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2022.03.04

CIO Award 経営貢献賞・ITシステム賞・ITイノベーション賞を獲得したのは誰だ?

左:ITシステム賞を獲得した日本取引所グループ 取締役 常務執行役員 横山隆介 中央:経営貢献賞を獲得したアステラス製薬 情報システム部長 須田真也 右:ITイノベーション賞を獲得したJFEスチール 常務執行役員 新田 哲

Forbes JAPANは2022年2月、日本のDXを情報システムの側面からけん引するCIOを選出するCIO Awardをレノボ・ジャパンとともに設立した。この記事では経営貢献賞とITシステム賞、そしてITイノベーション賞受賞者の声を届ける。



ワクワクする未来をつくり出すのがCIOの役割【経営貢献賞 アステラス製薬 須田真也】


研究開発型のグローバル製薬企業として、世界70カ国以上でビジネスを展開しているアステラス製薬。サイエンスの進化が急加速するなかで、急性骨髄性白血病や前立腺がんなどの先進的な治療薬を次々に創出。2021年10月に発表した2021年度通期予想売上高は1兆3,230億円(前年同期比5.9%増)、営業利益は2,180億円(同60.2%増)だった。この好調な業績を見れば、須田真也が経営貢献賞に輝いたのもうなずけるだろう。

「IT戦略におけるこれまでの取り組みが、経営貢献賞として認められたことを、非常にうれしく思います。ITはテクノロジーであって、価値の源泉でしかありません。それをきちんと価値として事業につなぎ、発展させて、製薬会社として患者さんに価値を提供していることを評価していただいたわけですから」

新薬の創出が同社のビジネスモデルであることを踏まえれば、そう須田が喜びを表現した理由がわかる。新薬が世に出てくるまでには多くの時間を要し、成功確率は3万分の1とされるほど低い。それでいて、有効かつ安全であることが求められる。患者の痛み、苦しみを解決するには、膨大かつ広範囲のデータを適切に解析し、信頼できる医薬品が生み出せるシステムを緻密に構成しなければならないのだ。

そういった厳しさのなかで、CIOとして須田が大切にしているのは何か。

「未来を見据えることです。未来は誰も知らない。“言ったもん勝ち”なんですから、いろいろな人が価値創出に協力したくなるような、ワクワクできる未来を語るのがCIOの役割だと思っています」

この言葉通り、同社は2022年1月に、新薬の開発期間短縮などに貢献すべくデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みを発表。科学の進歩を患者さんの価値に変えるため、DXを加速させると宣言した。須田がCIOとしてもたらす経営貢献は、創薬の世界を変え、人々にとって計り知れない価値を生み出す可能性がありそうだ。

変化への感覚を磨かなくては「守り」を固められない【ITシステム賞 日本取引所グループ 横山隆介】 


横山隆介を一躍有名にしたのは、2020年10月に起きた東京証券取引所のシステム障害だ。終日、全銘柄取引停止となる大事件。ところが、障害発生当日の会見にもかかわらず、横山は事態を的確に把握。「調査中」「確認中」といったお決まりの表現を一切使わず、誠実かつ緻密に説明して逆に“株”を上げた。

その後の対応も、CIOとして見習うべきものだった。「システムを止めない」という基本方針は継続させつつ、「レジリエンス」というキーワードを社内外に発信。どれほど対策を積み重ねても起こりうる障害に対する姿勢を明確に示した。

「仮に障害が起きても、その範囲を極小化する。あるいはできるだけ素早く復旧できるようにシステム全般にわたる見直しを進めています。加えて、新たにJPX総研という子会社を立ち上げることとしました。それまで私も携わっていたDXなど『攻め』の部分を集約させ、安定的に市場を運営していくという取引所の役割を明確にしました」

