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2018.06.25

水素吸入とマインドフルネス。そのふたつに共通するものとは?

(写真左から)竹原タカシ アクアバンク代表取締役 矢田幸博 筑波大学大学院教授

似非科学として語られがちな“水素水”。しかし水素に関して結論を出すにはまだ早いというのが真相だという。アクアバンク代表取締役・竹原タカシと筑波大学大学院教授・矢田幸博がその可能性について対話する。


マインドフルネスと水素の関係とは?

竹原タカシ(以下、竹原):現代は、昔にはなかったストレスであふれています。多くのビジネスパーソンがIT環境の発達で処理しきれない情報に、日々晒されています。それに対しいろいろと調べた結果、水素吸入が役に立つのではと考えたのですが、世間では色眼鏡で見られてしまう。そこで矢田教授の研究室の門を叩いたわけです。

矢田幸博(以下、矢田):ちょうど私も、現代社会で慢性疲労に苦しんでいる人の増加が気になって研究を進めていたところでした。そしてその“取れない疲れ”は、身体の疲れというよりも脳の疲労ではないかと。身体が疲れているかどうかは脳が判断するわけですが、その脳自体が疲れてしまっているのではないかと考えたのです。

竹原氏が“水素が人体に好影響を与える”という持論をもって訪れた2年前も、一応検証はしてみるが、その結果次第だとはっきり申し上げました。何の有意な結果も出なければ、そこですべてストップだと。

ただ水素が人体に与える影響に関する研究は、世界中で数多くの論文が発表されているホットなトピックスだったことは確かです。日本でも心臓発作時のAED(自動体外式除細動器)による蘇生を受けた人の脳機能後遺症の防止に役立つと、厚生労働省が水素ガス吸入治療法を先進医療Bとして認めたというニュースがあったタイミングでしたので、興味は引かれました。

実際に水素が生体に与える影響は、世界的にも動物実験で確かに効果は認められてます。しかし私としては、モルモットと人間は違うと言いたい。そのまま人間に効果があると判断するのは飛躍し過ぎている。

ただ人間に対するどんな影響があるのかという研究が未開拓なのも確かでした。これを私は“評価軸を変える”と表現します。モルモットでの実験を人間での検証に切り替えるのもそうですが、人間ならではの瞳孔の収縮具合を観察したり、指先にセンサーをつけて温度を測るといったように、全体的に評価の基となるデータ自体の採取の方法を変更するのです。

そして実際に検証してみると、明らかに人体に何らかの影響を与えていることがわかりました。指先が温かくなり、瞳孔が収縮する。つまり副交感神経が優位な状態になるのです。現代人は、心拍数が上がりストレスを感じる交感神経優位の状況にばかり晒されている。リラックス時の副交感神経優位の状態でないと、人体は本来備わっている修復能力を発揮できません。そんなわけで、水素が人体をリラックス状態に導くことはわかりました。さらに、人間はリラックス状態になると、通常はボーッとしてしまうものなのですが、水素によってそうした状態になった場合には身体が鎮静化しているのに、脳活動は活発化していたのです。これはいままでにない現象で、大いに研究心が刺激されました。

竹原:その状態によく似ているのが、いわゆる近年ブームを呼んでいるマインドフルネスや瞑想時の状態です。脳は活性化しているのに体は完全にくつろいでいる。特別なレッスンや修行をしなくても、そうした境地に入れるというのは非常に魅力的ではないかと。

脳の疲れは休んでも解消されない

矢田:頭をたくさん使ったから、休日はゴロゴロと寝て過ごそう。そう考える人は多いと思います。でもそれでは、脳は休んだことにはなりません。というのも脳が活動を止めてしまったら、心臓と同じようにその段階で死んでしまいます。実際にゴロ寝で疲れが取れない人が世の中にあふれていますよね。

竹原:現代人は昔に比べて寿命が延びました。しかし同様に健康寿命が延びているわけではないということが問題なのです。起き上がることもできずに、認知機能を失って長く生きても意味がない。そうでなくても肩こりや冷え性という日本で多く見られる疾病もあります。これらの原因もやはりストレスだとは思うのですが、その理由がいまひとつわからず……。脳が疲れているという状態や解消方法は、やはり専門家に聞かないと。

矢田:脳を休ませるためには、違う刺激を与えるのがいちばんよい方法なのです。周囲にも休日となれば早起きして趣味のゴルフに出かけ、元気に生活している高齢の人がいるのではないでしょうか。科学的にはそれはすごく正しい。脳の動きを止めるわけにはいかないが、仕事で疲れた脳は、趣味などに打ち込んで違う刺激を与えることで活性化するのです。それこそが脳疲労を解消する最良の手立てなのです。

竹原:そして脳の疲労が解消されると、自律神経も整います。緊張と興奮をつかさどる交感神経とリラックスさせる副交感神経のどちらか片方に偏ると、人体は健康にはなれません。要はバランスが大切なのです。ただ常に緊張を強いられる場面の多い現代人は、圧倒的に交感神経に傾きがちです。なのでリラックス=副交感神経優位を生む水素が役に立つと言いたいのですが……。

水素が未来の健康を担う可能性は?

矢田:その結論は、少し早過ぎますね。まだ研究を始めて2年です。確かにさまざまな面白い結果は出ていますが、まだ仮説の域は出ていません。科学者としては、もっと詳しい評価軸による研究データを蓄積したい。

そのためにいまいちばん必要なのは、産・官・学の連携です。厚労省が“官”として認め、私が“学”としての研究結果を出し、竹原氏が品質やコストをコントロールして“産”として社会に普及させる役割を果たさなければなりません。そのすべてがうまく機能した段階で、水素が現代ストレス解消への究極の解答のひとつだと言える日がやって来るかもしれない。

竹原:ただこの水素という物質が厄介なのは、目にも見えないし、味もしない。水素発生器を使ったとしても、人間の五感では感じることができないのですね。

これがいま普及のために最も苦労しているポイントかもしれません。水素が発生しているという実感を出すために、フレーバーをあえて付けたりする必要さえある。

現状では海外の人のほうが積極的ですね、水素に関しては。ただ昨今はIQOSなどの加熱式たばこやタールを含まない電子たばこ(VAPE)なども流行しています。そんなふうに街角のカフェでごく自然に水素を吸入するような社会が訪れるのではないかと、私は思っているんですけどね。

矢田:そんな世の中が来るとも言えないし、来ないとも言えない。科学者としてもっと人体をベースとしたエビデンスが欲しい。まだこの研究は始まったばかりなのです。



竹原タカシ◎1983年、大阪大学基礎工学部物性物理工学科を卒業後、磁場・環境制御を利用した鮮度保持開発の研究所を設立。87年、事業化に向けてNCAシステムサービスを設立し、代表取締役に就任。97年、新たに通信事業に参入。BAJを設立し代表取締役に就任。2011年に健康寿命を延ばすことを目的としたアクアバンクを設立。現在に至る。


矢田幸博◎1984年、花王石鹸(現花王)に入社。留学を経て92年医学博士取得。現在、同社主席研究員。2011年より久留米大学大学院客員教授、12年より筑波大学大学院グローバル教育院ヒューマンバイオロジー教授も兼任。専門分野は、統合生理学(中枢~自律神経~末梢機能)、皮膚生理学(皮膚機能解析、皮膚老化)、生化学(細胞内情報伝達系機構の解析)など。

アクアバンク
https://www.aqua-bank.co.jp/

Promoted by アクアバンク 文=清水りょういち 写真=後藤秀二 編集=高城昭夫

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