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2021.05.31

ユーグレナ、ギフティの「名参謀」が語るトップの支え方——EOY Japan Alumni 経営者セミナーレポート

写真左:ユーグレナ取締役副社長COO・永田暁彦/右:ギフティ代表取締役・鈴木達哉

ベンチャー企業が成長するかどうかは「名参謀」が存在するかどうかによる、と言っても過言ではないだろう。創業者のビジョンに深い理解をもって共感し、同じ視点で企業を成長させるための施策を的確に実施する彼らは、会社を理想的なゴールへ導くためのヒントを与えてくれる。


毎年、優れたアントレプレナーを選出する国際的な祭典である「EY Entrepreneur Of The Year」(以下、EOY)。日本でも2001年度より「EYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー・ジャパン」が開始され、数多くのアントレプレナーが推挙されてきた。19年には、歴代の受賞アントレプレナーのネットワークとして「EOY Japan Alumni」が発足。“社会を変えるアントレプレナーたちが集うコミュニティ”として機能してきた。

その一環として、歴代受賞者を支え、ともに歩む経営層を対象に、企業のさらなる成長のきっかけとなる事例やナレッジを提供する「EOY Japan Alumni 経営者セミナー」が、5月12日、オンラインで開催された。

「偉大なる創業者と歩む名参謀たちのリアル」と掲げられたキーノートセッションでは、これまでのEOY受賞者を支えてきた参謀役をゲストスピーカーとし、ユーグレナ取締役副社長COO・永田暁彦、ギフティ代表取締役・鈴木達哉が登壇。両者がジョインした経緯をはじめ、創業者との良好な関係性やチームの築き方、今後の展望などを語り合った。本記事では、業界を超えた交流や意見交換の場となった「EOY Japan Alumni 経営者セミナー」の様子をお伝えする。

創業者が目指す世界観の実現のために




まずキーノートセッションでは、モデレーターを務めるEOY Japanリーダー・武藤太一の紹介で永田暁彦と鈴木達哉が登壇。両者は、もともと独立系プライベート・エクイティ・ファンドであるインスパイアの先輩後輩関係で、担当プロジェクトは別ながらもよく飲みに行くような間柄だったという。

永田は現在、東証一部上場のバイオベンチャー企業であるユーグレナの取締役副社長COOを務めると同時に、15年にはVCファンドのリアルテックファンドを創設。同ファンドは、日本・東南アジアのリアルテックベンチャー53社への出資をしている。

永田がユーグレナにジョインしたのは、インスパイアにて同社を担当し、社外役員に就任したことがきっかけだった。社会人1年目で実績もないなかで信用を得るために、資本政策の策定といった会計・法律分野での“正解”を提示することで評価を獲得していった。当時の永田について、鈴木は「社内で一番ストイックだった」と評する。

その後、ユーグレナの代表取締役社長の出雲充から移籍の誘いを受けた永田は、同社の事業が“胸を張って自分の息子に説明できる仕事”であること、「経済」と「環境」を天秤に載せたときに「環境」を選んでも取締役会が承認をしてくれるといった点に魅力や働きがいを見出したという。そして、経営の経験を積めることも、同社を選んだ大きな要因だったと語る。

一方、eギフトプラットフォーム事業を展開するギフティの代表取締役を務める鈴木は、インスパイアにて大企業の新規事業支援やベンチャー支援業務に従事。11年に友人らと「AIアナリスト」サービスを展開するwaculを創業した後、12年にギフティにジョインすることとなった。

もともとギフティ代表取締役の太田睦とは友人を介してインスパイア在籍時から知り合いだったという鈴木。ギフティ立ち上げ時期に、鈴木の同僚だった永田がたまたま「ギフティが面白そうだ」と言及したことを機に、鈴木と太田の交流はさらに深まり、ファイナンス面でのリファレンス先として太田から頼られるまでになっていた。そして、waculを辞した後に鈴木はギフティに合流する。

