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2023.03.27

ファーストリテイリングの「服のデジタル化」戦略にせまる

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世界最大級のリテールテクノロジーの展示会「NRF 2023」がニューヨークで開催された。

ファーストリテイリングのCIO丹原崇宏が講演を行い、同社のイノベーティブな取り組みに注目が集まった。丹原が語るテクノロジーを用いた先にあるアパレル、小売業の未来とは。


海外で高評価を得たユニクロのセルフレジ

NRFで“顧客起点の文化とRFID(※)で小売業の変革を推進する”というテーマの講演を行った丹原崇宏。

「今回、海外で初めて、当社のテクノロジーを生かした取り組みをしっかりと紹介しました。そのなかで多くの業界関係者と話し、ポジティブなフィードバックを受けましたが、なかでも評価が高かったのはセルフレジです」

小売り最先端の地である米国で、高い評価を受けたセルフレジ。RFIDの活用で、商品を置けば一瞬で決済に進むことができる仕組みを、ユニクロでは2019年から実装している。

「NRF 2023」での丹原の講演の様子

欧米でもポストコロナのトレンドは、人件費の高騰と店舗での「フリクションレス」といわれて久しいが、ファーストリテイリングの先見性の高さには驚くべきものがある。

23年現在、同社は30近い国と地域でビジネスを展開し、ユニクロだけでも世界中に約2,300店舗を構える。人々の生活をより豊かにする、究極の普段着“LifeWear”を世界中に届けるため、「情報製造小売業」という新たなビジネスモデルへの転換を掲げる。

「私たちは、お客さまが本当に欲しい服が、欲しいときに、すぐに買える、ということを目指しています。それを実現する新しいビジネスの形が情報製造小売業です。こうした課題認識がRFIDをはじめとするテクノロジーの活用につながっています」
壮大で途方もない改革。丹原が率いるデジタルチームは、どのようにしてこれを実現、実行してきたのだろうか。

顧客に向き合う変革と挑戦のDNA

絶え間なく変化する世界各地の市場やお客様のニーズに合わせて、“LifeWear”を届けるビジネスプラットフォームの実現を目指しているという丹原。

例えば、かつては「感謝祭セール」のたびに店舗に長蛇の列があった。「商売繁盛」とうらやむ企業もあったかもしれないが、ファーストリテイリングには改善すべき状況にほかならなかったと話す。

「私たちの会社には『変革』のDNAがあり、現状維持をよしとしません。なるべく列ができないようにレジを効率化したいということに加え、お客様の欲しい商品が常に店頭に出ているように、商品がバックルームを含め、どこにどれだけあるかを簡単かつ正確に把握できるようにしたい。

そうした課題解決につながるテクノロジーを探していたところ、RFIDにたどりつきました。お客様が自分でバーコードをスキャンするタイプのセルフレジもありますが、当初から検討の対象外でした。店舗スタッフの作業をお客様に代わりにやってもらう、という発想は私たちにはありません。あくまで、お客様にあっと驚くような便利で新しい購買体験を提供したいという『顧客起点』の発想がもとになっています」
 
ファーストリテイリングで導入しているRFIDを利用したセルフレジ。バーコードを一点ずつ読み取らずとも、商品を置けば一瞬で決済に進むことができる

アナログな服をデジタル化し、プラットフォームをつくる

RFIDを服の一点一点に付けるということは、それぞれの服に個別のIDが付されるということだ。

「RFIDに着目したのは、セルフレジといった目に見えるサービスを実現するためだけではありません。アナログな服を、個体認識できるようにデジタル化してプラットフォームにするというのが本質的な価値です。それにより工場、倉庫、店頭での商品管理が格段にしやすくなりました。棚卸しの作業は短時間で済みますし、在庫精度も上がりました。またセルフレジは、お客様の精算所要時間を半分に短縮することにも成功しています」

