スポンサー企業であるデル・テクノロジーズは企業の生成AIプロジェクトの推進をサポートしており、アワードの中ではトークセッション「Bring AI to Your Data~生成AIで再考するビジネス戦略~」が行われた。AIの先進企業が考える、スモールビジネスへの「生成AI」活用のヒントとは何か? 当日のセッションの内容をお届けする。
約358万社もの数があるといわれる日本の中小企業の中で、規模が小さいながらも革新に挑み続ける「スモール・ジャイアンツ(小さな巨人)」企業にスポットを当てる「スモール・ジャイアンツ」プロジェクト。
このプロジェクトをサポートするデル・テクノロジーズは、数多くのスモール・ジャイアンツをIT分野で支援してきた実績を持つ。アジア・パシフィック・日本でのビジネスマーケテイングを統括するデル・テクノロジーズのウィリアム・ハスコは「スモール・ジャイアンツ・アワード2023-2024」に登壇した際にこう語った。
「企業の成功は決してひとりで導けるものではありません。同じ視座を共有するチームがあればこそ、成功を手にできるのです。デル・テクノロジーズという企業は、マイケル・デルという創設者が、世の中をテクノロジーでよりよくしていきたいという思いで立ち上げたスモール・ジャイアンツ企業だと、私は考えています。社会にイノベーションをもたらしたいと考える、あらゆる規模の企業に対して最適なソリューションを提案するパートナーです。スモール・ジャイアンツ企業、スタートアップ企業の皆さん。ぜひデル・テクノロジーズのリソースを活用して、企業の成功に役立ててください」
生成AI導入で重視すべきこととは
現在のIT分野において、特にデル・テクノロジーズが活用してほしいと考えるもののひとつが「生成AI」だ。トークセッションに登壇したデル・テクノロジーズでAIスペシャリストを務める増月孝信によると、生成AIがもたらす変化はインターネット登場以前・以後における変化に近しいものだという。「従来のAIが、既にあるデータから統計学的に分析を行うのに対し、生成AIは画像、音声、動画、コード生成などコンテンツの生成が可能なクリエイティブな存在。インターネットの登場、そしてスマートフォンの普及がさまざまなサービス、ビジネスを可能にしたように、生成AIによってビジネスは大きく変革すると考えられます」
しかし生成AIの活用は、生産性の向上やコストの削減、顧客体験の向上など大きなチャンスにつながる一方、知的財産の損失や、導入にかかるコストなどのリスクもはらんでいる。
「導入における経営者の悩みは非常に多くあると思います。そもそもどこから手をつければいいのか、どのようなユースケースがあるのか、リスク回避をどうすればいいのか。まず非常に重要なのは“リーダーシップチームと戦略の確立”です。単純な業務における活用であれば、大きな投資をするよりも外部のサービスを使うなどの方法があります」
「しかし自分たちの会社のコアとなる部分に生成AIを活用し、それを自分たちでコントロールしていきたいと考えるのであれば、現状(As Is)とTo Beモデルによってビジョンを確立し、戦略に沿ったロードマップを描くことが必要になります。また導入におけるリスクを理解することも同様に大切なのです」
デル・テクノロジーでは企業のパートナーとなり、AIビジネスの適切な規模、ユースケースに合わせたソリューションの支援を行なっている。
「お客様の事例としてご紹介したいのが、サイバーエージェント様の広告事業への活用です。日本語に特化した独自のLLM(大規模言語モデル)を開発し、広告コピーの自動生成を行なっています。さらに機械学習を用いて広告コピーの宣伝効果(スコアリング)を予測分析すると、より詳細なターゲティングと素早い検証が可能になり、広告効果の向上に貢献しています」
スモールスタートでも飛躍を狙える
聞き手を務めたForbes JAPANの谷本有香から、「中小企業が生成AIを活用するにあたって、今後どのように進めていけばいいのでしょうか?」との問いが発せられると、増月は次のように答えた。「生成AI活用はスモールスタートが可能であり、それこそが中小企業にとって大きな飛躍をもたらすと考えています」
「まずは業務アシスタント的な活用から始めるのもひとつの方法ですが、AIのエコシステムには多様なチャンスがあり、中小企業、スタートアップ企業が新たな価値を発見する余地は非常に多い。このモデルをぜひ発見していっていただきたいと思いますし、必要とあればデル・テクノロジーズのグローバルな事例に基づくサポート力を活用していただきたいと考えています」
ビジネスをより飛躍させる第一歩を踏み出すためには、世界的に多くのAI導入の事例を持つと同時に、高い技術を備えるパートナーの存在が非常に心強いものとなることだろう。
谷本は「生成AIはただ導入すればいいのではなく、自社のビジネス特性やビジョンに合わせて、バックキャスティング的に進めていくための戦略が不可欠」と前置きした上で「新しい時代を迎えるにあたって、スモール・ジャイアンツにとっても生成AIは非常に大きなツールになりつつある。それぞれがAIを使って行うボトムアップがきっかけとなり、大きなイノベーションや進化が起こっていくはずだ」と生成AIが描く未来に対しての期待を述べ、セッションを締め括った。
実際のセッションは、以下から視聴できる。
Dell Technologies × Forbes JAPAN
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