今回は、成果報酬でありながら、同僚と競い合うのではなく「助け合い、学び合い、教え合う」、同社ならではの文化を深掘りする。プルデンシャル生命保険 青山第一支社 シニア・コンサルティング・ライフプランナーの徳原祐樹に聞いた。
プルデンシャル生命保険は、創業以来オーダーメイドで顧客の要望に寄り添う保障プランを設計する「ライフプランナー」による生命保険提供にこだわって成長を遂げてきた。その顧客サービスが評価され、今年の米国Forbes主宰「World's Best Insurance Company(世界最高の保険会社)2023」の、日本企業対象ランキングの第1位獲得につながった。
ではプルデンシャル生命保険のどのような点が、それほどまでに評価されたのか。
課されているのはノルマでなく「お客様の役に立つこと」
「一般的に商品の評価というのは、実際に利用した方の意見が重要だと思っています。ですから今回は実際にご契約されたお客様に喜んでいただいた結果として評価されたことが嬉しいです。ご加入いただいているお客様が、よりご安心していただけるなら何よりですね。また、現場で働くライフプランナーにとっても自信につながります」徳原は今回の受賞の感想を聞かれ、こう切り出した。
プルデンシャル生命保険において、ライフプランナーは全員フルコミッションで、自由な働き方が認められている。彼らライフプランナーに、販売ノルマといったものはない。それがゆえに、保険商品ありきではなく、お客様のニーズに合わせたオーダーメイドの提案をしなければ信頼は得られないという。
「会社からは『お客様の役に立ちなさい』と求められています。ですので、私たちライフプランナーは、お客様に役立つために何ができるのか、それだけを純粋に考え続ければいい。経営層はお客様のいちばん近くにいる存在としてライフプランナーの意見を尊重してくれます。こうした社内風土が評価につながったのかもしれないですね」
「世界最高の保険会社2023」評価の一基準には顧客満足度がある。徳原はこうした長年受け継がれているという企業文化がその評価の源泉にあると語った。
同僚と「助け合い、学び合い、教え合う」文化が必要な理由
ライフプランナーはそれぞれが目の前のお客様へ寄り添うことに邁進する一方で、横のつながりも特徴的だという。その理由を、徳原は、ライフプランナーという職務は「一人で完結できる仕事ではない」からだと言う。それはなぜなのか。「プルデンシャル生命は、ご契約をお預かりしたライフプランナーが保険金のお支払いまで担当することを基本としています。しかし実際には保険金のお支払いがご契約から50年かかるようなこともあります。私のお預かりしたご契約を自分の次の世代の後輩ライフプランナーが担当する可能性があるのです。そう考えると自分だけが良いライフプランナーになっても、将来お客様の役に立つことができません」
そのために必要になるのが、学び合う文化だという。
「4,000人以上いるライフプランナーはそれぞれが強みをもっています。そうした多様なライフプランナーたちが、ベテランや若手など関係なく、知識や学んできたことを惜しげもなく仲間にシェアするのです。この文化は当たり前のこととして根付いていて、それぞれの知識をもち寄ることで、お客様により良いサービスを提供できると考えています」
ライフプランナー同士の学びを、組織で加速させていく
『助け合い、学び合い、教え合う』文化を醸成する独自の場として、プルデンシャル生命保険のライフプランナーの誰もが参加できる「JAIFAプルデンシャル会」の存在がある。同会は業界団体「JAIFA 公益社団法人生命保険ファイナンシャルアドバイザー協会」に所属するプルデンシャル生命保険のライフプランナー・営業管理職を対象とした組織団体で、同社のライフプランナー・営業管理職のほとんどが加入しているという。
徳原は現在、JAIFAプルデンシャル会の事務局長を務めている。同組織は、北海道、関西、北陸などの地域ブロックごとに主な活動が行われ、徳原は各ブロックのまとめ役だ。
「JAIFAプルデンシャル会は10年前に発足しました。所属支社を超え、全員フルコミッションであるにもかかわらず、仲間のためになればと、手弁当で企画や運営を行い、組織として多くの学びの場も提供しています」
