ホリデーシーズンに煌めく丸の内ビル群を望むパレスホテル東京のホールに、過去のForbes JAPANの誌面を飾った様々なジャンル、年代の日本を代表するCEO、新しいリーダーが集結。Forbes JAPANがリアルな場でディナーイベントを開催するのは、2019年以来実に3年ぶり。
本来、ベールに包まれた形で開催される本イベントを今回は特別にレポート。誰もが待ち侘びた饗宴を振り返っていこう。
新しい日本を作る人々が一堂に会するパーティの幕開け
パーティの封切りに際しForbes JAPAN Founder高野真は人々との再会とガラディナー開催について、喜びを滲ませながら挨拶。2022年秋に100号を迎えたForbes JAPANに寄せて「メディアの役目は情報と人を繋げること」の志を新たに、「今日はかけがえのない“コンテンツ”である皆様一人ひとりを繋げ合うユニークな機会。そして今年のスタートアップを皆さんでお祝いする会として、お付き合いいただければと思います」と言葉を寄せた。
オープニングセレモニーとして「日本の起業家ランキングStart-up of the year 2023」を発表。「新しい日本」をつくり日本経済を牽引する起業家を応援するというコンセプトのもと、創刊以来続く Forbes JAPANを象徴するランキングだ。まずはTOP20からTOP4までの各社代表が登壇し、大きな拍手と共に迎えられた。映えあるTOP3はパーティの締めくくりに発表される。
スポンサー企業による豪華セッション
ディナーの進行と共に各スポンサーCEOによるトークセッションを開催。
ここでは「Forbes JAPAN 起業家ランキング 2023」とは別に各社の独自審査に基づいて受賞者をノミネートし、表彰。プレゼンター企業自らインタビュイーとなり、互いにリスペクトを持つ両社が、目指すべき将来やチャレンジすべき使命、生存戦略を語り合った。
Session1 ローラン・ペリエ「-Challenge for Perfect- ローラン・ペリエ賞」
トップバッターは、ローラン・ペリエによる特別賞「-Challenge for Perfect- ローラン・ペリエ賞」の発表。ローラン・ペリエは1812年に創業し、長い伝統により築かれた信念と独自性を保ちながら「フレッシュさ」「エレガンス」「バランスの良さ」を追い求める世界で有数の優れたシャンパーニュメゾンだ。
プレゼンターであるサントリー株式会社 取締役執行役員ワインカンパニー社長・吉雄敬子は、ローラン・ペリエの精神を象徴する「パーフェクトヴィンテージ」という言葉を使いながら「伝統を守りながら革新的な挑戦を行い、新しい価値を生み出してきたビジネスパーソンへの賞」として、三星グループ 代表 岩田真吾を表彰。両社は100年以上続く伝統技術をもちながら「今までにない価値を創出していく」という視点で共鳴、それぞれの事業を今後より多くの人びとへ届けるべく熱意を語り合った。
パーティーの乾杯酒も、もちろんローラン・ペリエグランシエクル。人々の熱気まで湛えたように輝くグラスで、賑々しく乾杯が交わされた。
Session2 みずほ銀行 <みずほ>賞
続いてみずほ銀行による<みずほ>賞の発表。プレゼンターのみずほ銀行常任顧問 林信秀より「クリエイティブな企業に果敢に挑戦し、既存の市場と産業に大きなインパクトを与えた企業」として、estie代表取締役CEO平井瑛、エレファンテック代表取締役社長兼CTO清水信哉を表彰。
またみずほ銀行 常務執行役員 リテール・事業法人部門 副部門長 大櫃直人を迎え「New Chapters with Entrepreneurs」と題し三社でのミニトークセッションを開催。スタートアップ企業のさらなる成長を続けるべく、今後のプロダクト展開のほか課題や期待について意見が交わされた。
Session3 ゲインサイト「Customer Success Award by Gainsight」
そしてゲインサイトによる「Customer Success Award by Gainsight」を発表。プレゼンターを務めたのは、ゲインサイト 代表取締役社長 絹村悠。
世界トップシェアのカスタマーサクセスプラットフォームを提供する同社より、「カスタマーサクセスを会社のコアカルチャーとして実践し成功させている」としてユーザベースSPEEDA事業 執行役員 CCO西川翔陽へ表彰が行われた。
Session4 「Forbes JAPAN CIO Award 2022」in partnership with Lenovo
