憧れだったアルファ ロメオ。デザインの美しさに一目惚れ
社会人になって30年あまり。50代となり、会社では責任ある立場となった。妻も働き続けている。子どもたちは親元を巣立ったけど、私たち夫婦はまだまだ仕事に忙しく、それぞれが充実した毎日を過ごしている。ただ、結婚した時のような“2人の時間”を過ごす機会はそれほど多くない。
そこで、クルマを買い換えることにした。ずっと家族のためにクルマ選びをしてきたから、子どもが独り立ちした今こそ、自分と妻のためにクルマ選びをしたいと思ったからだ。前からずっと乗りたかったのは「アルファ ロメオ」。カーマニアというほどではない私程度のクルマ好きでも知っているイタリア車だ。
私は若い頃から、高級感のあるクルマが好きだった。でも、今までイタリア車は買ったことがなかった。アルファ ロメオの情報を調べていると、新型車で「ステルヴィオ」が登場したばかりだという。しかもこのステルヴィオは、アルファ ロメオ初のSUVなんだとか。期待が膨らむ。
初めて見た時、デザインの美しさに一目惚れした。アルファ ロメオといえばフロントが特徴的だが、そこからブランドのプライドすら感じられる。ボディ全体のスタイリングは、他のSUVとは一味違ったデザイン。緻密なようでいて実はシンプルという、アルファ ロメオらしい美しさをアピールしているようにも見える。凝りに凝ったデザインにするのではなく、自己流の毅然とした態度でいるのだから、カッコいいじゃないか。
この見ているだけで運転したくなるクルマが、ついにこの週末、納車となった。そして、さっそく夫婦でショートトリップへ行くことに決めた。妻に「たまには2人だけの1日を過ごそう」なんて誘うのは、ちょっと恥ずかしいことだと思っていたけど、ステルヴィオが納車される高揚感も相まって、すんなり言えた。さて、ステルヴィオは期待するようなエキサイティングなドライブが楽しめるクルマなのだろうか。
行き先は軽井沢に決めた。スマホを接続すれば、スマホ内のナビアプリがそのまま使用できる仕様になっている。家でスマホで行き先を登録し、クルマに乗りこんだらすぐにドライブを開始できるスマートさには驚かされた。
私が選んだステルヴィオのインテリアは、ブラックとレッドのツートーンだ。包まれ感のあるレザーシートに腰掛け、ハンドルを握る。目の前には2眼式のメーターがあり、スポーティさを感じさせる。正面のインパネからサイドのドアパネルにいたるまで手触りがよく、高級車なんだと実感させられる。外観のエネルギッシュな雰囲気に対して、室内の静寂が
広がるような空気感が心地いい。
室内スペースは、想像していた以上に広くて驚いた。そして、家族が数日間旅行する程度の荷物なら十分収納できるだけの大きな荷室。電動式のテールゲートが標準装備されたラゲッジルームへ荷物を収納すると、もったいないくらい広いなと感じた。
帰りにたくさんお土産を買わなきゃいけないな……などと考えながら、準備ができたところで、ハンドルに配置されたイグニッションボタンを押して、2リッターのターボエンジンに火を入れた。想像していたより低く、心地よい排気音。実はこういうのが一番クールだってことが、この年齢になってわかってきた。
しばらくその鼓動に身体を任せていると、妻が「どうしたの?」と話しかけてくる。ここはミラノかと錯覚してしまうと言ったら少し言い過ぎかもしれないが、エンジンの鼓動だけで楽し過ぎて、思わず夢中になってしまった。
ボディサイズが大きいクルマなので走り出しは慎重に、と思っていたが、あんがい取り回しがいい。着座位置やアイポイントが高いから、ボディ全体の感覚がつかみやすい。一般道もほどほどに、すぐに高速道路に入る。カタログを見ると「最高出力280馬力」と書いていたが、重いはずのボディをいともたやすく運んでくれるほど力があふれている。力があるということは、無理のない走りができるということ。高速走行中も安定していて快適だ。独自の4WDシステム「Q4」が搭載されているからか、まるで路面に吸い付いているように走れる。
車内空間は想像以上に落ち着ける。harman/kardon社製のサウンドシステムを搭載していて、私たち夫婦の思い出の曲を高音質で流すことで、昔話も弾む。
