昨年10月、4つの会社が統合して誕生したアセットマネジメントOne。運用資産が約53兆円(2017年3月末)に上る、アジア最大級の運用会社である。同社が5月に上場させた2本のETFは、個人金融資産の約52%を占める現預金を、リスク資産にシフトさせる力になるのか。同社の西惠正取締役社長、そして商品戦略企画部の佐藤美沙子マネジャーに話を伺った。個人の資産形成に資するETF「One ETF 高配当日本株」と「One ETF JPX日経中小型」という2本のETF(上場投資信託)が、5月23日、東京証券取引所に上場した。現在、国内ETFの純資産総額は約24兆円、銘柄数は163本にも及んでいる。アセットマネジメントOne商品戦略企画部の佐藤美沙子マネジャーは、ETFのメリットについて次のように話す。
「透明性、利便性、低コスト。以上の3点がETFのメリットであり、長期的な資産形成に向いていると思います」
ETFはパッシブ運用なので、ベンチマークとなる指数に連動させることを目指すというようにルールが明快だ。分配金も、運用会社が状況に応じて決めるというような恣意性がなく、一定のルールに基づいて決められる。確かにわかりやすい。また、指数に組み込まれている全銘柄を買った場合、通常であれば数億円の資金が必要になる。しかし、指数連動型のETFなら、全銘柄を購入するのと同様の分散投資効果があるポートフォリオを、1万円程度の少額資金で購入できる。
そして、取引所の立会時間中ならいつでも売買できる利便性の高さも、ETFならではの魅力だ。いつでも売買できるというと、短期トレードのツールのように思えるが、ETFは長期投資で魅力を発揮する。非上場の投資信託と比較すると、相対的に運用管理費用などのコストが低いので、長期投資する際のコストが低廉で済むというわけだ。
性格の違う2本のETFを新規上場今回、上場させた2本のETFのうち、「One ETF 高配当日本株」は「S&P/JPX 配当貴族指数」への連動を目指す国内初のETFだ。指数を構成する銘柄は、10年以上連続増配または配当水準を維持するなどの条件を満たしたユニバースの中で、配当利回りの高いものから40~50銘柄が採用される。
「連続増配できる企業は、財務基盤がしっかりしており、安定的な成長が期待できると考えられます。また、相対的に株価の下落局面に強く、株価上昇局面では安定した値上がりがみられました。S&P/JPX 配当貴族指数の算出開始時からの実績をみても、概ねTOPIXに比べて高いリターンとなっています」(佐藤氏)
一方、「One ETF JPX日経中小型」は、「JPX日経中小型株指数」への連動を目指す。従来、中小型株の動向を示す日本株指数の銘柄選定は、時価総額や流動性には配慮したものの、資本の効率性や財務状況などの観点はあまり重視されてこなかった。
「そこで、既存のJPX日経インデックス400を範にして、ROEやガバナンスなどを銘柄選定基準に設けることで、従来の中小型の企業群よりも質の高い、投資者にとって投資魅力の高い会社が構成銘柄となっています」(佐藤氏)
こうした新規のETF上場に先んじて、同社では、2017年3月に「One ETF」の
スペシャルサイトを立ち上げた。ETFの基本的な解説、選び方、買い方と使い方、そして利用者の声などが集められている。これからETFを買って資産形成を行いたいと考えている人にとっては、役立つ情報が満載だ。
アセットマネジメントOneが果たすべき役割・使命とはそもそも、なぜETFなのか。西惠正取締役社長に伺った。
「2016年12月末時点の個人金融資産は総額で約1,800兆円。このうち、現預金が約937兆円で約52%を占めています。今後、インフレが進んだとき、資産価値が目減りしないようにするためには、金利が付かない現預金を、ある程度、リスク資産にシフトさせておく必要があるのです。年後半にかけて、世界的に景気はよくなる兆しがみえてきており、日本企業は賃上げ、設備投資を積極化させ、徐々にキャッシュも動き出すのではないでしょうか。ROEをみても、来年は9%が視野に入ってくるほど、企業業績もよくなってきています。あとは個人のデフレマインドが払拭されれば、日本経済はデフレから完全に脱却するのではないでしょうか。だからこそ、市場全体をカバーできるETFを始めるのに良いタイミングであると考えます」
