「CESがこれまでの成果を自慢しあう展示会だとすると、SXSWは未来を創るコミュニティですね」
コロナ前からSXSW（サウスバイ・サウスウェスト）に通っているという起業家は、この場をそう表現しました。
私自身、2023年1月にCES（ラスベガスで開催されるConsumer Electronics Show）に参加し、そして3月にSXSWに来てみて、両者が共にイノベーション発信の場でありながら、かなり異なる雰囲気であると理解しました。
CESにはビジネススーツでグループ行動する人が多く、一方のSXSWはカジュアルな服装で個人または少人数行動する人が多いのです。CESはビジネスの匂いがしましたが、SXSWはアートの色が強い。
公式ウェブページにはこのように書かれています。
「South by Southwest（R）は、クリエイティブな人々の目標達成を支援することに専念しています」
そもそもSXSWとは、1987年に音楽の祭典としてテキサス州オースティンで始まったもので、35年の歴史を経て、その領域を音楽のみならず、映画・テクノロジー・教育・文化へと広げ発展してきました。
SXSW2023は3月10日から3月19日の10日間にわたり開催されました。前半にビジネス系のセッションと展示が行われ、後半は音楽や映画のセッションがメインとなります。
イベントは「カンファレンス（会議）」「フェスティバル（祭典）」「エキシビジョン（展示）」「アワード（賞）」に分類されています。メイン会場はコンベンションセンターと呼ばれる場が中心ですが、周辺ホテルの宴会場や会議室も公式イベント会場となっています。周辺では、企業やアーティストが私設ブースを開設したり、ライブハウスを貸し切って招待制のミートアップを開催します。
この時期オースティン中心部は、「街全体がSXSW会場になる」のです。緑多い街に、思い思いの服装で参加する人々。自由でクリエイティブな雰囲気が街全体を包みます。
SXSWの目玉の一つが、ピッチコンテスト「SXSWピッチ」です。以下8つの分野に分かれています。
・AI、音声、ロボティクス
・企業向け技術およびスマートデータ
・エンターテイメント、メディア、コンテンツ
・食、栄養、健康
・未来の仕事・働き方
・革新的技術
・メタバースとWeb3
・スマートシティ、交通、サステイナビリティ
8各カテゴリーごとに5社、合計40社がファイナリストとしてノミネートされ、ピッチ（ビジネスアイデアのプレゼンテーション）をし、カテゴリー優勝を競います。
