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2022.07.15

人生100年時代にサントリーウエルネスが挑む、誰もが自分らしく輝く「共生」社会の実現とは(後編)いくつになってもワクワクしたい、すべての人へ━━「Be supporters!」

Forbes JAPANは6月9日、「Wellbeing SUMMIT 2022」を開催した。6つのセッションを行い、ウェルビーイングへの感度の高い各界のスペシャリストたちが持論を展開した。

PANEL SESSION 3では[「共生」を実現する社会モデル—自分らしく輝く人生100年時代のWellbeing—In partnership with Suntory Wellness]と題し、医療法人社団悠翔会理事長・診療部長の佐々木淳とサントリーウエルネス代表取締役社長の沖中直人が登壇。Forbes JAPAN Web編集長の谷本有香がモデレーターを務め、シニアのウェルビーイングについて語り合った。その模様の後編をお送りする。



介護される側とする側が喜びを共有


谷本有香(以下、谷本) イギリスで孤独がどれほど体によくないかを調べたある調査データによると、タバコを1日15本吸うのと同じくらいの害悪があるそうです。人とのつながりがウェルビーイングにとって、とても重要だということがわかりますが、「Be supporters!」はまさに人と人とのつながりを生む活動のようですね。

沖中直人(以下、沖中) 2020年12月にJリーグのクラブ「カターレ富山」と「Be supporters!」を始めた当初は、高齢者施設の職員の方に「富山のお年寄りはスポーツといえば大相撲か野球の巨人戦の話ばかりなので、サッカーは興味ないかもしれませんね」と言われました。それでも最初は2施設数十人が参加してくださり、試合ごとに施設でのパブリックビューイングを実施しました。すると、シニアの方々はユニフォームを着て、手拍子したりタオルを回したりして応援を始めました。さらに、“推し”選手の写真を切り抜いてうちわに貼ったオリジナルの応援グッズをつくったり、弊社が制作した「Be supporters!を今すぐはじめるためのガイドブック」を使って観戦日記をつけ始めたり……。蓋を開けてみれば、昨年は富山県内で30施設のべ1,000人の方にご参加いただきました。最高齢はなんと98歳で、非常に大きな盛り上がりを見せました。



「福祉法人射水万葉会 天正寺サポートセンター」富山市内、2021年11月撮影

※高齢者施設での応援の様子が分かる動画は「Be supporters!」公式サイトからご覧ください。
https://www.suntory-kenko.com/contents/enjoy/besupporters/

そうしたなかで、施設職員の方々からは、参加した入居者の方々の変化について、「食事量が増えた」「睡眠の質が改善された」「とても元気になって、要介護度も改善されているのではないかと思えるほど」といったお声を頂くようになりました。こうしたシニアの皆さんの変化ももちろん嬉しいものではありましたが、この活動を通じてあらためて気づいたことは、施設職員の方々がものすごく楽しそうにされていたということです。実は私の母も介護施設に入っているのですが、職員の皆さんが毎日、シニアの方々に元気を与えようと頑張っておられます。でもこの「Be supporters!」の活動では、シニアの方が楽しんでいるエネルギーを職員が受け取り、みんなが共鳴して楽しい雰囲気をつくり出していました。

これからの日本でますます高齢化が進むにあたって、介護の現場で働く方々をいかに元気づけるかは、ものすごく大きな課題だと私は思っています。日本には人間関係を築く鍵となる「お互い様」という言葉がありますが、「Be supporters!」は、そのひとつの形を示せたのではないかと思っています。


沖中直人 サントリーウエルネス 代表取締役社長

佐々木淳(以下、佐々木) 私も高齢者施設に訪問診療に行くことがあります。たくさんの方が入居されていて、みんな食堂に座っているのですが、この方々につながりがあるかというとそれがなく、ただそこにいるだけのことが多いです。「Be supporters!」の活動を拝見すると、試合を見て一緒に興奮し、一緒に喜んでいます。入居者の方も職員の方も盛り上がり、みんなでひとつの目標や関心に向かい、同じベクトルで動いています。これまでは支える側と支えられる側だったのが、同じサポーター同士という対等な関係になっているのです。

「Be supporters!」を見てもうひとつ感じたのは、人間が何のために生きているかというと、健康そのものが目的ではないということです。要介護の方は予定がなく、ただ漫然と明日が来て、1日事故が起こらないように生かされている。それが1週間後に試合がある、もしかしたら選手が遊びに来てくれるかもしれないといったようにカレンダーに予定が埋まっていくと、そこに向けてのカウントダウンが楽しいですし、応援グッズをつくろうとか、作業や目的が生まれます。要介護になると、参加できるアクティビティが限られ、旅行には行けないし、家族と会うことも買い物に行くことすら制限されます。いろいろなものを失ってきたなかで、応援する存在ができることで生きる喜びを取り戻せるのだということは、私にとって大きな学びでした。ぜひこういう取り組みが、全国の介護施設だけでなくて、あらゆる人に広がっていくといいと思いました。