とはいえ、ETF以外にもリスク資産の選択肢は存在する。資金のシフト先がETFである必要はあるのか。
「我々は運用会社としてお客様によりよいものを提供することを目指しています。そのためにはアクティブ型の商品も重要な位置づけであることに変わりはありません。しかし、国内の個人投資家に不足している『投資経験』を補う意味でも、低コストで市場並みのリターンが期待できるETFは、預貯金がリスク性資産に向かう受け皿として今後の資産運用にとって重要な金融商品となると考えています」(西氏)
個人の資産形成に重要な商品だからこそ、アセットマネジメントOneはアジア最大級の運用会社として、ETFの普及に取り組み続けているのだ。
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当資料は、アセットマネジメントOne株式会社(以下、運用会社)が2017年5月23日時点で作成したもので、今後予告なく変更される場合があります。ファンドを取引所で売買される場合には、契約締結前交付書面または上場有価証券等書面(証券会社より交付)の内容を、信託の設定の申込みの場合には、投資信託説明書(交付目論見書)(指定参加者より交付または運用会社ホームページで公開)の内容を、必ずご確認のうえご自身でご判断ください。
【投資リスク】
・株価変動リスク、信用リスク、流動性リスク ファンドは、株式などの値動きのある有価証券に投資をするため、連動対象指数の変動、組入株式の価格の下落、組入株式の発行者に係る信用状況等の変化、市場の流動性の欠如等により基準価額、市場取引価格が下落することがあります。
・運用による損益はすべて投資者の皆様に帰属しますので、投資元本は保証されているものではなく、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。また、投資信託は預貯金や保険契約とは異なります。詳細は投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
・基準価額の変動要因は、上記に限定されません。
【手数料等】
売買時
・取引所取引の場合、取扱証券会社が独自に定める額
取得・交換時
・指定参加者を通して設定・交換の場合、指定参加者が定める額。信託財産留保額はありません。
保有期間中
・運用管理費用(信託報酬):信託財産の純資産総額に対して、One ETF 高配当日本株は年率0.3024%*、One ETF JPX日経中小型は年率0.54%*。
・株式の貸付にかかる品貸料に54%*以内の率を乗じて得た額
・上場審査料:54万円*
・上場料:新規上場料は新規上場時純資産総額に対して、年間上場料は毎年末純資産総額に対して、追加上場料は純資産増加額に対して、それぞれ0.0081%*
・指数の商標の使用料:純資産総額に対して、One ETF JPX日経中小型は年0.0648%*、ただし下限額162万円*(上場日から3年間は下限額108万円*)、One ETF 高配当日本株は年0.06%、ただし下限額150万円。
・有価証券売買時の売買委託手数料、監査報酬、先物取引等に要する費用等を信託財産からご負担いただきます。※上記手数料等の合計額等は、保有期間などに応じて異なりますので、表示できません。詳細は、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
*税込
【ご留意事項】
・S&P/JPX 配当貴族指数はS&P ダウ・ジョーンズ・インデックス(S&P DJI)、日本取引所グループ(JPX)および株式会社東京証券取引所(東証)の商品であり、ライセンスがアセットマネジメントOneに付与されています。当商品は、S&P DJI、JPXまたは東証によってスポンサー、保証、販売、または販売促進されているものではありません。
・JPX日経中小型株指数は、東証および株式会社日本経済新聞社(日経)によって独自に開発された手法によって算出される著作物であり、東証および日経は、同指数自体および同指数を算定する手法に対して、著作権その他一切の知的財産権を有しています。本商品は、委託会社の責任のもとで運用されるものであり、東証および日経は、その運用および本商品の取引に関して、一切の責任を負いません。東証および日経は、同指数を継続的に公表する義務を負うものではなく、公表の誤謬、遅延または中断に関して、責任を負いません。