・地域社会で新型コロナウイルス感染症対策を行う場合、高齢者の感染リスクを考慮することが必要。
・常用している治療薬やその他の必需品を十分に蓄えておき、衛生状態を保つなど、高齢者を含め誰もができる対策をとる。
・多世代で暮らす家庭や介護提供者は、さらに計画が必要。
新型コロナウイルスの震源地となった中国のデータは、高齢者や慢性疾患を持つ人は新型コロナウイルス感染症が重症化するリスクが高いことを示しています。地域社会における感染拡大の懸念が世界中に広がっていますが、そうした潜在リスクが明らかになったことで、多くの高齢者と家族の間で不安が広がり、解決策が求められています。
年齢など特定のリスク要因をコントロールする手段はなく、答えは見つからないままです。それでも、私達自身や家族、地域社会を守るために準備できることはたくさんあります。
世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルス専用サイトを開設しています。自国の公共保健機関のウェブサイトも参考にする必要があります。米国では、新たに発生する健康に関する脅威を究明し、対応にあたる連邦機関、米国の疾病予防管理センター(CDC)が、「新型コロナウイルス感染症で重症化するリスクがある人」向けのガイダンスを公表しています。
状況は国によって異なるため、自国の主な公共保健機関の情報を確認することは非常に有益で、参考になります。一方、以下に述べるような、特に高齢者向けの新型コロナウイルス関連の重要な情報にも、目を通しておく必要があります。
リスクを正しく理解する
新型コロナウイルス感染に備えて地域社会で計画を立てる場合、高齢者と、基礎疾患により免疫が低下している人の感染リスクを考慮しなければなりません。これらの人たちは、新型コロナウイルスへの感染が重症化するリスクが高く、死に至るケースもあります。
なぜ高齢の患者の方が新型コロナウイルス感染症の症状が重くなるのか。その理由は明確にはなっていませんが、加齢により徐々に免疫力が低下することで、体が疾患や感染を撃退するのが難しくなることが一因とみられます。
慢性疾患は、病気に対する身体の対応力と回復力を弱めることがありますが、高齢者の場合、そうした慢性疾患を持つ人がより多い傾向にあります。ウイルス感染を重症化させ得るリスク要因のひとつに高齢(65歳以上)であることが挙げられても、これにリスクが限定されるわけではありません。
慢性的な基礎疾患、例えば、肺疾患、癌、心不全、脳血管疾患、腎疾患、肝疾患、糖尿病、免疫不全状態なども、リスク要因になります。
米国疾病予防管理センター(CDC)の現在のガイダンスでは、60歳以上の人と慢性疾患を持つ人に対し、できるだけ人混みを避けるよう求めています。新型コロナウイルスが地域で流行している間は、可能なかぎり自宅で過ごすことが必要です。
新型コロナウイルス感染に伴うリスクは、高齢者が最も高くなっています。(イメージ: Statista)