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2022.12.22 11:00

オーデマ ピゲを垂涎のブランドに育てあげた 大胆かつ繊細なるCEOの経営哲学、その軌跡

高級時計は、この10年で技術や素材、デザインに加え、取り巻く環境も劇的に変化を遂げた。その世界三大時計ブランドに挙がるのがオーデマ ピゲだ。スイス時計という根強い伝統のなかにも革新性を特徴にする。そのリーダーシップを取ってきたのが、フランソワ–アンリ・ベナミアス氏である。2012年のCEO就任から現在までを振り返る。


数字が物語る、オーデマ ピゲの輝かしい成功への軌跡


「この10年を数字で比べてみると、2011年は売り上げ5億スイスフラン、従業員数1200名、生産本数3万2000本だったのに対し、2022年は約4倍の20億スイスフランに、従業員数は2700名で2倍以上、生産は5万本に成長しました。これだけ数字が伸びたのもすべてにおいてクオリティを上げていった結果です。時計1本1本もそうですし、お客様への対応、新しいショップやプロモーションなど自分達のあらゆる面をステップバイステップで積み上げて達成したのです」

とくにそのターニングポイントになったのが、2015年から19年の5年間だったという。

「毎年4万本の製造本数は増やすことなく、販売チャネルも多ブランド展開の販売店を減らし、APハウス創設を始め、直営ブティックを増やしました。さらにコレクションを整理し、入荷時期もタイミングを合わせて確実に入るようにしたことで、ブランドに対する総合的な評価が上がっていきました。より早くこれに取り組むことで、これらすべてがうまく噛み合い、動き出したのです」

今後の成長のために、まずは体制固めをしたというわけだ。それを後押しし支えたのが、他ならぬ役員会や創業一族だった。

「取締役会始め、オーデマ家とピゲ家一族は、私にけっして数字を上げろと言わなかったんですよ。そんな短期の収益性よりも、より正しい方向に向かうための準備をすることを求めました。それも200年後にオーデマ ピゲがちゃんと継続しているために。そのためには、一つひとつを確実に良くしていくこと。家の土台と一緒で、これがちゃんとできていないといずれ家が歪み、崩れてしまいます。さらに大切なのは、それを支えるのが人であるということ。一つのビジョンにみんなが力を結集することで実現するのです」



Francois-Henry Bennahmias/フランソワ-アンリ・ペナミアス

1964年フランス・パリ生まれ。プロゴルファーからラグジュアリービジネスに転身。ファッション業界を経て、1994年フランスのオーデマ ピゲ入社。各国でのブランドのオペレーションで要職を歴任後、1999年に北米支社の社長兼CEOに就き、南米市場の開拓でも成功を遂げた。2012年以降、ビジネスモデルをホールセールからリテールへと舵を切り、ブティック展開など顧客とのより近い関係を築く。2013年現職に就任。


パンデミックを乗り切ったCEO、その手本となる経営判断


ベナミアス氏は、元プロゴルファーという異色の経営者だ。さらにファッションのハイブランドでラグジュアリービジネスのキャリアを積み、時計業界に新風を注ぐ。リスクを考えながら、つねにチャレンジを続ける精神もアスリート時代に培った。

「ビジネスや人生にゼロリスクというものはありません。道を渡っていて事故に遭うかもしれませんしね。そこでいかにリスクをマネージメントするか。それは、自分の中のDNAに従い、自然体でいること、その判断を信じることでしょう。どんな状況にも動じず、自分らしくあるというのは大切だと思います。最たる例として、パンデミックの2ヶ月間、私たちのオフィスや工場もクローズし、次は人員カットかと周囲は不安になっていました。でも私はまったく心配しませんでした。なぜなら売り上げや製造はすぐに取り戻せるとわかっていたからです。すでに体制は整えていましたし、十分持ち応えられる。結果的に2019年と比べたらマイナス4%程度、他ブランドが50%減とかになった時に、わずかこれぐらいで済んだのです」

