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2023.10.27

日本の文化から生まれる価値を、世界に届けるには。クラウンの世界観とともに思索した一夜。

2023年10月8日に開催された「Forbes JAPAN CULTUREPRENEUR’S NIGHT with CROWN」。4つのクラウンの世界観を表現したスタイル展示体験のなか、特別に招待された読者にむけて行われたトークセッションの模様をレポートする。


東京・六本木で、期間限定で開催されていた「CROWN STYLE PARK」には、トヨタの新型クラウンを間近に見られるとあって、連日数多くのお客さまが来場した。その期間中に開催されたForbes JAPAN読者のためのイベント「Forbes JAPAN CULTUREPRENEUR’S NIGHT with CROWN」では、日本の価値を発掘し世界に向けて新しい価値を発信するカルチャープレナー(文化起業家)を招き、伝統文化継承の葛藤から生まれた変革や、日本の思想や文化の価値をグローバルに伝えるためのアプローチといったことを語り合った。

伝統工芸を深く知るクリエイターが語る、日本の美意識

トークセッションの第1部では、9月25日発売のForbes JAPAN本誌カルチャープレナー特集にも登場した陶芸家であり建築家でもある奈良祐希が、進行役のForbes JAPAN Web編集長谷本有香とともに登壇。日本の伝統工芸を深く知るクリエイターならではの視点から、伝統の壁を突破していくための考えを語る。

奈良祐希/1989年生まれ。建築家、陶芸家。EARTHEN 主宰。建築と陶芸の融合を目指した代表作 <Bone Flower>が世界屈指の現代美術コレクションを誇る金沢21世紀美術館に史上最年少で永久収蔵。

奈良祐希/1989年生まれ。建築家、陶芸家。EARTHEN 主宰。建築と陶芸の融合を目指した代表作 が世界屈指の現代美術コレクションを誇る金沢21世紀美術館に史上最年少で永久収蔵。

約360年の歴史を持つ伝統工芸である大樋焼の家柄に生まれた奈良は、「父も祖父も代々陶芸家でしたが、古い価値観のなかで変われずにいる大樋焼をかっこいいと思えなかった」と建築家を志したのだという。そして東京藝術大学大学院・美術研究科建築専攻を首席で卒業する。

「建築は人間が作る芸術ないし工学において、一番スケールが大きいものであり、ひとさまに使われて育まれていくものです。しかし陶芸は自己表現として突き詰めていく、そしてモノとしても小さい。建築を学んだことで、極めて対局にある両者それぞれの価値をよく理解することができました。そして、ではマクロ(建築)とミクロ(陶芸)の世界を相互補完するように繋げ直していくようなことができないか、という興味が湧き、そこに向けて頑張っているところです」

そんな奈良は学生時代に海外留学をするなかで、日本の建築と海外の建築の大きな違いに気づく。加賀藩に仕えた家柄に生まれた奈良は武家屋敷で暮らし、日本建築は障子や小さな格子といった繊細な質感の変化と陰影の世界観に触れて育った。かたや奈良が見たヨーロッパの建築は石やレンガといった「ものすごく重い」建築のなかにトップライトが神秘的な世界を作る、いわば宗教性を感じさせるものだった。その対比から、奈良は世界に通用する日本の美意識を「繊細さ、軽やかさ、そして透明性」といったところに見出し、建築や陶芸を通じて表現していきたいと考えている。

登壇した奈良の両サイドには奈良の代表作である〈Bone Flower〉と、大樋焼の茶碗を展示。白く、透明感のある〈Bone Flower〉と重厚な椀の対比は鮮烈。

登壇した奈良の両サイドには奈良の代表作である〈Bone Flower〉と、大樋焼の茶碗を展示。白く、透明感のある〈Bone Flower〉と重厚な椀の対比は鮮烈。

いまを生きる自分がものづくりをする意味

この会場で奈良は、クラウンのチーフエンジニアから、「クルマの開発段階では、原寸大のクレイモデルを手で削って造形を仕上げていく」という話を聞き「それは陶芸ですね」と感じたという。

「土に触れてものを作っていくときには、人間がダイレクトに、手と繋がっていく感覚があるんです。今日はクラウンにも乗りましたが、土と手で造形を決めるという陶芸のような要素を持っているクルマでありながら、運転していると小さい建築だなとも感じました。静かに自分を包み込み、守られている安心感がある。祖父がクラウンを所有していたので以前のクラウンも少しは知っています。“革新の連続が伝統になる”という言葉がありますが、16代続いてきたクラウンが、時代にあわせて新しいことに取り組んできたことは、まさにそういうことだと思います」


奈良の代表作のひとつである「Bone Flower」は軽やかで透明感のある作品。従来の大樋焼の荘厳なムードとは一線を画す、挑戦的な姿勢を見て取ることができる。奈良は言う。

