先行き不透明な時代、将来への不安から人々の投資ニーズは高まる一方だ。およそ5年前、当時ゴールドマン・サックスで機関投資家相手に数百億の運用を行っていた現sustenキャピタル・マネジメント(以下、susten)代表取締役最高経営責任者(CEO)岡野大(以下、岡野)のもとにも、家族や友人から「よい投資先を教えてほしい」という要望が殺到していた。「しかし私はその答えをもち合わせていませんでした。それどころか自分の運用ファンドを、私自身も使えませんでした」
当時の業務は最先端の金融知識を応用した、富裕層向けファンドの運用。一般個人投資家は投資さえできないことに、やるせなさを感じていたという。
時を同じくして、ゴールドマン・サックスに在籍、ニューヨークで欧米機関投資家の運用を行っていた現susten代表取締役最高投資責任者(CIO)山口雅史(以下、山口)も同様の思いを抱いていた。「欧米を中心に最新の投資理論が次々生まれている一方で、それを一般個人投資家には活用できないフラストレーションがありました」
岡野は東京大学大学院で航空宇宙工学を、山口は京都大学大学院でコンピュータサイエンスを学んできたアカデミア人材でもある。彼らは「家族や友人に薦められる投資運用サービスの創出」のために2019年、sustenを共に起こす。そして21年には直販型ファンドラップ「SUSTEN」の一般公開にこぎ着けた。
投資手数料が高額になる理由とSUSTENの強み
ではなぜ従来のサービスは、個人が使いにくいのか。山口は2種の例を挙げた。
1:ファンドラップ
「金融の専門知識不要のお任せ運用を特徴とするファンドラップは、運用手数料が高く、一般個人投資家では利益を出しにくいのが特徴です。さらに利益が出ていなくても、預入額に対して一定の手数料がかかるのも、手を出しにくい要因でした」
2:ロボアド
「同じお任せ運用ですが、オートメーションによりコスト削減を実現し、日本にもち込まれた16年ころから急速に成長しているのがロボットアドバイザーです。ただ、リスクの内訳を見ると限りなく株式100%に近いサービスが多く、株式相場の上下動に左右されやすいのが現状です」
これまでの金融商品は、資産を運用する運用会社と、販売会社がそれぞれ手数料を取ることで高コスト体質だった。
「さらに、日本では証券会社に付随して運用会社が存在することが多く、“よい商品よりも売れる商品を”と、トレンドに合わせた商品が優先される場合もあります」
そこでsustenは、運用会社が考えるよい商品を、デジタルで直販する仕組みに挑んだのだという。これはテクノロジーの発展で可能になった手法だと、岡野は言う。
「07年のiPhoneリリース当時、20代だった若者が30代となり、可処分所得が増えました。つまりスマホを活用した資産運用への需要が醸成されてきたのです。ECの普及で実店舗を販路としなくてもビジネスが成立する時代となり、クラウド活用により運用に必要なサーバーを安価で構築できるようになったことも追い風でした」
運用会社が全工程をカバーする仕組みは手数料を大幅に下げる効果がある。
「運用会社が顧客に直接ファンドラップを提供した例は過去になかったため、当局との調整にはかなりの時間を要しました。ただ、当局も販売会社主体の商品ばかりの現状に課題意識を抱いていたこともあり、日本初のビジネスモデルの認可に前向きに取り組んでくれました」
さらに投資のハードルを下げたのが完全成果報酬型の費用体系だと岡野は言う。
「通常は預入額に応じて手数料が発生します。たとえ運用成績がマイナスでも、業者が利益を得られる構造です。これは運用者としては潔しとしない仕組みであり、改善すべき点だと以前から考えていました。SUSTENは成果を上げない限り、手数料をいただくことはありません」
岡野 大|sustenキャピタル・マネジメント 代表取締役最高経営責任者(CEO)
最先端金融理論でパフォーマンスを追求
従来の常識を覆す完全成果報酬型は、顧客の成功がそのまま自社の収益に直結するために、パフォーマンスの向上が不可欠だと、山口は指摘する。
「そのために何ができるか。それが日々発展する運用理論の研究です。学術誌等で発表される金融工学の最新の知見から取捨選択し、投資哲学に即した理論を惜しみなく組み込んでいるのです」
その光景はどちらかといえば研究室に近いと山口は言う。
「例えば専門知識のない個人投資家にはインデックス投資が最適といわれますが、それは約60年前に確立された伝統的な知見です。その後の研究により、インデックス投資の弱点を補完するさまざまな理論が提唱されています」
山口雅史|sustenキャピタル・マネジメント 代表取締役最高投資責任者(CIO)
最先端理論をAIに取り込みオートメーション化していくSUSTENの「クオンツ運用」はこうした課題をクリアしたうえで、勘や感情に左右されやすい人為的な判断も徹底的に排除する。さらに、リスク管理の徹底はスキームの頑健性にまで及ぶ。
「透明性の高い国内籍の投資信託を活用するスキームを採用しています。これによりユーザーの投資資金はSUSTENに預けられるのではなく、大手信託銀行にて分別管理されるうえ、監査法人による会計監査の対象となるため、私たちが万一破綻してもお客様の運用財産が全額保全される仕組みです」
最後に岡野はsustenの意義を語った。
「実はSUSTENの運用は、最先端理論を次々に取り入れるため機関投資家すらキャッチアップに時間を要する先進性があります。しかし私たちは、この運用手法こそ低コストでパフォーマンスを追求できるため、身近な人々にも薦められる理想的な商品につながると思っています。
日本初の生活者向け独立系運用会社として1999年誕生した『さわかみファンド』や、ロボアドの知名度を一気にあげた『ウェルスナビ』(15年)など、投資業界に革命を起こした企業はいままでもありました。sustenもそうしたパイオニア精神のもと、金融商品を窓口で買う時代が終焉を迎えたその先の10年に、足跡をしっかりと残したいですね」
sustenキャピタル・マネジメントによる、ヘッジファンドタイプでの運用シミュレーションは全世界株式を上回る。
※SUSTEN(ヘッジファンドタイプ):株式の2/3程度のリスクで、リスク対比のリターン最大化を目指す運用戦略。月次で当サービスに係る成果報酬(消費税込)を控除、リバランスを実施したものと仮定。2002年12月末~2021年2月末のリターンはバックテスト(現時点での運用方針を過去にさかのぼって実施したと仮定した場合の事後的なシミュレーション)に基づき、2021年2月末以降は実績値。実現益に関する税金は考慮せず。全世界株式(為替ヘッジなし):MSCI ACWIトータルリターン(円ベース)をSUSTEN(ヘッジファンドタイプ)と同等のリスク(年率約10%)となるよう調整したもの。上記の数値は、過去の市場データの分析に基づくバックテストの結果です。これらの数値は、当社が運用する実際の運用実績ではなく、あくまでも情報提供を目的としたものです。実際の運用においては、経済や市場状況等により、資料中に示された結果と同じ運用ができるとは限らず、従って将来の運用成果等をお約束するものではありません。
sustenキャピタル・マネジメント
https://susten.jp
岡野 大◎東京大学大学院修了。2012年ゴールドマン・サックスAM入社。ヘッジファンドチームにて数百億円規模の株式などの投資判断に携わる。19年、sustenを創業し、CEOに就任。
山口雅史◎2007年ゴールドマン・サックスAM入社。運用投資戦略部にてポートフォリオ・マネージャーを務める他、GoldmanSachs(在NY)への移籍後は計量運用責 任者を歴任。19年にsustenを創業し、CIOに就任。
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