佐々木淳 医療法人社団悠翔会理事長・診療部長

いくつになってもワクワクしたいすべての人へ


谷本 それにしても、なぜ健康食品を扱っていらっしゃるサントリーウエルネスさんがこういった取り組みを始められたのでしょうか。

沖中 いくつかきっかけがあるのですが、ひとつは、脳に必要な栄養素を補う弊社の「オメガエイド」というサプリメントについて、お客様から頂いた解約のお電話です。お客様は「兄弟が認知症だったので愛飲していたが、認知症と診断された」とおっしゃいました。60分以上にわたって思いの丈をお話しいただいた後に、「いままでありがとう」とおっしゃってお電話を切られました。そのことについて聞いたとき、私たちはこれまで健康食品を提供する会社として予防の領域でお客様に貢献したいと事業を推進してきましたが、「もしお客様が病気や不具合を抱えたとしたら何もすることができないのか、それでいいのか」と考えさせられました。そして、予防だけではなく、たとえ病気になった後でも誰もが輝くことができる「共生」社会の実現に貢献できる会社になろうと決意しました。

その直後、「注文をまちがえる料理店」という認知症の方がホールスタッフを務めるレストランのプロジェクトを企画・実施した元NHKプロデューサーの小国士朗さんとお話をする機会があり、小国さんがアイデアとしてもっていらした「Be supporters!」を、是非一緒に実現したいと伝えました。

佐々木 日本は何か困ったことがあると公にお願いをし、仕組みや制度をつくってもらうということに慣れきってしまっています。私は世界のいろいろな医療介護の現場を見てきましたが、こんなに潤沢な健康保険と介護保険の制度を備えた国はほかにありません。にもかかわらず、そのサービスを受けている患者さんの満足度は、先進国のなかで日本は最下位です。それは医療サービスや介護サービスが平均点をサービス化しているからで、平均と合致しないからです。

そういう課題があるなかで、サントリーウエルネスさんはこれまで顧客としっかり向き合い、多様なニーズがあることや、既存の公的サービスでは満たされない潜在的なニーズがあることに気づかれた。民間企業が積極的に飛び込んで考えていくというスタンスは、本当に素晴らしいと思います。


谷本有香 Forbes JAPAN Web編集長

谷本 GDPだけで測るような、いわゆる合理的な資本主義の形というものがある種、限界を迎えている気がします。こういった公益的な色合いを込めた新しい資本主義が生まれるチャンスが、サントリーウエルネスさんのような民間企業からもたらされるかもしれません。

沖中 サントリーは創業者の鳥井信治郎が「利益三分主義」を掲げ、利益は事業への再投資だけでなく、「お得意先・お客様へのサービス」や「社会への還元」にも役立てていこうと考えています。介護の領域についても、特別養護老人ホームを運営しています。ですのでこの活動は、サントリーの企業理念から見れば当然のことです。ただ一方で、1民間企業にできることには限界がある。だから私たちはJリーグさんや地域のJリーグサッカークラブ、高齢者施設、自治体の皆さんと共につくっていくことに取り組んでいるのです。

佐々木 高齢の方がウェルビーイングを実現できないと、いま日本に生きる若い人たちがこの国に希望を感じられません。歳をとって体が弱り、認知症になっても、最後までハッピーに生きられる国なのだという状況をどうやったらつくりだせるかを、民間企業だけでなく、自治体などいろいろなステークホルダーが当事者としてとらえ、取り組むべきです。

沖中 ホモサピエンスはコミュニティのなかで生きているので、幸福を突き詰めて考えると、自分が誰かの役に立っていることを感じられるということに行き着くのだと思います。小国さんのおっしゃっていたことで印象的だったのは「注文をまちがえる料理店で働いてくださった認知症の状態にある方々には、謝礼金をお渡ししました。そのときのみなさんの笑顔が忘れられない」ということです。それは、自分が誰かの力になっていることを実感している笑顔だったのではないかと言うのです。私はその話を聞いてなるほどと思いました。「Be supporters!」で言えば、地元のJリーグサッカークラブをみんなと一緒に応援することで、クラブや選手たちに感謝してもらえる。人は、人や自然との関係性の中でしか生きていけない生き物です。そう言った本質的な部分に向き合っていくべきだと考えます。

人生100年時代では、2人に1人が認知症の状態になると言われています。私たち人間は、何のために生まれてきたのかというと、当たり前ですが、幸福に生きるためです。「いくつになってもワクワクしたい、すべての人へ」というコンセプトを掲げ、私たちはこうした活動をこれから先もずっとやり続け、世の中にムーブメントを起こしていく起点となりたいと思います。もし共感してくださる方がいらっしゃいましたら、ぜひ一緒に共生のための活動を盛り上げていきましょう。



ささき・じゅん◎医療法人社団悠翔会理事長・診療部長。1975年、京都府生まれ。98年、筑波大学医学専門学群卒業、三井記念病院内科入局。2003年、東京大学医学系研究科博士過程入学。06年、MRCビルクリニック開設。08年、同クリニックを悠翔会と改名し現職。

おきなか・なおと◎サントリーウエルネス代表取締役社長。慶應義塾大学法学部政治学科卒後の1991年、サントリー入社。「伊右衛門」の開発でチームリーダーを務め、大ヒットの立役者となる。サントリー食品インターナショナル常務執行役員などを経て2020年より現職。

Promoted by サントリーウエルネス / text by 大橋史彦 / Photographs by 後藤秀二 / edit by 高城昭夫

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