Forbes BrandVoice!! とは BrandVoiceは、企業や団体のコンテンツマーケティングを行うForbes JAPANの企画広告です。

2022.12.23

“やらされる”リスキリングでは意味がない ー 「内発的動機」と「経験の場」がつくる躍動的な人財

「リスキリング」という言葉が巷に溢れている。しかし、その真意を正しく理解し、適切に実行している企業、もしくは個人は決して多いとは言えないようだ。

現状の「リスキリング」にはどのような課題があり、どのように解決策を講じれば、より良い学びの未来が待っているのか。Adecco Group Japan代表の川崎健一郎氏に、その処方箋をうかがった。


「リスキリング」が必要な本当の理由


「リスキリング」という言葉が、まるでバズワードのように流布している。その背景には「人生100年時代」というキーワードが見え隠れする。

「これまで80年で設計していた人生が大きく変わってしまいました。もちろん、最後まで同じ職務で走り切れるケースもありますが、誰もが実感しているように、何十年もの間、必要とされる人財の要件が変わらない時代ではなくなってしまいました」というのは、Adecco Group Japanの代表を務める川崎健一郎氏。

社会構成が変われば当然、必要とされる職務もドラスティックに変わる。だから“学び直し”が待ったなしの状態になると指摘する。

「例えば、営業職だった人がデジタル・タレントに変身せざるをえなくなったときには、当然ITやデジタル関連のスキルを新たに学び直す必要が生じます。リスキリングはまさに仕事=人生を再設計する重要な取り組みとなっています」(川崎氏)


 

リスキリングのポイントは“内発的動機”


ところが、現状のリスキリングは、必ずしも人生を変える“切り札”とはいえない。実はその“動機”によって、大きく作用が変わる。日本においては、圧倒的に企業側からの要請で動き始める、すなわち自らが望んで学ぶのではなく、“外的動機”によって学ぼうとする人の割合が多いということだ。それを裏付ける調査結果がある。

「2020年12月の当社の調査によれば、明確なライフキャリアビジョンを持っている人は、35%程度。ビジョンを明確に持っている人は自ら行動しますが、残りの65%の人は動機が明確ではないので、自ら学ぼうとはしません。会社の事業戦略の転換に伴い、本人の希望に関わらず、特定の職務を増やしていくという流れの中で、リスキリングを勧められるがまま始めるというケースが増えています」(川崎氏)

もちろん、会社にとって必要な人財になろうとするのは悪いことではないが、“なぜそれを学びたいのか”といった内発的な動機がなければ、せっかくのリスキリングの機会も学んだだけとなり役に立たなくなってしまうという。

「興味関心のない領域で長時間、研修を受けても、おそらくそれを生かすことはできないでしょうし、やる気やモチベーションを持ち続けるのも難しいでしょう」(川崎氏)

学びの先にあるべき“経験の場”の準備不足も足かせになる


「人が新しいものを身に付け、成長するために必要な要素は、“学び”が1割、“コーチングやアドバイス”が2割、残りの7割が“経験”といわれています。やりたいことが見つかってたくさん勉強をしても、実践できて経験が積めるプロジェクトや部署などが用意されてなければ、本当に自分のスキルや経験値として身に付けることができません。残念ながら、“学びの場さえ用意すれば良い”と考え違いをしている企業がまだまだ多いようです」(川崎氏)

真の目的を正しく理解できないまま、表層的なリスキリングの場を用意することで、目標とする成果が現れないだけでなく、大きなリスクになる可能性もあるという。

「強制的に勉強をさせて実践する場も与えるだけで、自ら考えない人財を生み出すのが一番怖いこと。組織に対する信頼は一気に薄まります。言われた通りにやったのに何も生み出せなかったら、ますます経営層と社員の関係性が崩れていきます」(川崎氏)



これは単に企業内の問題に留まらない。人口が減少している現在の日本では、待ったなしの社会課題。持続可能な社会を作るためには抜本的な変革は必要だという。

「だからこそ政府も人財こそが我が国の最大の資源と考え、5年間で1兆円という規模の、リスキリングを含めた人財育成への投資を実行しています。生産性を高めるために新しいテクノロジーやAIが取りざたされていますが、それらを作っているのは結局、“人”ですよね。せっかく優れたテクノロジーを生み出したとしても、それを利活用するのも“人”です。結局最後は“人”が意思決定をして、どうして、何をしていくのかが重要になります。だからこそ、人財育成なくして持続可能な社会づくりはありえないのです」(川崎氏)

