イングランドのNHS関連ニュースを報じるヘルス・サービス・ジャーナル（Health Service Journal）に語った情報筋は、今月11日が「もしかしたらこれまでで最悪の」夜だったかもしれないと説明した。ヘルス・サービス・ジャーナルは12日、この危機的状態の規模について独占的に報じた。
熱波の高まりにより救急サービスの需要が高まっていると考えられ、サービス運営能力は新型コロナウイルス感染症に関連する職員不足によりひっ迫している。
トラストのリーダーはトラストの警戒レベルを上げることにより、職員を呼び戻すなどサービス安定化のため緊急の対策を講じることができる。
新型コロナウイルスの最新の感染の波が英国中で広まる中、感染率と入院率はここ数週間で大幅に増加している。救急車は、少なくとも昨秋から有効に機能していない状態だ。
危機的状況を生んでいる大きな要因は、病院内に流れがないことだ。医学的に見て健康で病院を出ることができる多くの患者は、十分な公的ケアが提供されていなければ責任を持って退院させることができない。
こうなると救急病床に患者がとどまる平均時間が増え、流れが中断されて病院内に障壁が生じる。これにより、救急診療部では救急車が患者を病院内に移送する受け渡しの速度が劇的に低下する可能性がある。
極端なケースでは、受け渡しの速度が遅いことで病院の外に患者を降ろすため待っている救急車の列ができる。こうなればトラストは要請に迅速に対応できなくなり、反応時間が延びて患者に害が及ぶ危険性がある。
英国では、患者は現在救急車から病院に移るのに数時間待つのが普通で、それからさらに治療を受けるまで待つ場合が多い。
王立救急医療大学（RCEM）の学長であるキャサリン・ヘンダーソン博士は、この状況について先日「これまでにないほど大きな危機だ」と説明した。