そう横山が話すのを聞くと、「守り」一辺倒にシフトチェンジしたようだが、実態はより攻撃的な守備に進化したというのが正しいようだ。

「昨日と同じことを今日、明日も続けるとシステムが安定するかといえば、実はそうはなりません。システムの使われ方やベンダーの技術、人員体制などは刻一刻と変化しているのです。その変化をしっかりとらえ、トレースできる感覚を磨いていなければ安定したシステムにはなりません」逆にいうと、「変わらない、変えたくない」マインドでいると、変化に追随できず、システムの安定性が損なわれるということになる。では、CIOはどうすればいいのか。

「変化を恐れないことです。それまでうまくいっていると、それを継続すればいいというマインドになりがちです。だからこそ、変化に対し積極的に取り組む姿勢をCIOが率先して見せることが大切です。もちろん、失敗は真摯 に受け止めるべきですが、それまでのチャレンジまで否定する必要はありません。都度しっかりと受け止め、前向きなエネルギーに転換していくことが大切です」

本質的な課題を半歩先で抽出し、解決策を提供することが重要【ITイノベーション賞 JFEスチール 新田 哲】


経済産業省の「攻めのIT経営銘柄」、「DX銘柄」の常連であるJFEホールディングス。この高評価を支えているのが、主力のJFEスチールでIT部門を統括する新田哲だ。

「弊社はレガシーシステムを大量に抱えています。60年以上前に構築されたシステムが現役で動いていますし、製鉄所・製造所のプログラムステップ数/ライン数は約2.5億に及びます」

同社のITへの取り組みが高く評価されているのは、こうした状況を大きく変えてきたからだ。

「2014年にIT改革推進部長となったとき、3つの大きな柱を立てました。1つは、レガシーシステムの刷新。2つ目はIT活用レベルを上げること。そして3つ目は安全なシステム環境の構築です」

そう振り返る新田だが、攻めのITを進めるなかでのレガシーシステム刷新は、困難を極めることが確実視されていた。何を意識したのだろうか。「『子どものサッカー』にならないことです。ボールに全員が集まるのではなく、全体を俯 瞰してバランスを取ることを重視したのです」

投資もリソースの配分も攻めと守りのバランスを考慮。それを着実に実行してきて8年目となるいま、当然、見据えるのは「次」だ。

「ひとつは、データ活用です。過去何十年にもわたってデータを蓄積してきましたが、残念ながらレガシーシステムのなかに埋もれています。これをさらに活用する環境を整えなくてはなりません。もうひとつは、プラットフォームの導入です。コミュニケーションや業務標準化などのプラットフォームを整備し、AIやデータサイエンスを含めたDXを加速させていきます」

こうした取り組みをリードするCIOに求められるのは、経営部門との連携だ。「仕事は空から降ってくるわけではない」ため、ビジネス部門との対話を重視し、潜在的な課題を掘り起こしたうえで、情報システム構造をアップデートしておくことがCIOの大切な仕事だと新田は話す。

「これからのCIOは、ITとビジネスの両方を知る必要があります。目指す人には、積極的にさまざまな業務やプロジェクトを経験してほしいですね」

レノボ・ジャパン
http://www.lenovo.com/jp/ja



すだ・しんや◎千葉大学大学院薬学研究科修了後、山之内製薬に入社。2005年の藤沢薬品との合併の際は合併事務局にてIT統合推進を担当。コーポレートIT部長を経て2015年より情報システム部長。

よこやま・りゅうすけ◎1986年に東京証券取引所入所。ITビジネス部長を経て2011年に執行役員。2017年に日本取引所グループ常務執行役。2019年より東京証券取引所取締役 常務執行役員。

にった・あきら◎1986年に日本鋼管(現JFEスチール)入社。システム企画職、営業職などを経てシステム統合プロジェクトに従事。2018年より常務執行役員、IT改革推進部・サイバーセキュリティ統括部・製鉄所業務プロセス改革班担当。

Promoted by Lenovo JAPAN | text by Hidekazu Takahashi | photographs by Tadayuki Aritaka | edit by Tomoki Matsuura

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