RFIDの技術を最大限に生かすには、ゴールを達成するための業務オペレーションを考え、それに合わせた仕組みをつくる必要がある。

そのためグローバルでの経験が豊富で、技術と知見に長けた戦略的パートナーとしてAvery Dennisonを迎え、10年以上併走しているという。

顧客起点だからこその実行力、スピード感、チャレンジ精神

ファーストリテイリングではRFIDをはじめ、AI活用や需要予測、ECプラットフォームの構築を、内製のエンジニアたちが中心となって取り組んでいる。

特に、同社ほどのスケールでRFIDを活用している小売業は未だ見当たらない。なぜ、ここまでやり切ることができるのか。丹原は次のように話す。

「私たちは、極めて『実行』に重きを置く会社です。RFIDや自動倉庫など、デジタル変革のさまざまな構想は他の企業にもあるでしょう。しかし構想にとどまるのではなく、新たな挑戦に対してスピード感をもって実行する。それが私たちの強みのひとつなのです」

世の中を見れば、社内の抵抗勢力によってデジタル化の推進が阻まれる例は少なくない。ファーストリテイリングが強力な推進力でデジタル化にかじを切れたのは、変化し続けることの重要性を理解する風土に加え、何よりも根底に「顧客起点」があったからだろう。

手触り感のあるプロジェクトに世界規模で挑戦できる面白さ

今後はサステナビリティの観点もますます重要になってくると話す丹原。

「素材の調達や管理といったサプライチェーンの上流の透明性を担保するトレーサビリティを強化していく必要があります。工場やAvery Dennisonのようなパートナーに共感してもらい、一緒に取り組んでいきたいですね」

2022年9月、ファーストリテイリングは東京に加え、新たにニューヨークにグローバルヘッドクォーター(本部)を設立した。さらなるグローバルな成長に向け、新しいビジネスの仕組みをつくるためだ。アメリカにも本部を構えることで、世界の最先端の情報を集めるだけでなく、AIやサプライチェーンの分野で秀でた人材など、世界中から仲間を得られる強みも備えた。

世界中の顧客に向き合い、ビジネスの成長に貢献する。壮大なチャレンジだが、一方で業務の手触り感が得られる点がファーストリテイリングで働く面白さだという。

「ドメスティックな市場に閉じず、グローバルスケールで現場スタッフやお客様の声をサービスに反映できる。何より、日本発のグローバル企業としてチャレンジできるところに私を含めメンバー一同やりがいを感じています。常に変化するアパレル市場では、ゴールを設定しても、またすぐに置き直す必要が生じる。まるで『永遠の3合目』にいるようです。そんな飽くなき挑戦に対して、アジリティをもって対応できるチームでありたいですね」

「フィジカルとデジタルの世界をつなげる」

Avery DennisonのGlobal RFID Market Development Vice President、Bill Toneyはファーストリテイリングとの取り組みをこう振り返る。

「RFID活用に向けファーストリテイリングと共に、ビジネスケースとROIモデルを構築し、今日まで10年以上に渡って提携しています。お客様起点で常に革新を続ける同社との仕事は、刺激的かつチャレンジングです。この関係があったからこそ、当社もお客様の体験を真に変える革新的なソリューションを提供し続けることができました。

当社のビジネスの核は、フィジカルとデジタルの世界をつなげる“マテリアルサイエンスとデジタルIDソリューション”。これらのソリューションを包括的に提供することで、メーカー、小売り、物流、化粧品業界など幅広い業界で新しい価値を創造します」

「NRF 2023」でともに登壇した丹原(左)とAvery Dennison Global RFID Market Development Vice PresidentのBill Toney(右)

(※):RFIDとは、Radio Frequency Identificationの略称で、ICチップの情報を電波で読み書きする自動認識技術のこと。Avery DennisonはこのRFIDソリューションにおける世界最大手。

たんばら・たかひろ◎ファーストリテイリンググループ執行役員 CIO。大手システム開発会社での開発・コンサルティング経験、地方自治体勤務を経て、2012年ファーストリテイリング入社。2019年1月より現職。

Promoted by Avery Dennison / text by Tomoko Miyahara | photograph by Munehiro Hoashi | edit by Sae Sasaki

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