鈴木はギフティのビジネスモデルに将来性を感じるとともに、太田氏を二面性がなく自然体でいると評し、「彼の提示する世界観を実現したい」という思いから同社へのジョインを決意したと話す。

楽しめるのは、創業者との阿吽の呼吸があるから




ここで気鋭の企業にて「名参謀」を務める2人に対して、創業者との良好な関係性の築き方について問われた。10年以上ユーグレナで出雲充との二人三脚を続けてきた永田は、「“サスティナビリティ”というゴールが一緒であり、なおかつ山の登り方(その実現手段)の考え方も一致していたことが大きい」と語る。さらには、お互いが得意とする分野が異なることで、“機能としての組み合わせのバランス”が保てているのだという。役員に限らず、働くメンバーについては組織ケイパビリティだけでなく考え方や思考の純度を上げる重要性を、永田は説く。

鈴木は太田とは相性が良いとしながらも、ジョインした当初1年半ほどは週1回のボードミーティングでずっと喧嘩をしていたと明かす。当時、結論が出ないときは互いの意思決定を順繰りに採択するルールを設けており(現在はガバナンス上できないものの)、1年半ほどでそれぞれ精度や解像度の高い分野が見えてきたという。こうして、互いに忌避すべきものは共通して見える一方、それ以外はそれぞれの多様性として認める考え方が根付き、役割を分担しながら責任を共有する意識が醸成されたそうだ。これには永田も深く同調し、このように培った創業者との阿吽の呼吸が仕事の楽しさにもなる、としていた。

チームつくりも同様で、鈴木は前述の通り「嫌いなものが共通していることが大事」だと言及。嫌いなこと、避けるべきことこそが意見の分かれがちなポイントであり、衝突する点でもあるからだ。それも踏まえて、一緒に長時間を過ごせるかを試す「エアポート・テスト」もひとつの目安になり得ると話す。

永田はチームづくりの前提となる採用について、人材市場のなかで自社が取るべきポジションや訴求力をマーケティング的に熟慮したうえで、人材紹介会社にプレゼンしに行っているという。自社に入るべき理由を明確に提示することで、優秀な人材が集まる仕組みを構築している。そのうえで、採用した人材がワークするかは会社側の責任であるとも戒めていた。

CFO、COOにはいつでも主役を張れる人を




セッション終盤には、視聴者からの質問も投げかけられた。「自らが起業したいと思ったことは?」という質問に対して、永田は自身でリアルテックファンドを立ち上げていることにも触れつつ、「いちばん選ぶべきCFOやCOOは、CEOができる人だと思っている」と回答。究極的にはいつでも主役を張れる能力や気概をもつことの重要性を説いた。一方の鈴木は、現在はギフティの夢を実現させようと邁進するなかで、次々と新しい目標が出てきている最中であり、起業の意思はあまりないと明言。世の中に対するインパクトを最大化するため、0→1ではなく、既存のインフラやプラットフォームを使った共創に可能性を感じている、としていた。

また、「コロナ禍における会社運営の工夫や苦労は?」といった質問が挙がると、永田は「状況の変化に対応できず立ち遅れる企業との差を広げる機会」と認識し、ユーグレナではコロナ禍が始まってすぐにテレワークを開始し、デジタル押印やオンラインでの商談など業務のDX化を急速に進めた。また、2フロアだったオフィスを半分の1フロアにした。これには鈴木も「昔からドラスティックな永田さんらしい」と漏らしていた。

一方の鈴木はギフティが手がけるeギフトプラットフォーム事業への追い風を感じつつ、かたや「リアルで一緒にいることの価値も大事にしたい」と言及。政府や自治体の要請などは遵守しつつ、しっかりとしたリスクヘッジ対応をしたうえで、来社したい人は来られるように最大限の投資をするスタンスだと明かした。

こうして盛り上がりを見せたキーノートセッションは閉幕。続けてテーマ別セッションとして、「ニューノーマル時代の人材マネジメント」と「オープンイノベーションにおけるスタートアップ投資の活用」が並行して開催された。


