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いい意味で、“記者泣かせ”である。マクラーレン史上最強のモデルである「セナ」が5月に日本に上陸したばかりだというのに、7月にはもう次のニューモデル「600LT」が日本で披露された。これほど矢継ぎ早に新車を発表するなど、かつてあっただろうか? なぜ、創設からわずか7年ほどの企業がこうも矢継ぎ早に新車を発表できるのだろうか?


東京・芝の増上寺で行われた「セナ」発表会。マクラーレンが“セナ”と名付けたクルマは、日本の自動車愛好者にとっても大いに興味をひかれるニュース。実車をひと目見るべく、多くのメディアが参集した。

マクラーレンは、3月にスイス・ジュネーブで開催された国際モーターショーで最上級クラスと位置づける「アルティメット・シリーズ」を代表するモデルとして「セナ」を発表した。そのわずか2カ月後には、このクルマが早々に日本の地を踏み、東京・増上寺でお披露目されたスピード感は異例中の異例だ。



伝説のドライバー、アイルトン・セナ

ここで「セナ」について、座学を少々。この「セナ」は、世界最高峰のレース「F1」において、1988〜91年にかけてマクラーレン・ホンダのドライバーとして3度のワールドチャンピオンを獲得した名ドライバーである故アイルトン・セナの名を冠したロードゴーイングカーだ。マクラーレンとセナの組み合わせというだけで、オーバー・フォーティーズには“胸熱”の車名だろう。

いかにF1における勝利常連チームであるマクラーレンであっても、年間を通してのワールドチャンピオンを立て続けに獲得することは難しく、このアイルトン・セナの偉業はマクラーレンの歴史における金字塔だ。つまり、マクラーレンにとっても、ファンにとっても、「セナ」の名を冠することは特別であり、生半可なクルマであることは許されない。


(左)セナの母国であるブラジル国旗を模したカラーリングのヘルメットは、自動車レースに詳しくない若年層にも広く知られているアイコン。(右)レースの締めくくりである表彰台でのシャンパンファイト。ときにレースで全力を使い果たしたセナはシャンパンを持つことすらままならないこともあったがその姿が日本人の心を打った。写真は93年FI日本グランプリでのもの。

究極のマクラーレンだからこそ、セナと呼ぶ

「究極のレーシングカーを作ることを目指したとき、自ずと、マクラーレンの歴史に名を刻んだ名ドライバーであるアイルトン・セナの名が浮かんできました。最強のエンジンを搭載した史上最強のマクラーレンであり、サーキットで十分なパフォーマンスを発揮するにもかかわらず、街中でも快適に走れる側面も備えています」と、マクラーレン・オートモーティブのアジアパシフィックマネージングディレクターであるジョージ・ビッグスはいう。


マクラーレン・オートモーティブ アジア パシフィック マネージングディレクター、ジョージ・ビッグス。「限定500台のうち一部は日本でも売れました。あるお客様は“必ず路上で運転する”とおっしゃっていたので、日本でも運の良いかたは路上で“セナ”が走る姿を見ることができますよ」と笑顔で語った。

世界限定生産500台、価格は1億円。限られた人のために作られたモデルということが理解できるが、注目すべきはやはりそのパフォーマンスの高さにある。開発にあたっては「サーキットで最高のパフォーマンスを発揮するロードゴーイング・カー」を目指した。実際、スペックを聞くだけでも胸が高鳴る。

F1での知見を生かして開発されたカーボン複合材で作られたボディは非常に軽量で、乾燥重量はわずか1395kg。4.0リッターV8ツインターボ・ユニットは最高出力800ps、最大トルク800Nmを生み出す。0-100km/h加速はわずか2.8秒。最高速は340km/hに達する。さらに、カーボンセラミック製ブレーキや、F1の世界で培った知見から独自に開発されたレースアクティブ・シャシー・コントロール……、特筆すべき点だけですら枚挙にいとまがない。

わずか2カ月で次なる新車をお披露目

そんなスーパースポーツカーのお披露目からわずか2カ月後に、マクラーレンはまた新たなモデルを日本でローンチするというのだから驚くしかない。

7月上旬にイギリス・グッドウッド・スピード・オブ・フェスティバルで世界初公開されたばかりの「スポーツ・シリーズ」の最新モデルとなる「600LT」。同じ月のうちに日本デビューを果たすのは異例の早さだ。


斜め前方に跳ね上がる形式のディへドラルドア、個性あふれるスパルタンなリアのスタイリング。固定式のリアウイングやサイドシル、リップスポイラーなどの空力パーツを剥き身で備える、速く走ることを追求したクルマだ。