“自律型の人財”から“躍動する人財”へ


企業にとっても、そして個人にとっても意義あるリスキリングを実現するためにどうすればよいのか。やはり心強いパートナーが必要なのだろう。Adecco Groupのキャリアコンサルティングサービスは、まさに効果的なリスキリングを進めるための土壌づくりを担っている。リスキリングを行う前にまずは、「3Skills」を身に付けるべきだと説く。

「弊社が考える『3Skills』とは、『内発的動機のセルフコントロール』『課題解決能力』、そして『最低限のデジタルリテラシー』の3つ。まさにこれらは新時代の“読み書きそろばん”と言っても過言ではありません。“読み書きそろばん”ができなければ、社会の中で生きづらいように、この『3Skills』は次の時代を生き抜くために必須のスキルといえます」(川崎氏)

なかでも重要なのが、「内発的動機のセルフコントロール」だ。先に述べたように、これはリスキリングのベースだ。カウンセリングやコーチングを通じ、自らがどのようにして内発的動機に気づけるか、どのように発見すべきかといったプログラムを用意。いきなり高度な研修プログラムにはめ込むのではなく、その手前で“なぜ学ぶのか”という自らの動機を形成するのが重要だという。

「土台があれば、リスキリングをする上でも問題解決能力が高まっているので、社会の要請に対しても俯瞰して物事を捉えられるようになります。個人として、やりたい動機も常に自身に問いかけ、発見できる力がある。つまり、自分が今後、どの世界に向かうべきかを自分で考えて、結論が出せる人財になるということです。まさにそれが“自律型の人財”です」(川崎氏)



企業が、そしてひいては社会が求める“自律型の人財”が育成できたその先には、さらに“躍動する人財”への進化が求められる。これはAdecco Groupが日本において掲げるビジョン「『人財躍動化』を通じて、社会を変える。」にも紐づいてくる。

「“自律型の人財”が“躍動する人財”になっていくためには、活躍するための“場作り”が必要です。それは組織の責任として取り組む必要があるもので、私たちはそれを“適所”と呼んでいます。本当の意味での“適財適所”を生み出そうと考えたら、個人と組織の双方に働きかけなければなりません。私たちは、その両者にコミットします」(川崎氏)

次の子供たちの世代のために


“適所”を生み出せるのは、自らのミッションやビジョンに本気で取り組んでいる企業だ。中には残念ながら、看板として掲げているだけの組織もあるが、それが社員に気付かれた瞬間に、受け付けられなくなる。これもまた、“躍動しない人財を生み出す良くない状態”だと川崎氏は指摘する。

「リスキリングは、人々が躍動する未来を作るための手段でしかありません。その目的のためにも本人から生まれる動機を見つけ、社会の要請と照らし合わせながら、本当に自分が向かいたい未来を見つけていただきたいと思います。それは、自分一人のためではなく、輝かしい未来、次の子供たちの世代によりよい社会を残すためにも必要なことです。そんな世界をぜひ作りたいと考え、私たちは“『人財躍動化』を通じて社会を変えていく”という軸からブレずに、これからも邁進していければと思います」(川崎氏)



“行き詰まり感”のある現在の社会構造を打破し、輝かしい未来を描くための新しいアイデアやイノベーションは、そもそも“自分がこの先、どうなりたいか?”を自発的に考えることのできない人財の中からは生まれないであろう。

リスキリングが強く求められているということは、まさに時代の転換点に立っている証なのかもしれない。変わるなら今だ。

川崎健一郎◎ Adecco Group Japan 代表
1976年生まれ、東京都出身。99年青山学院大学理工学部を卒業後、株式会社ベンチャーセーフネット(2022年に株式会社VSNからModis株式会社に社名変更)入社。2003年事業部長としてIT事業部を立ち上げる。常務取締役、専務取締役を経て、10年に代表取締役社長兼CEOに就任。12年、(株)VSNのAdecco Group入りに伴い、アデコ株式会社の取締役に就任。14年から現職。現在は、アデコ(株)およびModis(株)の代表取締役社長、Modis North APACのシニアバイスプレジデントを兼務。2020年6月より、派遣事業者による団体である一般社団法人 日本人材派遣協会の副会長を務め、2022年6月に同協会の会長に就任。

Promoted by Adecco Group / text by 伊藤秋廣 / photographs by 帆足宗洋

ForbesBrandVoice