投資信託において、女性力に注目したファンドといえば、進取の精神と息の長さで業界を牽引してきたインベスコの「株小町」。その運用に携わる女性リーダーたちが集結し、商品への想いと「女性の活躍」に対する本音を語ってくれた。
「インベスコ 女性力フォーカス日本株式ファンド(愛称:株小町)」の販売が開始されたのは、2006年の2月。社会で活躍する女性が少しずつ増えるなか、その変化が日本社会の発展につながることをいち早く察知し、以来、長期的な視点に立ちながら、「女性の活躍によって、企業の中長期的な企業価値向上が期待できる会社に投資する」という運用哲学を貫いてきた。働き方改革などを通して、いまや女性の活躍は企業成長の大きな柱に位置付けられる。しかし、「株小町」の道のりは、ある意味、忍耐も必要だったようだ。長く継続できた理由を、リテール営業本部長・飯森かおり(以下、飯森)は次のように話す。
「ファンドの設定当初は500億円以上が集まり注目を浴びました。しかし、インターネット企業への注目やその後のリーマンショックなどもあり、女性力という考え方は理解されるものの、すぐには儲からないのでは?という思いをもつ人もおり、残高は減少しました。それでも、我々は独立系の運用会社として、“将来を見据えて投資する”という考えを強くもち続けてきました。本社CEOのマーティン・フラナガンともよく話し合い、世の中をリードしていくマーケットリーダーになるためには投資しておかなくてはいけない分野である。その思いを、会社全体で共有してきたというのが我々の強みだと思います」
「普通」を続けたら、「環境」は育つ 今回集った5人は、運用から販売までの各プロセスにおけるリーダーとして活躍。「株小町」もこのブレーンを中心に展開されている。絵に描いたようなシチュエーションに、女性が活躍しやすい環境があったのか?と尋ねると、答えは、ノー。「普通にやるべきことを、きちんと普通に続けていた結果、たまたまこの5人がリーダーに就いたということです」と飯森は明快に話す。ポートフォリオ・マネジャーの竹内織絵(以下、竹内)も、「意識的に要職に女性を増やそうとしたわけではありません。適材適所で考えていった結果」と口を揃える。
外資系企業ということで、もともと男性・女性に対する偏見や先入観が少ないという前提はあるものの、女性活躍推進法など外的強制力を飛び越えて、最終的な理想形態が存在するのは同社ならではの魅力だ。 仕事のやり甲斐も大きく、豊富なキャリアをもつ多様な人材が揃うのも特徴だ。外資系トレーダーとして実績を積んできた大江久美子は、日本で日本株にコミットしている点に惹かれて入社を決めた。
「運用者とトレーダーが密に連携しながら、日々刻々と変わるマーケットに接して戦略を考えるそのプロセスが醍醐味」と冷静な面持ちで語る。
また、アナリストでもある古布薫(以下、古布)は、日本の成長戦略のひとつでもあるコーポレートガバナンス改革、スチュワードシップ活動を東京で推進する重要なポジションを担う。
「少数精鋭は外資系の身上。スモールチームでみんながオーナーシップをもち、強いチーム力で仕事ができるのが魅力」と言う。
そして、「一人ひとりの裁量が大きく、やる気があれば、いろんなことにチャレンジできる」と話すのが、リテール・マーケティング部長の青木久乃(以下、青木)。 そのプレッシャーを楽しみつつ、運用会社の立場からの社会貢献を目指している。
このように仕事に邁進する5人だがプライベートについて聞くと、古布はアイスホッケーチームに所属するふたりの子どものホッケーママとして、週末はリンクで過ごす。子育てや家事については、「主人のほうが得意です。私は何もやっていません」と屈託なく話す。
一方、竹内は、子どもとの時間も大事にしたいという考えから、ワーク・ライフ・バランスを実践する。
「運用には、さまざまな情報に接し多様な視点をもつことが重要です。子育てを通じてコミュニティや視野が広がり、そこから新たな情報も得られます。私が思うに、女性の活躍の最大のメリットは、考え方の多様性を取り入れられることではないかと。多様性を互いに理解し合い、多様なアイデアをもち寄り、個人と企業のパフォーマンスを最大化させる。それが社会に広がることで日本の発展にもつながっていくと考えています」(竹内)
「女性活躍で大事なのが、周囲の理解ですね。当社にはインベスコウーマンズネットワークというグローバルな組織がありますが、日本にはシッターさんやナニーさんの文化がないなかで、子もちも多いので、新たに日本発でワーキングマザーネットワークもつくりました。私自身は、実母、夫と3人でシフトを組み、子育てと仕事の両立を図っています。自己責任のもとで、きちんとその人の強みを生かして活躍していれば、おのずと周囲の理解は得られますが、さらに一歩進んで、具体的な意思表示をすることで働きやすい環境を育むことも、女性の活躍には必要なことだと感じています」(飯森)
人生100年時代の多様性に備える マーケティングと営業という立場上、常日ごろから意見交換を絶やさないという青木と飯森の、目下最大のテーマは、人生100年時代に備えた商品企画とマーケティング戦略。
「健康寿命が延び、生き方が多様化して選択肢が増えていくなかで、お金が理由で理想のチョイスができないというのは非常にもったいない話。これからはもっとポジティブに、かつ習慣的にお金の備えをしていただけるようなご提案を心がけることで日本の資産形成を拡大していかなければなりません」(青木)
日本人は投資に対してすごく慎重だが、投資マインドはある。肝心なのは、誰に向けてどんな情報を届けるかということ。 「投資信託は、これまでおもに男性目線でマーケティングされてきましたが、購入する消費者の方々が男性とは限りません。多様な社会に合わせたマーケティングがあってもよいということで、人生100年時代にふさわしいさまざまなアプローチを練っているところです」(飯森)
真のダイバーシティを実践する女性力が、新たなイノベーションを起こす。インベスコの今後の展開から目が離せない。
青木久乃◎マーケティング本部 リテール・マーケティング部長。女性目線を取り入れた、理解されやすいプロモーション資料を開発。
大江久美子◎管理本部 トレーディング部長。外資系トレーダーとしての豊富なキャリアを駆使し、業務に邁進する日々。
竹内織絵◎ポートフォリオ・マネジャー。2003年入社。女性力に注目するファンドの運用を担当し、女性活躍の重要性を日々実感している。
飯森かおり◎リテール営業本部長。2児のママでありながら、リテール営業部隊を率いる。昨年、日本発でワーキングマザーの会を設立。
古布薫◎日本株式運用部 コーポレートガバナンスオフィサー/リサーチアナリスト。グローバルチームと連携しつつ、日本のESGをリードしている。
ホームページ:
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