世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

フランス ニースに店を構え、世界を舞台に活躍する料理家・松嶋啓介と、SXSWなど海外の展覧会にも多く出展し注目されているメディアアーティスト・後藤映則との対談。第1回では、ふたりの原体験に基づくインスピレーションの受け方、作品の創造プロセスから、時間と空間の関係性について話を聞いた。

対談第2回では、物事のルーツを深掘りすることが創造性にどう関与するのか、さらに今後進化を続けるテクノロジーといかに付き合っていくべきなのかを探る。
(本記事ではダイジェスト版をお送りします。全文はこちらをご覧ください)




松嶋啓介(以下、松嶋) 海外に行くといろいろな発見がありますよね。

後藤映則(以下、後藤) 昨年、アメリカで展覧会があり、現地のアーティストと話をしていたら、そのうちのひとりから「これからメキシコに行って、その後スペインに行くから、お前も一緒に来ないか」と誘われました。日本は島国だから海外に行くときは多少なりとも心理的に構えてしまうものですが、彼らは日本人と違って国境という意識があまりないのかなと思いました。

松嶋 それはありますね。僕はニースと東京に店があるものですから、フランスと東京を頻繁に往復しています。ただし、ニースは田舎なので日本との間で直行便がなく、乗り継ぎを余儀なくされます。その乗り継ぎ地を、僕は意識的に毎回変えているんです。乗り継ぎ地の空港で時間待ちをしているだけでも勉強になります。

後藤 例えばどんなことでしょうか。

松嶋 同じ国内でも、都市によって空港内で目にする広告が違います。あるいは、その空港から便が出ている都市を見て行くと、昔の植民地であったり、民族が同じだったり、交易がさかんであったり、いろんなつながりが確認できる。便名と目的地を記した電光掲示板を見ているだけで、いろんな発見があるんです。

後藤 それは料理には役立つのでしょうか。

松嶋 どうでしょうか(笑)。でも物事のルーツを知るのが大好きで、20歳でフランスに渡り、いくつかの料理店で修業させてもらったときも、片言のフランス語を駆使しながら、シェフたちに、料理のつくり方ではなく、なぜその料理が生まれたのか、生まれた背景にはどんな理由があるのか、などばかり聞いていました。

全文は「サントス ドゥ カルティエ」スペシャルサイトにて


続きはこちらから


松嶋啓介 ◎「KEISUKE MATSUSHIMA」オーナーシェフ、実業家。20歳で渡仏。フランス各地で修業を重ねたのち、25歳でニースにレストランをオープン。3年後、外国人としては最年少でミシュラン一つ星を獲得する。現在はニースと東京・原宿に「KEISUKE MATSUSHIMA」を構えるほか、ニースでは「すしK」(2017年10月開業)など数店舗を手がける。2010年7月、フランス政府よりシェフとして初かつ最年少で「芸術文化勲章」を授与され、2016年12月には同政府より「農事功労章」を受勲。

後藤映則 ◎ 1984年岐阜県生まれ。アーティスト。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。先端のテクノロジーと古くから存在する手法やメディアを組み合わせて、目に見えない繋がりや関係性を捉えた作品を展開中。代表作に時間の彫刻「toki-」シリーズ。近年の主な展覧会にSXSW ART PROGRAM(アメリカ・2017年)、Ars Electronica Festival(オーストリア・2017年)やTHE ドラえもん展 TOKYO(東京・2018年)など。国立メディア博物館(イギリス)にて自作がパブリックコレクションされている。

あなたにおすすめ

合わせて読みたい