今回は、同社の企業理念とコアバリューにフォーカスする。これらは現場にどのように浸透しているのか。プルデンシャル生命保険 品川第三支社 エグゼクティブ・ライフプランナーであり、社内組織であるプルデンシャル・エグゼクティブ会の会長も務める森 拓也に、企業理念やコアバリューがライフプランナーにとっていかなる存在かを聞いた。
1980年代、日本国内の世帯生命保険加入率が90%を超え、競争が激化するなかで、プルデンシャル生命保険は後発で日本市場に進出した。同社はすでに参入余地はないと言われていた保険業界で、オーダーメイドで顧客の要望に寄り添う保障プランを設計する「ライフプランナー」を中心とした価値提供を行い、存在感を高めてきた。
その地道な活動の積み重ねが、米国Forbes主宰の「World's Best Insurance Company(世界最高の保険会社)2023」の、日本企業対象ランキングの第1位獲得につながったと言えるだろう。
ライフプランナーとして考えた、ベストカンパニー受賞の理由
「今回の受賞で、私たちの仕事に向き合う姿勢が高く評価されたことは、たいへん嬉しいことです。ただ、それほど驚くことではないとも思っています。ライフプランナーとして、真摯にお客様に向き合ってきた結果だと思うからです。私たちライフプランナーは、単発の契約や利潤追求のためではなく、お客様の人生すべてに寄り添う努力をしてきたという自信があります」「世界最高の保険会社2023」にてベストカンパニーを受賞した理由について、森はそう切り出した。
ベストカンパニー賞は、米国Forbesが3月中旬〜4月中旬、世界15カ国の生命保険加入者3万人以上を対象とした調査結果を元に選出される。アドバイス内容、顧客サービス、コストパフォーマンス、透明性などの多様な評価軸があり、保険会社の評価ランキングが発表されるのだ。
プルデンシャルで培われる「お客様の人生に寄り添う力」
「私たちライフプランナーの仕事のスタイルは、通常思い浮かべられる保険営業とは、かなり異なります。フルコミッション制(完全成果報酬)ですが、営業成績よりもっと大切なのは、お客様の人生に寄り添うライフプランナーシップだと、私たちは考えています」ライフプランナーの仕事は、人生に寄り添うことからお客様との距離感が近いと森は言う。
仕事としては生命保険に関わる業務全般ということになるが、お客様からの相談はそれに留まらない。住宅ローンなどの金融課題から、損保、不動産に至るまで、さまざまな人生の局面で相談を受けるという。
当然センシティブな内容も多く、信頼関係なくしてこの距離感は築けない。信頼に応えるため、求められれば飛んで行くし、ずっと寄り添うこともある。例えば、相続などのお客様の人生の重要な局面であれば 1〜2週間、1人のお客様に集中して対応することもある。顧客にフルコミットする理由を森はこう言い切ってみせる。
「家族のように生涯にわたってお客様の人生に寄り添うパートナーでありたいからです。どんなときでも労をいとわない、それがライフプランナーシップだと考えています。売り上げ重視の営業パーソンと思われる方からは理解できないことかもしれません」
生涯パートナーを目指すライフプランナーシップ。ライフプランナーになったばかりのタイミングでは、営業成績に比重を置く人が多いと森は指摘する。実際、彼も入社時は営業成績に対する意識が強かったと振り返る。
「ただ不思議なことに、プルデンシャル生命で過ごす時間が長くなり、企業理念が浸透してくると変わってきます。ベテランになればなるほど、圧倒的にライフプランナーシップが高くなり、むしろ成果を出せるようになる。圧倒的な顧客本位の姿勢を貫きながら、成果を出す。このライフプランナーの姿勢が、プルデンシャル生命が評価された一因だと思っています」
企業理念「生命保険業を通じ、社会に貢献する」から生まれた4つのコアバリュー
森は営業パーソンとして天性の才能をもち、若くして高い成績を次々と実現してきた。そんな彼が、友人から「営業のオリンピックのような会社がある」と聞いて興味をもったのがプルデンシャル生命保険入社のきっかけだった。そんな彼が、今ではなぜライフプランナーシップを存分に発揮する人間となったのだろうか?
