ワールド・ベースボール・クラシックでの日本代表の優勝に貢献した大谷翔平、ダルビッシュ有らを排出した北海道日本ハムファイターズ。2004年に北海道に本拠地を移してから、道内の市町村へ積極的に働きかけファイターズ人気を徐々に高めていった。
そんな北海道日本ハムファイターズが、北海道だけでなく、いま全国からの注目を集めている。それが、2023年3月30日に開業したばかりの新しい本拠地である球場「エスコンフィールド北海道」だ。
札幌市に隣接する北広島市に位置する日本初の開閉式屋根つき天然芝球場である「エスコンフィールド北海道」は敷地面積約50,000㎡で、3万5,000人収容。採光の良いガラス張りのファサード、左翼側外野席後方にはテラスから試合観戦ができるホテル「tower eleven hotel」やサウナ「tower eleven onsen & sauna」を併設し、なんとセンターバックスクリーン上には、ヤッホーブルーイングがプロデュースするブルワリーとルーフトップレストラン「そらとしば by よなよなエール」までもが施設内に収容されている。国内球場では初となる、WHILLの近距離モビリティによる移動サービスも興味深い。
さらに、球場をぐるりと囲む約32,000㎡という広大な面積の「北海道ボールパーク Fビレッジ」には、グランピングやデイキャンプのエリアや、農業機械メーカーのクボタによる農業学習施設「KUBOTA AGRI FRONT」、美しい草花で作られた3種類のガーデン、ボーネルンド直営施設として最大規模となる約1,900㎡の子供向けの遊び場「リポビタンキッズ PLAYLOT by ボーネルンド」までもあり、試合が開催されない日でも近隣住民が一日を過ごせる施設が充実している点が新しい。
バスケットボールのBリーグが地域のにぎわいを創出すべく、自前アリーナの建設を推奨するといった動きから、大手企業による全国各地でのアリーナ建設が加速しているなか、スポーツとエンターテイメント、そして地域とのつながりを醸成するこのボールパークがどのように機能していくのか、スポーツビジネス界でも注目を集めている。
LED化で可能になった、興奮をかきたてる光と映像の演出
そしてスポーツ・エンターテイメントにおいてなによりも重要なのは、観客に感動体験を与えること。それはもちろんアスリートたちの技術や勝利を目指す情熱から得られるものではあるが、空間を演出することも欠かせない要素だ。そこで注目したいのが、スタジアム・アリーナ改革に積極的な姿勢をみせているパナソニック。照明によりスポーツのエンターテイメント性を向上させるべく、照明器具の開発や制御システムの開発に余念がない。
かつてスタジアムやアリーナの照明として一般的だった水銀灯は、徐々にLED照明への置き換えが進んでいる。例えば、2022年3月にLED照明を導入した阪神甲子園球場や、2015年9月に新設された大阪の市立吹田サッカースタジアムほか、多くの施設でパナソニックのLED照明が使用されている。
LED照明のメリットは長寿命や省電力といった点が挙げられるが、エンターテイメントという観点からは瞬時点灯・瞬時消灯が可能ということが大きなイノベーションに繋がるポイントだ。たとえば阪神甲子園球場では7回の攻撃時の「ラッキー7」やファンが心をひとつにする「六甲おろし」にあわせてLEDが明滅する演出が行われている。スイッチオンから数分かけて明るくなる水銀灯では不可能だった光による空間演出が、ファンに新しい観戦体験を与えている。
ここ「エスコンフィールド北海道」でもパナソニックのLED照明が活躍。照明設備として照明器具354台を導入し、観客にも選手にもメリットのある照明環境を整えた。それだけでなく、解像度や画角の違いに関わらず多種多様な映像コンテンツを送出できる制御装置「KAIROS」を国内スタジアムとしては初めて導入し、大型ビジョンやコンコースに設置されたデジタルサイネージにリアルタイムに映像を送り出す。
またパナソニックは、三塁側ベンチ脇のラウンジを「Panasonic CLUB LOUNGE」として、上質な食事とともに試合観戦が楽しめる場として提供。パナソニックの照明や空気清浄機、美容健康器具が設置されたラウンジでは、グラウンドレベルでの臨場感たっぷりの観戦が可能だ。法人向けのシート販売だけでなく個人向けのチケット販売も予定されている。
これまでにない感動体験に期待できる「エスコンフィールド北海道」そして「北海道ボールパーク Fビレッジ」で、最先端のスポーツエンターテイメントをぜひ体験してほしい。