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2021.03.30

総合力と技術革新で脱炭素社会に挑む 三菱商事のエネルギートランスフォーメーション

パリ協定のもと各国で「脱炭素」に向けた動きは、さらに加速しようとしている。脱炭素への確実な道のりとそのうえでのエネルギー安定供給の両立。三菱商事はエネルギートランスフォーメーションでその難問に挑む。


2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロへ──。脱炭素社会への取り組みが加速している。カーボンニュートラル実現には、排出割合の大きい「エネルギー起源CO2(燃料燃焼や熱の使用に伴って排出するCO2)」を段階的に減らすことが重要で、特に、エネルギーの低炭素化、脱炭素化推進は大きな課題だ。
 
その対応策として注目されるのが、風力、太陽光などを利用する「再生可能エネルギー(再エネ)」だ。安定的なエネルギー供給を長年担ってきた三菱商事は、将来の再エネ安定供給を目指し、国内外の企業の協力を得ながら再エネの大規模プロジェクトを進めている。

「再生可能エネルギー」の普及拡大へ


ここからは、三菱商事が目指す「エネルギーの未来」を3つの視点で俯瞰してみよう。

最初の視点は「再エネ」だ。

三菱商事は20年3月、オランダのエネコ社の株式80%を取得し、21年2月にはエネコ社が、新設する洋上風力発電の電力をAmazon欧州施設向けに売電する長期契約を締結した。エネコ社はオランダでは第3位の電力小売り事業者で、発電量の約6割を再エネが占める欧州を代表するクリーンエネルギー企業である。

同社がオランダの沖合で建設予定の洋上風力発電施設では、風車の羽根の大きさが直径200m超、高さは東京都庁舎(高さ243m)に匹敵する巨大な施設もある。欧州には北海油田の開発で培った海洋構築物建設のノウハウがあり、遠浅が続く海は洋上風力発電に最適で、近年、風力発電は有力な電源に成長してきた。

太陽光や風力等の再生エネルギー電源は永続的に利用することができ、また、発電するときにCO2を排出しないのが特徴だ。しかし、日本の再エネ比率は現在20%程度と低く、政府の参考値「50年に50〜60%」とは大きな開きがある。エネコ社で蓄積した三菱商事の知見を、日本をはじめとした各国で展開することへの期待値は大きい。

再エネには課題もある。天候や季節による発電量の変動が大きく、安定供給が難しいことだ。暮らしや企業活動に不可欠な電力。その安定供給を実現しながら、再エネ導入を推進するためには、変動を緩和して需給バランスを保つ「調整力」の確保が必要となる。

三菱商事は、エネコ社の技術力・ノウハウで、欧州、欧州域外での再エネ開発を加速させながら、既存の電源とのベストミックスで、エネルギー関連事業のポートフォリオを進化させ、経済価値、社会価値、環境価値の三価値同時実現による持続可能なエネルギー社会構築を見据え動き始めている。同社は、こうした取り組みを「エネルギートランスフォーメーション(EX)」と位置付け、エネルギー事業の改革と技術革新を通して、脱炭素社会への移行や地球環境保全といった社会課題の解決に貢献することを目指している。



世界初、「水素」の国際間輸送を実現


2つめの視点は「水素」だ。

工業用として水素の利用の歴史は長いが、近年はCO2を排出しない燃料として新たに期待が集まっている。水素は燃焼時に酸素と結びついて水になり、CO2や大気汚染物質を排出しない。燃料電池技術を使えば、水素から電気をつくることも可能だ。再エネの余剰電力を水素で蓄え、不足時に水素から電気を取り出して使う。これは前述の「再エネの調整力」としても有力な技術といえる。

日本は17年に世界に先駆けて「水素基本戦略」を発表したが、その後、各国が相次いで同様の戦略を打ち出し追い上げが激化している。今後は各企業が得意分野をもち寄り、より積極的に水素事業に関与することが求められるだろう。

三菱商事は、多様な産業の知見を組み合わせ水素事業を展開中だ。その大きな成果として、20年に世界初の「国際間水素輸送」を実現した。

水素の用途はさまざまで期待も大きいが、今後の普及には水素の生産、貯蔵、運搬、利用などの各段階での技術開発が求められる。三菱商事は「運搬」技術の確立を目指し、同社の関連会社・千代田化工建設などと共同で、ブルネイから大量の水素を運び込む国際間水素輸送の実証実験に挑戦。ブルネイ国内の未利用天然ガスからつくる水素をトルエンと結合させた液体(メチルシクロヘキサン)に変えて船で日本に運ぶ。日本へもち込んだ後に、メチルシクロヘキサンから水素を取り出すことで、既存設備を活用しながら、100t超の水素の生産・貯蔵に成功している。

水素事業は協業パートナー企業だけでなく、自社のさまざまな事業グループを横断する全社的なプロジェクトでもある。例えば同社石油・化学グループが扱うアンモニアは、水素密度、水素含有量がともに高く、生産・運搬・貯蔵などの技術が確立していることから、水素の輸送媒体としての利活用が期待されている。エネコ社では洋上風力発電の電力で水素をつくり、需給調整を図るという実証実験に着手する予定だ。三菱商事の「総合力」で水素エネルギーの技術革新と将来のバリューチェーンの構築に取り組んでいる。

「CCU」でCO2をリサイクル


製鉄やセメントなどは、業態の性質上、CO2排出を減らすことが難しいケースもある。ここで注目されている技術が「CCU(Carbon dioxide Capture and Utilization)」だ。これが3つめの視点である。

CCUとは排出したCO2を回収し、工業製品などの原料に使う仕組み。CO2削減ではなく回収して再利用する技術だ。三菱商事もこの技術に着目し、20年7月、富山大学や日本製鉄などと協力して、CO2からポリエステル繊維やペットボトルの原料となる「パラキシレン」を製造する技術の研究開発に着手した。工場で排出されるCO2と再エネで作られたグリーン水素を組み合わせたパラキシレンの製造が目標で、中長期的な視野で取り組みを進めている。

短期的な取り組みとしてはコンクリート産業でも事業を開始している。20年9月にはCO2をコンクリート原料に固定化する技術をもつ米ブループラネット社と協業開始を発表。一方、国内では鹿島建設、中国電力、デンカ、ランデスの4社が開発した製造工程でのCO2排出量が実質ゼロの無筋コンクリート「CO2-SUICOM」の事業展開に参加するなど、業種を超えた協業によって、CCUを促進する事業開発を進めている。



今回は再エネ、水素、CCUの3つのテーマで、三菱商事が目指すエネルギーの未来と、EXの取り組みをとらえた。脱炭素化は長期的に取り組むべき課題だが、全産業を俯瞰する総合力に基づいた構想力と実行力は、同社ならではの強みと言っていい。

エネルギーの安定供給という社会的使命を果たしながら、多様な産業での知見と技術革新で、三菱商事は脱炭素社会の実現に向け貢献していく。

▶三菱商事

Promoted by 三菱商事 text by Kazuo Hashiba│illustration by Naoya Takata│edit by Akio Takashiro

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