続いてのパートでは、Chief Information Officer(最高情報責任者)を表彰する「CIOアワード 2022」を発表。4つの部門賞とグランプリ受賞者を選出。Forbes JAPANがLenovo Japanとともに2021年に立ち上げたAwardだ。
次世代に向けた革新的なITプロジェクトを主導し、人材を集め組織を強化した「ITイノベーション賞」に株式会社カインズ 執行役員CDO 兼 CIO 兼 デジタル戦略本部長 兼 イノベーション推進本部長の池照直樹。高度なITシステム基盤を構築し業務オペレーションを支えた「ITシステム賞」に三井不動産株式会社 執行役員 DX本部長の古田貴。企業成長に貢献し経営の柱となるIT戦略を主導した「経営貢献賞」に、旭化成株式会社取締役 兼 専務執行役員 デジタル共創本部長の久世和資。テクノロジーの可能性を更新し、まさに今年を代表するデジタル・ITソリューションを排出した「スマートテクノロジー賞」に株式会社メルカリの執行役員 CISO市原尚久がそれぞれ表彰された。
そしてグランプリに輝いたのは、東京海上ホールディングス株式会社常務執行役員、グループIT総括、グループサイバーセキュリティ管理総括の原田晋。
アワードの最後に、審査員を務めたDX JAPAN代表の植野大輔は「ITとは“経営”である」と提言し、デジタル経営を実践してきた五社を激励。彼らの存在が日本のIT・デジタル企業への起爆剤になればと期待を寄せた。
Session5 Forbes JAPAN セッション
最後のセッションにはForbes JAPAN Founder高野真、Forbes JAPAN 編集長 藤吉雅春、Forbes JAPAN Web編集長 谷本有香が登壇。Forbes JAPAN 100号を迎えての軌跡を振り返った。
ガラディナーに寄せて「Forbesコミュニティ」という言葉を使いながら、経済を支え全国各地から足を運んだ会場のゲストたち一人ひとりにフォーカス。「新しい経済を作っていくメディアとして、次の100号も変わらず“いい情報といい人を繋げる”ことに邁進していきたい」と本メディアが担うべき使命を改めて語りあった。
いよいよ日本の将来を担う「起業家ランキングTOP3」発表
パーティのクライマックスでは、いよいよ「日本の起業家ランキング Start-up of the year 2023」TOP3を発表。Forbes JAPAN Founder 高野真よりトロフィーが贈呈された。
第3位は、カバー。VTuberの世界最大手「ホロライブプロダクション」を運営する同社はプロダクション全体で7000万人ものチャンネル登録数を誇る。代表取締役社長CEO谷郷元昭が登壇し「評価に悩む時期もありましたが、日本を代表する新しいBtoCビジネスとして、我々にしかできない『VTuber文化』を世界に広く伝えていきたいと思います」と、苦労と野心を混じらせながら熱いコメントを寄せた。
第2位は、自然電力。代表取締役磯野謙、川戸健司、長谷川雅也が登壇。「震災の直後に、自分たちで社会を変えていこう」と起業した同社。「いまでは全国に500人以上の仲間が、そして世界中にサポートしてくれるメンバーがいます。これから仲間はもちろん皆さまの期待にも応えるべく、一緒にやりきるしかない」と、意気込みを語った。
第1位は、ファストドクター。2016年に創業し主に患者の自宅へ駆けつける救急運営やオンラインで治療できる救急プラットフォームとして発展してきた。代表取締役 医師 菊池亮、代表取締役 水野敬志が登壇し、代表水野より「この3年間、多くの方が経済の成長と医療対策という大きなトレードオフで苦しんだのではないでしょうか。ファストドクターは『経済と医療』のトレードオフを医療DXの力で解消する会社として引き続き発展していきます」と喜びのコメントを寄せた。
Forbes JAPAN Founder高野真(写真左)とファストドクター代表取締役 水野敬志(右)
2022年を象徴するようかのような三社に改めて大きな拍手が送られ、受賞者全員で集合写真。各代表は受賞の達成感と、さらなる発展への決意に満ちた表情を見せた。
カクテルレセプションを挟み、パーティは終了。しかしディナーパーティといえど、どの参加者も大人しく座っていられないとばかりに終始テーブルから立ち上がり、ネットワークの輪を広げていく。いつまでも賑わいは絶えず、その光景は日本のビジネスにはまだまだ底知れないエネルギーがあるという心強さ、そして日本を動かすビジネスが今にも始まりそうな予感に満ちていた。