクを取りにくい社会だから、新しいことをしようとしても慎重さからスピードに欠け、どうしても海外から敬遠される面がある」と乗り越えるべき課題を提起。今や海外での活躍にも軸足を置く隈も「たしかに日本人はリスクを取ってまで大きな仕事をしようとは思わない。だけど、ぼくはリスクを取るタイプだから、海外からたくさん発注がもらえる」と応じ、会場は笑いに包まれた。

その上で、隈は「どうして日本人は海外に出て行かないのか。おもしろい人材でも、日本の中に留まって芽が出ない才能が多すぎる。もっともっと外に行かないと。若いイノベーターこそ、海外に出て学ぶべき」と力説。「海外でも日本人の学生はぜんぜん見かけないし、大学でも質問をしてこない。働き方改革もあって、仕事の仕方に制約もある。その点、海外から来ている人たちは自らどんどん働いて、イノベーションを生みだしている。ウチの事務所は350人のうち200人くらいは外国人ですが、みんな自走しながら新しいアイデアを提案してくる」と、日本の若者の消極性が問題だと指摘した。

隈研吾

隈研吾氏はコンペのため中国からオンライン参加した


話題はここから教育のあるべき姿へ。「ロマンや熱量が不足しているのかな」と、日本の次世代の内向き指向を危惧する小林は「個の時代において、もっとも重要なものは感性を磨く教育や、現代史をひもとき歴史観を持つ、金融投資について自分なりの考えを持つといった思考のレッスン。暗記だけの受験システムは見直すべき。教育改革には時間がかかるけれども、企業の研究開発だって20年かかるのは普通のこと。20年後に日本からどんどんアグレッシブな人間が輩出されるよう、エンパワメントすることが必要だ」と話し、何よりも地に足のついた「プラクティカルな人材」が求められるはずだ、とした。

「日本では大学に行くことが目的になっているが、そうではなくて何のために学ぶのかという哲学が教育に足りていない」と春日が受けると、小林は「春日氏のいうサーキュラーエコノミーも、実装にはどうしても時間がかかる。企業の中でも担当者は異動するし、経営者だって変わる。それでもやろうと思えば、熱意を持ち続けるしかない。経済的にはリスキーでも、自分の天命なんだ、使命なんだと思うくらいの覚悟。それを持って信じてやらなければいけない」と応じた。

来るべき「令和モダニズム」時代にむけて


三者三様の熱意ある討論に参加者50人を超す会場もヒートアップ。質疑応答で「会社の中で熱意を持ち続けることの難しさ」について問われると、小林は「それが続けられない会社なら、そんな会社は辞めたほうがいい」と喝破。そして、自身の好きな言葉として「宿命に耐え、運命と戯れ、使命に生きる」を紹介。「自分自身も何のために生きているのか、ずっと自問自答を繰り返してきたから簡単に答えは出ない。ただ、やはり人は誰かのため、社会のため、地球のために生きて、働く。命をどう使うかということだと思う。だから、ロマン、情熱を持ち続けて天命を果たす。組織を動かすのは、それしかない」と力説した。

「サーキュラーエコノミーなんて理想論だと言われ続けて、それでもやりたいと情熱を燃やし続けて30年。とても勇気づけられた。これからも情熱をぶつけていきたい」。ロマンを持ち続けた春日自身がこうまとめ、2時間にわたるフォーラムは幕を閉じた。

若い世代のビジネスパーソンが多く集まった会場では、閉会後にも互いに交流を深める姿が見られた。春日の掲げるサーキュラーエコノミーによる新しい社会の実現に向け、同じ情熱を持つ若い世代が少なくないことも改めて実感。「令和モダニズム」時代は、もうすぐそこにあるのかもしれない。

promoted by hide kasuga グループ/text by 鼠入昌史/ photographs by 久間昌史

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