強い自信を裏付けたのは、自身が率先し手がけた渾身作CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲの手応えにもあったのだろう。2019年に発表され、26年ぶりの新規コレクションとして熱い注目を集めていた。ラウンドケースにも関わらず、まるで伏線のように多彩なデザインを張り巡らせ、クリエイティビティのキャンバスとも称される。そしてモデル名にあえてつけられた“バイ オーデマ ピゲ”は、これまで培ってきた革新性や伝統的なコードから生まれたことのアピールに他ならない。名作ロイヤル オークに次ぐ、新たなブランドアイコンがついに誕生し、発表後4年目の今は早くも入手困難な人気コレクションに成長している。


写真右/CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ 自動巻き、18KPGケース、41mm径、70時間パワーリザーブ、610万5000円
中/CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック 自動巻き、18KWGケース、41mm径、70時間パワーリザーブ、588万5000円
左/CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック 自動巻き、18KWGケース、41mm径、70時間パワーリザーブ、407万円


毎日が笑いに満ち、楽しく。リーダーシップの理想像


確実に結果に結びつける優れた手腕は、近寄りがたい経営者のように感じられるかもしれないが、けっしてそうではない。むしろ本人はフレンドリーで人好きするタイプだ。話していても人間味のある雰囲気が伝わる。そのリーダーシップの哲学も人を中心に据え、人材を大切に育てるのである。

「リーダーとして心がけていることは、なぜこれをやっているのか、どういうふうにやっていくのかを明確に示すことが必要だと思います。まずビジョンとステップを共有する。次ぎに、オーデマ ピゲは、147年以上の歴史を持つ独立企業であり、その実直さはあっても、けっして生真面目なだけではありません。時代に応じた柔軟な発想であること。そして最後は、ワークバランスをうまく取りながら、笑い、毎日を楽しく過ごせるようにする。これが僕の目指すリーダーシップですね」それも本人が人をとても好きだからだろう。

「人は好きですし、ビジネスの成功は人が要です。人を大事にする一番の成果は、会社の従業員が笑顔でいて、とても楽しんでいることが目を見ただけでも分かることです。社内だけでなく、それを見たお客様やサプライヤーにもオーデマ ピゲは楽しいブランドだということが伝わり、ハッピーに感じられる。中から溢れ出るような幸せとか自信がすごく見えてくるとやっぱりすごく嬉しくなります」

スマイルにお金はいりませんからね、と微笑む。そんなブランドを慕って、世界中から毎月2000通の入社応募が届くそうだ。



ベナミアス氏の勇退。次世代に向けての最後のメッセージ


これまで10年に渡ってオーデマ ピゲのCEOを務めてきたベナミアス氏だが、いよいよ来年末での勇退が決まった。オーデマ ピゲファンに向け、こんなメッセージを贈る。

「2023年のコレクションは今年以上のラインナップです。マーベル第2弾を始め、多くのコラボレーションがありますし、2025年にはブランド創業150周年が控えます。革新的なメカニズムやマテリアルの開発も進み、2028年までの仕込みもすでにできているんですよ。モハメド・アリの名言に倣えば『The best is yet to come(最高はまだこの先にある)』。まだ教えられないのが残念ですが、誰をもハッピーにできると思いますよ」

最後に、若い世代にぜひ伝えたいという。

「この5年間で、世界中の多くのジャーナリズムは、若い人はもう誰も時計なんか着けなくなり、時計業界はどんどん下降していくだろう。スマートウォッチに取って代わられて、オーデマ ピゲだって死に体だと何度も言われました。でもいまを見てください。より大きく成長し、むしろ若い世代が私たちに関心を持ってくれています。そんな皆さんの世代にこれからのオーデマ ピゲを託したいと思います」

来日期間中、ベナミアス氏は日本の大学生に向けて講演した。これまでもイギリス、ドバイ、香港、北京、台北、ミラノなど訪問先で続けてきた活動の一環だ。そしてここから未来への新たな時の萌芽が生まれるのだ。


オーデマ ピゲ ジャパン
公式サイト:https://www.audemarspiguet.com/ja
日本特別サイト:https://borninlebrassus.audemarspiguet.com

Promoted by オーデマ ピゲ / direction by Akira Shimada / text by Mitsuru Shibata / photographs & movie by Shingo Wakagi