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左より代表取締役CEO 原田哲郎、代表取締役COO(インキュベーション代表) 細野恭平、代表取締役COO(ビジネスプロデュース代表) 三宅孝之

創業20年の節目を迎え、ドリームインキュベータが、アフターコロナの世界へ向けて、トロイカ新体制で走り出した。新生DIは、これまでのすべての知見を融合してビジネスプロデューシングカンパニーとしてのプレゼンスを高めていく。


戦略コンサルティングとVC投資で一時代を築いたドリームインキュベータ(以下、DI)。2020年6月に発表された突然の世代交代に驚いた人も多いはずだ。

トロイカ体制の一角、代表取締役CEO/取締役会議長に就任した原田哲郎(以下、原田)は語る。

「DIは00年の誕生以来、創業メンバーが経営を担ってきました。ところが20年の間に社会や産業構造は大きく変化したのです。アフターコロナも見据えた未来を考えれば、さらなる社会の激変が起こることは確実です。DIも新時代に向けて生まれ変わらなければならない。2年前から準備を始めたうえで、この体制変革に踏み切りました」

原田自身は海上自衛隊出身。カリフォルニア大学でMBAを取得し、米国公認会計士の資格ももつ異色の経歴のもち主だ。

もう一角を占めるのは代表取締役COO/ビジネスプロデュース代表を務める三宅孝之(以下、三宅)。生粋の理系で研究者として大学に残る可能性を蹴り、「ビジネスを始めるため、3年で辞めます」と豪語して通産省に飛び込んだ。

「霞ヶ関では200本以上の法案に触れました。どのようにすれば法律を改正し、国を動かせるか、ノウハウは体に染み込んでいます」

最後の一角は、国際協力銀行で途上国支援・インフラ整備などを手がけ、世界情勢に明るい代表取締役COO/インキュベーション代表の細野恭平(以下、細野)である。

「グローバルな視点で見ると、これまでの経済システムが限界にきていると思わずにはいられません。1%の富豪が99%の富をもつ現実、地球温暖化の加速、保護主義の台頭……、これらの課題すべては、自己利益の最大化を目的とする従来の資本主義に代わる、"新しい経済エンジン"を世界が求めている証拠なのではないでしょうか」

グローバルでインキュベートすべき企業を見つけ出す細野、大きな絵を描いて政府を動かす三宅、アクセルとブレーキを使い分けて新たなエコシステムをまとめ上げる原田。それぞれ専門性もキャリアもまったく異なる3人だが、共通するのは、公的機関を出自とすること。目先の利益よりも社会課題の解決に情熱を燃やす彼らだからこそ、自然なかたちで手を組めたのだという。

ビジネスプロデュースの必要性


「長い間日本を支えてきたものづくり中心による成功モデルは、もはや成り立ちません。やるべきことをやる、そんな時代は終わってしまったのです。私たちのミッションは『社会を変える事業を創る。』ことなのですが、産業構造もまた社会。変えなくてはならない時期にきたのです」(原田)

そんなDIが掲げたビジョンは「挑戦者が一番会いたい人になる。」だ。その意味を三宅が説明してくれた。

「社会を変えるために必要なのは、挑戦者です。柔軟な発想で挑み続ける人々。そうした人は経営者にもいますが、若手社員やベンチャー、政府内にもいるのです。DIはそんな彼らの力になりたいのです」

そのためにはいままでコンサルティングやベンチャー投資で培ってきた知見、スキル、ネットワークをすべて使うと三宅は言う。「介護やインフラ整備など、地方自治体が抱える問題もまた、“自治体は先行投資できない”という構造的な障害で、各地で立ちゆかなくなっています。

しかしDIなら、そうした問題に対してもソリューションを提示できる。英国を中心に広がりつつある、社会的メリットを主眼とするソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)の仕組みの活用です。

例えば現在、豊田市や前橋市の公共事業を官民連携で行おうとしています。その事業遂行自体は民間企業が実施するのですが、そのために必要な費用をDIが自治体の代わりにリスクを取って資金調達して供給し、事業が成功した場合の価値を収益として受け取るという、新しいエコサイクルを構築しようとしています」

このSIB活用スキームの設計は、日本政策投資銀行(DBJ)と協働しながら、持続的な社会課題解決のための新しい事業創造手段のひとつとして検討を進めているという。

さらにSIBの可能性は日本に限らない。「国際協力機構(JICA)と連動して、アジアの新興国向けインパクト投資ファンドを組成し、日本のテクノロジーや民間資金が、アジアの社会課題を解決する仕組みをつくりたいですね。インパクト投資をきっかけに、ずっと変わらない日本の政府開発援助(ODA)の仕組みを見直す機会にしたいです」(細野)

オン・アセットで加速する未来


これまで、DIは、大企業を相手にした「戦略コンサルティング事業」、ベンチャーに投資する「インキュベーション事業」、ハンズオンで事業を支援する「事業投資」の3本の柱で動いていた。今回の新体制で、3本柱はそれぞれのリソースをより活用しやすいように統合され、新たに、ビジネスプロデュース分野とインキュベーション分野にくくり直された。それらはどのように機能するのだろうか。

「ビジネスプロデュース分野は、インキュベーション分野と重なり合うものであり、融合していくものです」(原田)



この融合だけでも画期的だと思うのだが、DIはその先にすでに見えている未来があるようだ。

「それがビジネスプロデュース・オン・アセット。大企業、政府、自治体、ベンチャー、メガバンクすべてをつなぐハブであると同時に、資金を投じ、リスクを引き受けることでDIもまたエコサイクルを構築する重要な一部となるのです」(三宅)

もはやDIは戦略コンサルティングの領域から大きく踏み出し、社会課題の解決とともに世界経済をポジティブな方向へと加速させるための新たな経済エンジンを生み出したと言えるだろう。

「ビジネスプロデュースは、ひいては新しい産業のかたちを生み出します。そこに障害があり、たとえそれが業界の枠組みであったり、法制であったとしても、現状に適したかたちに変換されねばなりません。ゲームチェンジはすでに行われているのです。その変換を加速させる、それが未来に対してDIができることなのです」(原田)

ドリームインキュベータ
https://www.dreamincubator.co.jp/



原田哲郎◎カリフォルニア大学バークレー校にてMBA取得。海上自衛隊、日本生命保険相互会社を経て、DIに参加。2020年、代表取締役CEO(取締役会議長)に。


三宅孝之◎京都大学大学院工学研究科応用システム科学専攻、通商産業省(現経済産業省)、A.T.カーニーを経て、DIに参加。代表取締役COO(ビジネスプロデュース代表)に。



細野恭平◎東京大学文学部卒業、ロシア留学、米国ミシガン大学公共政策学でMPAを取得、国際協力銀行を経て、DIに参加。代表取締役COO(インキュベーション代表)に。


Promoted by ドリームインキュベータ / text by Ryoichi Shimizu / photograph by Shuji Goto / edit by Akio Takashiro

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