プルデンシャル生命保険の企業理念は「生命保険業を通じ、社会に貢献する」こと。そして、その理念に付随して「信頼に値すること/Worthy of Trust」「顧客に焦点をあわせること/Customer Focused」「お互いに尊敬しあうこと/Respect for Each Other」「勝つこと/Winning with Integrity」という、1992年に導入されて以降変わることなく大切にされてきた4つのコアバリューがある。これが自分を変えた要因だと、森は説明する。
「毎年、社員全員が、4つのコアバリューに対応する自分自身の目標を記しています。それぞれの立場やキャリアの長さによって、実践することは異なるので、自分に引き寄せた内容を書くのです」
こうしたコアバリューは、日々、常に考え続けることで身についていくものだと森は実感している。
「仕事をしていれば、例えば保険代理店等への転職、独立や収入を倍にする方法など、いろいろなことが頭をよぎるし、迷うこともあるはずです。そんなときにこの4つのコアバリューがあるから、 “自分はいったい何のためにこの仕事をしているのか”、“なぜプルデンシャル生命にいるのか”と立ち戻って考えられる。自然に正しい選択が見えてくるのです」
またプルデンシャル生命保険は、37年前の創業当時より「Free to Work(自由なワークスタイル)」を謳い、ライフプランナーには、自由な働き方や時間の使い方が可能な、ノルマのないフルコミッション制を採用している。子どもの行事など家族のための時間はもちろん、一定のルールを守りさえすれば、1カ月海外へ旅行することさえ可能だという。
こうした自由な社員の一体感を醸成するためにも、コアバリューが機能している。
「見た目や働き方、時間の使い方が違っても、すべてのライフプランナーが、まるで正義の心のように、自分のなかに4つのコアバリューをもっています。だからどこでどのような働き方をしていようと、心の底では連帯していられるのです」
目指すべき会社の理想の未来を描く〜プルデンシャル・エグゼクティブ会という仕組み
プルデンシャル生命保険は、組織構造に関しても、同社ならではの逆ピラミッド型の仕組みづくりを構築している。なかでも特徴的な仕組みと言えるのが、社内組織であるプルデンシャル・エグゼクティブ会(以下、エグゼ会)だ。総勢約4,400名のライフプランナーのうち、社内資格の最高位であるエグゼクティブ・ライフプランナーのなかで基準を満たした300人程のみが参加できる組織である。そのエグゼ会の会長を、森は去年から今年にかけて務めている。
同会への活動には特別な報酬は発生しない。フルコミッションの彼らが手弁当で組織を運営している。こうした組織の存在が、顧客に最も近い社員の考えを最上部に位置づけ、本社機能があり、経営陣が支えるという「逆ピラミッド型構造」を機能させ、オーダーメイドの保険を販売する同社の強みを生んでいるのだ。
エグゼクティブ・ライフプランナーたちが同会に参加する動機はどこにあるのか。森はその理由を以下のように説明する。
「多種多様な個性や働き方を認めてくれるプルデンシャル生命という会社が好きで、存続してほしい、もっと良い会社にしたい、会社への感謝を表したい、そんな純粋な思いでみんな集まっています。
相手が経営陣でも気を遣わずに発言し、内部から改革を実行できることも、大きなやりがいにつながっています」
森は、40歳の若さで会長に就任し、ライフプランナーの代表としてプルデンシャル生命保険の経営につながる重要な会議に参加して、商品構成や顧客のためになる改革アイデアなどの現場の声を届ける役割を担っている。
加えて森は、現在エグゼ会にさらなる革新をもたらそうとしている。新陳代謝を促すべく世代交代を推進しているのだ。会長就任前の森は、エグゼ会の下から5番目の若さ。10年後のプルデンシャル生命保険を考えるべきは、未来のエクゼ会メンバーである若い世代であるべきだと、前会長からその任を託されたのだという。森はエグゼ会の組織改革や、後進育成に尽力している。「モチベーションは会社への愛情です」と微笑みながらそう話した。
行き着くところは顧客の満足
「会社への愛情」というフレーズがはっきりと口に出るのも、森が企業理念やコアバリューを体現しながら、ライフプランナーシップを育ててきたからだろう。「お客様に誓った『一生担当します』という言葉を裏切りたくないんです」と森は言う。「私がまだ新人で、保険自体の仕組みに十分精通していないころから任せてくれたお客様がいます。もちろんプルデンシャル生命の先輩方が良い仕事をしてきてくれたという面もありますが、そのお客様は、私に人生を任せてくれたわけです。この感謝の念は言葉に表せません。もっと幸せな日々を送るための提案をしたいという気持ちが、私の原点にあります。ライフプランナーの名の通り、これまで以上にお客様に寄り添う存在であり続けたい。その気持ちはいつまでも変わらないと思います」
森 拓也(もり・たくや)◎新卒で入社した家電メーカーで営業目標の2000%を達成し、ヘッドハンティングによりプルデンシャル生命保険に入社。品川第三支社 エグゼクティブ・ライフプランナーであり、社内組織であるプルデンシャル・エグゼクティブ会会長を務める。
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