軽井沢インターを降りたところでパワーウインドウを開けると、澄んだ空気が流れ込んできた。多くの人がここに別荘を持ちたいという気持ちになるのもよくわかる。ワインディングロードを走り、軽井沢の中心へ向かう。都会とは違う空気がドライビングに集中させてくれた。ハンドルを切れば思いのままに車体の向きを俊敏に曲げることができる。大型車なのに、とにかくよく曲がる。気がつくと「おーっ」と、声にならない声が出て、妻はキョトンとこちらを見ている。まるでクルマと身体が一体になったかのような感覚で、走るほどにたくさんのインスピレーションを感じられる。贅沢な運転時間だ。
SUVらしく、着座位置や目線は明らかに高いが、背の高いクルマにありがちなコーナリング中の不安感がまったくない。気持ちを高めてくれる排気音も、地味ながら確実に響いている。まるで美しい山々の風景とクルマが溶け合っているような心地よさだ。
そういえば、購入時にディーラーから聞いた話だが、「ステルヴィオ」という車名は、イタリア北部のアルプスにある同名のワインディングロード・ステルヴィオ峠から取られたのだとか。なるほど。
人でにぎわう軽井沢銀座に到着する。ここでは商店街のなかをクルマで走り抜けることが可能だ。ステルヴィオをゆっくりと走らせ、街中を抜けていくと、なんだか視線を感じる。どうやら、通行人たちがステルヴィオを眺めているようだ。自分はそれほど承認欲求があるほうではないと思っていたが、やはり愛車が注目されるというのは悪くない。ちょっと誇らしくなる。見てくれている人たちに、ステルヴィオの薀蓄を語りたいという衝動を抑えつつ、軽井沢銀座で目的の店を探す。
すべての要素にイノベーティブがひしめきあっている
気がつけば夕暮れ時だ。1日、しっかりと軽井沢を満喫することができた。今日買ったものすべてを荷室に積み込み、家路につく。日帰りのドライブがこんなにも面白いとは思わなかった。まだ家に到着してはいないものの、ステルヴィオが本当にいいクルマだと実感させられた。私はこれまで、それほど多くのクルマに乗ってきたわけではない。たぶん人並みだろう。それでも感じられる他のクルマとの違い。これはアルファ ロメオの歴史が感じさせるものか、それともステルヴィオ自体の魅力そのものなのか……。
高速走行時の快適さやコーナリング走行時の高揚感など、ドライビングが楽しいことはもちろん、デザインを含めたすべての要素にイノベーティブがひしめきあっている。ブランド性や個性の強烈さを考えると、万人があらゆることを投影できるようなクルマではないかもしれない。しかし、「他の人と同じクルマに乗りたくない」と考える私のような人間が惚れるダンディズムが、このステルヴィオにある。
気がつくと妻が助手席で寝息を立てていた。それだけ快適なのだろう。そして、私の運転を信用しきっているのか、それともステルヴィオの安全装備に安心しきっているのか。どちらにしても、ステルヴィオのスポーティなヴァイブレーションが、今回の旅で疲労した妻の身体を優しく穏やかに包みこみ、寝心地を高めているのかも。
いや、今は運転に集中しよう。大切なのは、この快適な車内に2人でいられるということ。仕事は忙しく、2人の時間を合わせるのは難しい。それでも、また来たい。そう思わせる魅力がステルヴィオには詰まっていた。
【価格】
・ステルヴィオ 2.0 TURBO Q4スポーツパッケージ ■全国メーカー希望小売価格6,910,000円(税抜価格 6,398,149円) ■リサイクル料金18,530円
・ステルヴィオ 2.0 TURBO Q4ラグジュアリーパッケージ ■全国メーカー希望小売価格6,910,000円(税抜価格 6,398,149円) ■リサイクル料金18,530円
・ステルヴィオ 2.0 TURBO Q4(受注生産) ■全国メーカー希望小売価格6,550,000円(税抜価格 6,064,815円) ■リサイクル料金18,530円
※価格は、2018年10月1日現在の全国メーカー希望小売価格(含む消費税)です。税金(消費税を除く)、登録諸費用、保険料等は含まれておりません。 販売価格につきましては、アルファ ロメオ正規ディーラーにお問い合わせください。価格および主要諸元・仕様等は、予告なく変更される場合があります。
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text by Nobuya Ando | photograph by Yoshitada Moro | edit by Kazuhiko Kuze | design by Naoya Takata
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