マクラーレンのモデルラインナップは、「セナ」が属する最上級の「アルティメット・シリーズ」に加えて、主軸のスーパー・スポーツカーである「スーパー・シリーズ」、エントリーを担う「スポーツ・シリーズ」の3つのセグメントに分かれている。「600LT」はスポーツ・シリーズに属するとはいえ、マクラーレン伝統の「LT(ロングテール)」の頭文字を配するだけに、期待値は当然高まる。時計の針を戻すと、マクラーレンのロングテールの歴史は1997年に登場した「F1 GTR」まで遡る。独特のテールの長いスタイリングを持ち、世界最高峰の耐久レースといわれるル・マン24時間耐久レースにおいてみごとに1-2フィニッシュでクラス優勝を遂げたのだ。

GTレースでも強かったマクラーレン

マクラーレンの歴史といえば、F1に代表されるフォーミュラが主戦場という印象だが、より公道を走るスポーツカーに近いGTレースの世界でも金字塔を打ち立てていたこともぜひ知っておいていただきたい。このたび登場した「600LT」はマクラーレン史上第4のロングテールモデルとなる。

この「600LT」のスタイリングで真っ先に目を引くのは、その名の由来となったリアウイングの存在だ。カーボン複合材のエアロパーツ類を採用したこともあって、エントリーモデルである「570S」をベースにしてはいるものの、大幅な軽量化に成功した。レーシングカーのようにエンジン直近から後方へ排気を行う「トップエグジット」を採用しており、最高出力600ps/最大トルク620Nmを叩き出す。0-200km/h加速は8.2秒と、フェラーリ「400GTB」と比べても速いと謳う。




大きなリアウイングの中心近くに見える、エンジン近くからの排気口が特徴。リップスポイラーや巨大なブレーキ、小径のステアリングなど、そのままサーキットを速く走れるパーツが醸し出す精悍さが「600LT」にはみなぎっている。

「日本はマクラーレンにとって世界で上位から3番目に位置づけられるほど、重要な市場です。今回の発表にあたっても、アジア・パシフィックの中で最も早く実車を皆様にお見せすることができました。これだけのスピードで新車を発表するというのは、従来の自動車メーカーのやり方では考えられません。元々がレーシングコンストラクターゆえに組織がリーンに機能しており、PDCAを回す速度が格段に速いのです。実際、英国本社にある開発センターに行くと、まるでITスタートアップのような雰囲気です。開発陣が集まってはミーティングをして、さっと散って自分の仕事に取り掛かる、そんな速度感で仕事をしています」と、マクラーレン・オートモーティブ アジア 日本代表 正本嘉宏は語る。

マクラーレンの真髄である走りの体験を提供

製品開発のスピードだけではなく、「顧客体験」にも重きを置いているという点も、いまどきのスタートアップ企業のマーケティング戦略を彷彿とさせる。


マクラーレン・オートモーティブ アジア 日本代表 正本嘉宏。自動車業界において30年の経験をもち、マーケティング、セールスの要職を歴任。2018年8月より現職。「日本におけるマクラーレンブランドの高い認知と存在感というこれまでに培ってきたものを活かしていく」と語る。

「『顧客と視線を同じにしたい』とCEOであるマイク・フルーウィットが言う通り、顧客もマクラーレン・ファミリーの一員です。われわれは製品を楽しむ場を提供し、顧客とともに我々も楽しむことで、相互に作用する新しい関係を作っていこうと考えています。実際、世界中で特別な体験を提供するイベントを行っており、日本から海外のサーキット走行イベントに参加する方もいらっしゃいます。マクラーレンが提供する走りの体験を軸に、クルマを走らせることから広がる世界観を提供していきます」(正本氏)

ただクルマを作るだけのメーカーではなく、レーシングコンストラクターという視点から、驚くほどのスピードでスーパー・スポーツカーを開発し続ける。それを繰り返すと同時に、メーカーと顧客という壁を取り払って、フラットで同じ目線でカスタマーエクスペリエスを共有し、再び、その視点を開発に活かす。超高速でPDCAを回してゆくITスタートアップのようなスタイルだが、その姿勢こそが、わずか7年という短期間でマクラーレン・オートモーティブとして独自のスーパー・スポーツカー・ブランドを構築してきたのだ。


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Promoted by マクラーレン・オートモーティブ 文=川端由美 編集=青山鼓

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