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新しいデータソースをインターオペラビリティやAIベースの診断と組み合わせることで、医療分野でのイノベーションは爆発的な勢いで進むでしょう。GETTY

2020年、医療機関はさまざまな対策を講じて危機に対処しました。それは同時に、未来へとつながる新たなテクノロジーとサービスの基盤作りでもありました。(本記事は米国版Forbesに掲載された、Google CloudのBrandVoiceコンテンツを転載したものです)


2020年は間違いなく困難に満ちた年であり、変化と学習のときでもありました。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)との戦いが世界中で繰り広げられ、医療機関はその最前線に立たされていました。2020年からの学びと2021年の展望について、Google Cloudの医療およびライフサイエンス部門を率いるJoe Milesが語ります。

1.「ニューノーマル」への道は平坦ではない


2021年には、「ニューノーマル」への動きがいよいよ本格化しますが、その道は平坦ではありません。

ワクチン接種の開始に伴い、政府機関と公衆衛生担当者は、ウイルス拡散防止のための戦略を調整しつつ、可能な限り従来どおりの社会生活が送れるようにすることを目指します。同時に社会全体では、長期間にわたる非常事態から生じる慢性的な疲労との戦いを続けなくてはなりません。

COVID-19ワクチンは先進の医療技術によりもたらされた大きな成果です。それが今や研究室を出て、輸送や運搬といった運用面での煩雑な課題を論ずる段階へと入りました。テクノロジーは、データの可視化やトラッキングなどでその運用を支えていくことになります。

しかし、荷物の遅配や紛失を経験したことのある人なら誰しも想像できるように、輸送や運搬に関する課題を解決することは容易ではありません。今後、テクノロジーを活用することでワクチンの輸送や運搬をいかに円滑に運用するかが、医療業界にとって現実的な課題となっていきます。

2.医療従事者のメンタルヘルスに対するサポートがより切実に求められる


医療従事者は長時間勤務、ストレス、困難な状況、COVID-19感染者への施療に伴う感情の揺れなどに常にさらされ続けているため、彼らのメンタルヘルスに対するサポートはすでに大きな課題となっています。最前線での勤務が1年以上続いているなかで、医療従事者が精神的にバランスを崩してしまうケースがますます顕在化してきました。ワクチンの配布が始まり、ついに希望の光が見えつつありますが、医療従事者の心のケアに力を注ぐことが重要であることに変わりはありません。

テクノロジーは、ケアを必要とする人とケア提供者を結ぶ強力な絆として、メンタルヘルスのサポートを受ける幅広い手段として、そして医療従事者の雑多な管理業務を自動化するツールとして、その役目を果たすことができます。自動化できる処理には、たとえば問診情報の収集や、構造化されていないデジタルテキスト(メタデータがなく、標準的なデータベース・フィールドに入力できない情報)のスキャンによる、診断に役立つ重要な所見のあぶりだしなどがあります。

医療現場の疲弊をテクノロジーによって解決すべく、Google Cloudは、医療従事者がメンタルヘルスのリソースを取得し、自身のメンタルヘルスの状況を記録し管理するためのHeroes Healthというアプリを、ノースカロライナ大学の研究者や臨床医と協力して開発しました。

3.オンライン診療やバーチャル診療の持続力やその価値が証明されれば、それを受け入れる形で規制も緩和される


今年はオンライン診療やバーチャル診療の価値が認められた年でした。2021年以降も、その動きが止まることはないでしょう。バーチャル診療は簡単かつ柔軟な方法で診察を受けられるので患者側の反応も良く、医療がより身近なものとなりました。Amwellの調査によると、2020年には一般消費者の22%、医療従事者の80%がバーチャル診療を受けました。2019年にはそれぞれ8%と22%だったので、大幅に利用者が増加していることがわかります。

こうした需要の高まりを受け、バーチャル診療のメリットを最大限に生かすことができるよう規制が緩和され始めています。この動きは今後も継続するでしょう。医療機関は今回のパンデミックで実装したソリューションを改善し、長期的にバーチャル診療を提供していく戦略を立てています。バーチャル診療は、デジタルヘルスへの入り口となっていくでしょう。

4.インターオペラビリティ(異なるものを組み合わせて使用する際に全体が正しく動作すること)が必須になる


COVID-19との戦いにおいては、医療分野におけるインターオペラビリティの重要性が明確になりました。個人用防護具の在庫状況やICUのベッドの空き状況、処置の効果の検証、ワクチンの大規模な接種の開始準備まで、システムをまたいだ情報共有はあらゆる場所で力を発揮しました。