テーマ別セッション①「ニューノーマル時代の人材マネジメント」


「ニューノーマル時代の人材マネジメント」は、EYストラテジー・アンド・コンサルティングでピープル・アドバイザリー・サービスパートナーを務める野村有司が登壇し、「コロナ禍での働き方や人事」についてセッション参加者の実例などを聞きつつ、オフィスや人事の考え方の変化を挙げる。近年日本でも導入が始まった「マルチ型人事制度」についての紹介や、今後人事が考えなければいけないこととして"「社員の選択」を認める制度"や"明確な「存在意義」のある企業・オフィス"、"下支えするインフラ・カルチャー"を挙げた。


野村有司|EYストラテジー・アンド・コンサルティング ピープル・アドバイザリー・サービスパートナー

VOICE
本セッションは、ポスト・パンデミックのニューノーマル時代においてメガトレンドとなっている「ジョブ型人事制度」や「リモートワーク」などの、人材マネジメントに関するテーマについて改めて整理・体系化したうえで、参加企業様の文脈に沿ったあるべき方向性を議論する場として設定しました。セッションのなかでは、やはり雇用形態を含めた柔軟な働き方への関心が強いものの、現状の日本では労務管理・労働法的な親和性は低く、やりきるためには法的リスクを踏まえて試行錯誤するしかない、という一旦の結論に達しました。キーノートセッションでも挙がったように、現在は企業の求心力としてより“パーパス”の重要性が高まっているとも再認識しました。「ジョブ型」や「副業」など、個別のテーマに議論が閉じがちな人材マネジメント領域ですが、全体のあるべき方向性を捉えた上でそれぞれのテーマを検討するというアプローチを広めていきたいと考えています。




テーマ別セッション②「オープンイノベーションにおけるスタートアップ投資の活用」


オープンイノベーションにおけるスタートアップ投資の活用」では、EYストラテジー・アンド・コンサルティングのEY パルテノン マネージング・ディレクター/パートナーの青木義則が登壇。14名の参加者の自己紹介が行われた後、近年のスタートアップ投資やCVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)の現状などを説明した。その後、参加者たちは「オープンイノベーションにどのように取り組むか」というテーマで、その取り組み状況や課題についてのディスカッションを展開。限られた時間ながらも、闊達な議論を交わした。


青木義則|EYストラテジー・アンド・コンサルティング EYパルテノン マネージングディレクター パートナー EY Startup Innovation Co-Leader

VOICE
スタートアップと協業するオープンイノベーションとそれに伴う投資が活発になるなかで、「投資先の事業が想定ほど成長しない」といったような、参加者様の日々のお悩みを共有していただき、ヒントや気付きを提供できる場として、本セッションを設定しました。セッション内では、テクニカルな解決策だけでなく、本質的には買収後によりチャレンジングなミッションやポジションをスタートアップの経営層に提供できるかが重要ではないか、といった議論が展開されました。参加者様が抱える悩みの多くはスタートアップ投資に付きものの不確実性から生じており、そうした不確実性を前提としたアプローチの必要性について、我々EYも啓蒙活動やご支援をすべきだと感じました。加えて、CVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)によるマイノリティ投資やM&A案件のご支援を通じて、オープンイノベーションでの成功体験を多く積み重ねていければと考えています。



こうして『EOY Japan Alumni 経営者セミナー』は全プログラムが終了。初のオンライン開催ながらも参加者はネットを通じて積極的にセッションに参加し、リアルタイムでも「刺激をもらった」といった感想で溢れていた。EOY Japan Alumni社は、今後も気概あるアントレプレナーたちに課題解決のヒントになりうるナレッジや事例を紹介し、交流の場を提供することを掲げている。次なるセミナーの開催にも期待したい。


▼Forbes JAPAN・EY Japan 特設ページ

>>EY Entrepreneur Of The Year 2020 Japan
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>>EOY Japan Alumni
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