「僕のような職種の人間は、いま生きていて、いま作る意味について考えないといけないと思っているんです。100年前、200年前の思想ではなくて、いまの先端のテクノロジーやデジタルの世界といったものをハイブリッドしながら今でしかできないことを考えていきたい」

奈良はさらにクラウンを作った技術者やクラウンというブランドをアップデートする開発責任者の挑戦心にも思いを巡らせ、語る。

アーティストである自分も、クラウンを作った人々も、根幹のフィロソフィーはきっと同じだと奈良は言う。新しさを取りいれ、時代を捉えていこうとするときに、その匙加減は今を生きる造り手に委ねられており、そして伝統の壁を突破していくためには冒険心が必要なのだ、と。

世界に通用する日本の価値観とは?

トークセッション第2部では、建築家の永山祐子、そして9月25日発売のForbes JAPANで表紙を飾ったTeaRoom岩本涼が登壇。グローバルに活躍する建築家、そしてカルチャープレナーとして注目を集める起業家としての視点から、世界に通用する日本の価値観、それをいかに伝えていくべきかを語る。

CROWN“SPORT”をバックに、2部に渡るトークセッションを開催。メモを取りながら熱心に聞く来場者の姿も見られた。「コミュニケーションのヒントにしたい」と法服姿の住職も訪れていた。

CROWN “SPORT”をバックに、2部に渡るトークセッションを開催。メモを取りながら熱心に聞く来場者の姿も見られた。「コミュニケーションのヒントにしたい」と法服姿の住職も訪れていた。

冒頭から、日本らしさとは? という進行役の谷本の問いに対し、両者の回答は極めて具体的だった。

「マグカップと茶碗を比較するとわかりやすいのですが、持ち手を備え道具としての機能性から作られたマグカップと、両手で包み持つことで自然への感謝を表現する茶碗はまったく異なる思想から成り立っており、そこに日本らしい思想があると考えています」(岩本)

「ドバイ国際博覧会で日本館を設計したときには、日本的な素材を用いるのではなくグローバルな素材で日本らしさを表現することに挑戦しました」(永山)

感謝の心、繊細な表現といった部分に日本らしさがあるというふたり。ともに自然との関係性に言及している点は、四季の変化にさまざまな感情をよせ、そして美しさを見出してきた日本人らしい観点ともいえる。
岩本涼/1997年生まれ。TeaRoom代表取締役CEO、茶道家。株式会社中川政七商店社外取締役。9歳で裏千家に入門。2020年に岩本宗涼と茶名を拝命。TeaRoom創業は2018年。2022年Forbes JAPAN 30 UNDER 30選出。2023年ダボス会議のGlobal Shapers選出。

岩本涼/1997年生まれ。TeaRoom代表取締役CEO、茶道家。株式会社中川政七商店社外取締役。9歳で裏千家に入門。2020年に岩本宗涼と茶名を拝命。TeaRoom創業は2018年。2022年Forbes JAPAN 30 UNDER 30選出。2023年ダボス会議のGlobal Shapers選出。

さらに、コロナ禍による可処分時間の増加や移動制限が日本人自身の日本文化への関心を高め、バーチャル空間の発達の反動のようにリアルな体験への欲求が高まった。茶道という日本の伝統文化の最前線に立つ岩本はまた、若年層の自分が属すカルチャーへの関心の高まりを指摘する。たとえば茶会を開催すれば参加申し込みのほとんどが20代、30代。その背景にはインバウンドとの接点が増えるなかで自分たちのアイデンティティにフォーカスする機会が増えたからではないか、と語る。

そんな日本文化への関心が高まる中、新しい日本らしさにフォーカスした新型クラウンについてのふたりの印象を尋ねた。

「試乗させていただいて、静かでリラックスできる一方で、ドライビングの高揚感も感じる。さらに車内で過ごしていると、まるで日本庭園のなかにいるような感覚を持ったことに面白みを感じました。日本の原風景が思い浮かぶようで、日本らしい感性で作られているという印象を持っています」(岩本)
永山祐子/1975年生まれ。青木淳建築計画事務所を経て2002年永山祐子建築設計を設立。「ルイ・ヴィトン京都大丸店」、「豊島横尾館」、「ドバイ万博日本館」、「JINS PARK 前橋」、「東急歌舞伎町タワー」など国内外のプロジェクトで活躍。

永山祐子/1975年生まれ。青木淳建築計画事務所を経て2002年永山祐子建築設計を設立。「ルイ・ヴィトン京都大丸店」、「豊島横尾館」、「ドバイ万博日本館」、「JINS PARK 前橋」、「東急歌舞伎町タワー」など国内外のプロジェクトで活躍。

「クラウンのいままでのイメージを覆すような大胆な変化に驚きました。真っ赤なクラウン スポーツはグリルが力強く、色も黒や白のモノトーンだけでなく様々なバリエーションがある。デザインという観点でもガラッと変わり、クルマはいまもどんどん進化しているのだなと感じました」(永山)

このクラウンに限らず、カルチャープレナーに代表される「日本らしさ」の価値をグローバルにコミュニケーションしていく上で大切なこととは? 