2020年には、COVID-19対応のためにリソースや予算が制限されたことにより、インターオペラビリティに関する基礎的な取り組みの一部が後回しにされました。しかし、11月に行われた大統領選挙の結果、2021年には新しいエネルギー要件や指令が発布されると予想されるため、医療業界としてもこれ以上の引き延ばしはできないでしょう。

米国保健福祉省が定めたインターオペラビリティに関するルールを、医療機関やITベンダーが遵守するための猶予は、すでにその期限が見えてきています。セキュアかつ信頼性が高い方法でデータを使用してコンプライアンスを実現するためには、まず自組織のデータと保存場所の現状を把握し、それから標準化と統合の道筋を計画する必要があります。

関連情報:Cloud Healthcare APIを使用すると、Google Cloud上の医療アプリケーションやソリューションの間で、標準規格に沿ったデータ交換を簡単に行えます。詳細はこちらからご確認ください

5.ついに医療分野でもAIとMLが実用化される


医療機関がデジタル化に取り組んだそもそもの目的は、コスト削減だったかもしれません。しかし、2021年には、人工知能(AI)や機械学習(ML)を使って運用プロセスを改善し、管理作業を減らして患者との時間をより長く取れるようにする、注目すべきプロジェクトが数多く現れるでしょう。

また、プレシジョン・ケアにAIやMLを活用することで、新たな患者サービスの提供、診断の一貫性の向上、画像診断の技術的進歩などが可能となり、大きなコスト削減と患者満足度の向上を実現できます。実際、「AIを活用したテクノロジーにより、進歩的な病院ではあらゆる段階でまったく新しいケアを提供できるようになる」と米国病院協会(American Hospital Association)は述べています

6.新たなデータソースにより医療分野のイノベーションが爆発的に進む


消費者を対象として最近実施されたDeloitteの調査によると、テクノロジーを活用して自分の健康をモニタリングしている消費者が増えているだけでなく、有益な分析情報を提供していると思われるサービスに対しては積極的に自身のデータを提供する人も増加しています。消費者側での受け入れが進むにつれ、ますます多くの人がウェアラブル端末などのテクノロジーを使用して健康状態の測定や体調管理を行うようになっています。

2021年は、消費者向けウェアラブル端末のデータが、より正確な診断や治療方針の決定の参照情報として臨床現場で使用される年となります。医療機関は、患者の「非公式健康記録」からプライバシーを保護しつつ取得したデータを、ケアモデルで利用することになるはずです。

この新しいデータソースをインターオペラビリティやAIベースの診断と組み合わせることで、医療分野でのイノベーションが爆発的な勢いで進むでしょう。イノベーションは大企業からスタートアップ企業、研究組織、教育機関まで、あらゆるところから起こります。誰もが医療の未来の形成に携わることができるのです。

2021年は構築の年です。2020年をどのような年として振り返るかは、今後の私たちの行動次第です。


2020年、医療機関はさまざまな対策を講じて危機に立ち向かいました。意図的であれ無意識であれ、それは同時に、未来へとつながる新たなテクノロジーとサービスの基盤作りでもありました。2021年は、2020年に学んだ教訓から生まれた新しいアイデアを基にして、その基盤の上に新しいものを築き上げていく年になることでしょう。

2020年はすべての人になんらかの我慢や挑戦を強いる激動の年でした。2021年に私たちがしなくてはならないことは、以前の状況に戻ることではなく、これを足掛かりとして新たな未来を築くことです。未来の私たちは誇りを持ってこの時期を振り返り、重大な移行へのターニングポイントだったと言えるようになると、私は信じています。しかし、本当にそうなるかどうかは、これからの11か月を私たちがどのように過ごすかにかかっています。

レガシーシステム間で臨床データと運用データを統合し、より確実で効果的な意思決定を行えるようにしましょう。Google Cloudでできることをご覧ください


Joe Miles Google Cloud、Cloud Healthcareおよびライフサイエンス担当マネージングディレクター。2020年8月にGoogle Cloudへ入社後、健康保険会社、医療提供者、メーカー、卸売業者の各セグメントからなる医療およびライフサイエンス業界におけるGoogle Cloudの業界ソリューション戦略を担当している。顧客やパートナーと持続的かつ強力な関係を築きつつビジネス戦略を推進する、実績あるテクノロジー・リーダー。Google Cloud入社以前は17年間SAPに勤務し、直近ではグローバルヘルスサイエンス担当ゼネラルマネージャーを務めた。今後はGoogle CloudのAI、業界ソリューション、業界マーケティング、業界セールスの各チームと緊密に連携して、Google Cloudの医療およびライフサイエンス分野の顧客に向けたソリューションの調査と構築を行う。シカゴ近郊に在住。妻と2人の息子がいる。


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