JAIFAプルデンシャル会では、テーマに沿った研修を行ったり、ライフプランナーそれぞれが自身の体験をもち寄り、より良い顧客体験をどう実現するかを話し合ったり、学び合ったりするのが主たる活動だ。幅広く多様なテーマで勉強会が行われているのだという。会の特徴を徳原はこう説明する。
「研修で話をする機会は、相手のためと思いがちですが、アウトプットした自身に最も学びがあります。お客様のための知識もより深まり、自分のためが仲間のためになって、WINが増えていきます。誰でも発言できて、テーマも選ばないのが特徴ですね。良いことだけでなく失敗や、辛い思いをしたことがあっても、ライフプランナー、ひいてはお客様のためになると思えば共有します。いい仲間がたくさんいることも付加価値だと感じています」
JAIFAプルデンシャル会は各ライフプランナーの実力を伸ばして、顧客のメリットを最大化するためのもの。そして同じ志をもった仲間がいると実感するための組織でもある。
「何よりもこの会が魅力なのは、すでにエグゼクティブ・ライフプランナー※となっている先輩であっても、学ぶ気に満ちあふれていること。後輩である私の経験談でも、メモをとりながら聞いてくださり、参考にしようとしている方が多いです。こうした姿勢が文化として根付いているのが、プルデンシャル生命の素敵なところだと思います」
(※エグゼクティブ・ライフプランナーとは同社のライフプランナー資格の最高位。)
JAIFAプルデンシャル会に限らず、同社には文化として上下関係を問わないナレッジやノウハウの共有が定着している。同社の学び合い・教え合いを加速させる仕組みとして、ライフプランナーネットワークというシステムも一役買っている。業務上の困りごとや相談を自由に書き込み、それに他のライフプランナーが応える社内ネットワークだ。
「この仕組みはお客様にとってもメリットがあると思います。仲間に教えてもらった情報は納得感をもってお客様にも伝えられると思います」
保険の提案だけではない。ライフプランナーは「人生のパートナー」
徳原はライフプランナーとして顧客に寄り添ううえで3つの変化に着目している。「顧客の環境変化」「世の中の変化」「解決策の変化」だ。「結婚や出産、住宅購入などのライフイベントや病気に罹患したことなどで、お客様の環境が変化します。インフレなど世の中の状況変化にも敏感でなければならない。そのうえで解決策としての商品もまた変わっていくと私は考えます。ライフプランナーはその変化をキャッチアップして、お客様に選択肢を増やしていただける仕事だと思います」
プルデンシャル生命保険の揺るぎない志や使命が後輩に継承され、会社が継続していくことが、顧客の人生に長く寄り添うライフプランナーにとって必要となる。
「それらなくしてお客様との約束を果たすことはできません。プルデンシャル生命の『助け合い、学び合い、教え合う』文化は、私たちの使命を正しく後進に伝えるために必要不可欠なものです」
同社には、エグゼクティブ・ライフプランナーに弟子入りする、いわゆるメンター制度としてマイスター(徒弟)制度がある。また、創業から36年が経過し、担当者の世代交代が始まるなかで、ダブル担当制度も導入されている。
この制度は、顧客に対するサービスを継続していくために、一定の条件下にあるライフプランナーが担当している顧客を対象に、現担当であるライフプランナーとともに若手がセカンドライフプランナーとして並走するというものだ。徳原は「お客様の人生や価値観に寄り添えるようになるため、10年並走して引継ぎできれば本当の引継ぎだと思う」と言う。
「ライフプランナーは変化と一緒にお客様が健康なときからお亡くなりになるときまで担当として寄り添うことができます。生命保険契約というかたちでご家族への愛をお預かりし、生命保険金というかたちで愛をお届けするのが私たちライフプランナーの仕事だと思います」
徳原祐樹(とくはら・ゆうき)◎大学院工学研究科を修了し、システムエンジニアを経て、2015年に入社。シニア・コンサルティング・ライフプランナーとして活動しながら、プルデンシャル生命保険の営業社員のほとんどが加入するJAIFAプルデンシャル会事務局長を務める。
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