グッドデザイン賞の審査員を務める永山は、日本と海外のデザインへの考え方の違いを例に語る。

「グッドデザイン賞で海外から来た審査員が日本の作品を見た時に“グローバルイシューに言及しているものが少ない”と言うんです。それは逆に言うとローカルやマイクロイシューに着目している物が多いということで、そこに日本の特徴があると思いました。小さな問題に目を向け、細かなことを突き詰める。この傾向は日本の強みとしていくことで、突き詰めた先にひとまわりしてグローバルイシューを解決する手立てになる可能性がある。自分たちの特性を把握し、その価値をいかにグローバルに持っていくという考え方をするのがいいのではと考えています」(永山)

さらに岩本は、伝統文化と日本の思想や美意識といったものをレイヤリングすることで考え方を整理することができるという。

「お茶や華道、能などの伝統文化や伝統芸能は、パソコンでいうとアプリケーションのレイヤーだと思っているんです。日本の哲学や思想、美意識というものはOSのレベルにあり、その上で自然と文化が結び付けられてアプリケーションが動作する。ですから、世界において思想を前提に日本が果たせる役割を考えるうえでは、文化や芸能、それぞれを単体として打ち出すのではなく、日本らしさがOSとしてどのような機能を備えているべきかを考えることで、グローバルのなかでの価値を見出していくことができるのではないでしょうか」(岩本)

会場には、クロスオーバー、スポーツ、セダン、そしてエステートとクラウンの4つのモデルを展示。それぞれのブースは、各モデルのバックグラウンドとなるライフスタイルを軸にしたインテリアやファッション、アクティビティをあわせて展示することで、各モデルごとの個性、すなわちライフスタイルが多様化する現代にフィットした、クラウンのダイバーシティを表現。

以下ではそれぞれのブースをご紹介。奈良、永山、岩本、それぞれの語りを思い出しながら、クラウンの世界観に触れていただきたい。あなたが選ぶクラウンは?
CROWN“CROSSOVER”/ “イノベーションや多様性”をテーマとして、新たな価値の融合や革新性を感じさせる都会的なムードをスタイリッシュに表現。チーム内の若い世代のデザイナーの感性が結実。

CROWN “CROSSOVER”/“イノベーションや多様性”をテーマとして、新たな価値の融合や革新性を感じさせる都会的なムードをスタイリッシュに表現。チーム内の若い世代のデザイナーの感性が結実。

CROWN“SPORT”/「SPRINT TO SHINE、疾走する煌めき」。“カルチャーと躍動"をテーマに、エモーショナルな心の動きをもたらす、彩りのある先鋭的な空間を表現。他モデルよりもホイールベースを狭め、外観デザインだけでなく基本構造にも手を入れて、俊敏な走りを追求した。

CROWN “SPORT”/「SPRINT TO SHINE、疾走する煌めき」。“カルチャーと躍動"をテーマに、エモーショナルな心の動きをもたらす、彩りのある先鋭的な空間を表現。他モデルよりもホイールベースを狭め、外観デザインだけでなく基本構造にも手を入れて、俊敏な走りを追求した。

CROWN“ESTATE”/“都市と自然の共生”をテーマに、多面的なスタイルを連想させるような空間で、木と金属という素材の組み合わせにより、視点が変わるごとに森林や都市のビル群など印象が変化する。大容量の荷物が収納できる機能的なSUVだ。

CROWN “ESTATE”/“都市と自然の共生”をテーマに、多面的なスタイルを連想させるような空間で、木と金属という素材の組み合わせにより、視点が変わるごとに森林や都市のビル群など印象が変化する。大容量の荷物が収納できる機能的なSUVだ。

CROWN/“ニューオーセンティシティ”をテーマに、日本の美学や本質性に、現代的な解釈を加えた。障子のように軽やかな金属素材を組み合わせ、日本的な奥行きや余白感のある空間を作り出した。ビジネスシーンでも活用できるセダンタイプの一台。

CROWN/“ニューオーセンティシティ”をテーマに、日本の美学や本質性に、現代的な解釈を加えた。障子のように軽やかな金属素材を組み合わせ、日本的な奥行きや余白感のある空間を作り出した。ビジネスシーンでも活用できるセダンタイプの一台。


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「Finding the New Value in Japan」

Promoted by TOYOTA / Photographs by Seiichi Saito / Text by Tsuzumi Aoyama