27年目の天安門事件 中国SNSで広がる「追悼画像」拡散計画

Photo by David McNew/Getty Images

北京の天安門広場で、民主化を求める学生たちが中国人民解放軍に武力鎮圧された天安門事件は6月4日で27年目を迎える。中国政府がこの事件を闇に葬ろうとする一方で、香港では数百人がデモ行進を行い、台北とワシントンでも追悼行事が予定されている。

民主化運動家たちは、何百人とも何千人とも言われる犠牲者が出た1989年の天安門事件を中国共産党リーダーに黙殺させないために、独自の行動に出ようとしている。例年は事件について何も触れない中国政府は、25年目の節目に「1980年代に公共の場で“違法活動家”を鎮圧した」と認めた。

男女がペアで「6月4日」のTシャツを着る

運動家たちは今年、6月4日を思い起こさせるため、例えば女性が“6”、男性が“4”と記された黒のTシャツを着てペアで写真を撮るよう中国の市民に呼び掛けている。黒のTシャツを着て哀悼の意を示す動きは香港で2012年に始まった。

現地メディアは、事件当時の学生指導者の一人で今は台湾に住むウーアルカイシが、“6”と“4”のTシャツ姿の写真を撮ってオンラインでシェアする計画を語ったと報じている。中国政府が写真を掲載したサイトをブロックしたり、映っている当人を特定しようと動くのは間違いない。中国南部の湖南省の警察官は5月、SNSのWeChatで写真のシェアを提案した市民を事情聴取した。

中国内でこれらの写真のシェアが拡散するか否かは、投稿者がいかにインターネットの検閲をかいくぐれるかにかかっている。

ウーアルカイシは言う。「多くの人が行動すれば、ブロックはしきれないだろう。中国政府が天安門事件を忘れさせようとしてもそれは不可能だ。だから彼らはピリピリしているのだ」

編集=上田裕資

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