北京五輪の健康管理アプリ「My2022」には「単純だが壊滅的な」欠陥があり、ユーザーデータの暗号化に失敗することがあり、個人情報が露出したままになっているとトロント大学の「シチズンラボ（Citizen Lab）」が報告した。ユーザーがいつ誰と通信したかをWi-Fiホットスポットを運営する盗聴者が把握することが可能だという。
参加者は、中国に到着する前にパスポートの詳細、旅行計画、病歴などの情報をアップロードするためにこのアプリを使用し、イベント期間中も日々のモニタリングのために使い続けなければならない。
このアプリでは、政治に関連する約2400のキーワードを検閲することが可能だが、この機能は現状では無効になっている模様だと研究チームは述べている。
このアプリのセキュリティ問題は、グーグルとアップルのポリシーに違反している可能性が高いという。フォーブスは、グーグルとアップルにコメントを求めている。
このアプリのセキュリティ問題は、中国で人気のウェブブラウザの大半で見つかっているものと同様であることから、中国で動作するアプリにとっては「特に驚くべきものではない」と同レポートは述べている。
中国の冬季五輪におけるサイバーセキュリティの問題が指摘されるのは、今回が初めてではない。米国オリンピック・パラリンピック委員会は先週、中国政府による監視を避けるために、選手やコーチ、スタッフに対し、大会期間中の個人所有の電子デバイスの使用を控え、プリペイド式の一時的な端末などを使用するよう勧告した。
オランダ、イギリス、オーストラリア、カナダの選手たちも同様の勧告を受けたとUSAトゥデイは報じている。
CNNによると、中国全土には少なくとも5億6700万台の監視カメラが設置されているという。これは、米国の監視カメラの数の6倍にあたるとされる。
