アンソロピック(Anthropic)のIPO(新規株式公開)を巡り、投資家が想定する企業価値が下がっている。ブルームバーグが米国時間2026年11月6日に報じた。投資を検討する一部の投資家は、1兆2000億~1兆3000億ドル(約189兆6000億~205兆4000億円)を想定して協議している。
好業績でも下がる、アンソロピックIPOの想定企業価値
2026年10月上旬には2兆ドル(約316兆円)の企業価値が取り沙汰されていた。アンソロピックが投資家に財務状況を説明した後、1兆4000億~1兆5000億ドル(約221兆2000億~237兆円)に下がった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は11月5日、投資を検討する3人がIPOの公開価格はさらに低くなると予想していると報じた。そのうち1人は、公開時の企業価値が1兆ドル(約158兆円)に近づくと見込んでいる。
公開価格はまだ決まっておらず、アンソロピックはコメントを控えた。直近四半期に170億ドル(約2兆6860億円)を売り上げたAI企業に対しても、投資家は想定企業価値の引き下げを求めている。
売上高は前年の12倍超、それでも投資家の評価倍率は低下
アンソロピックが提出したIPOの修正届出書によると、2026年第3四半期の売上高は169億6000万ドル(約2兆6797億円)だった。前年同期の13億8000万ドル(約2180億円)の12倍を超え、同年第2四半期からも47%増えた。AIの開発・運用に使う計算資源とインフラの費用は前年同期比で382%増えたが、売上高の伸び率は費用の伸び率の約3倍だった。
過去12カ月間にアンソロピックへ10万ドル(約1580万円)以上支払った顧客は、1万1900を超えた。1年前の950超から大幅に増え、大口顧客数は売上高に匹敵する勢いで伸びている。
企業価値が2兆ドル(約316兆円)なら、第3四半期の売上高を年換算した額の約30倍でアンソロピックを評価する計算になる。企業価値が1兆3000億ドル(約205兆4000億円)なら約19倍だ。投資家は売上高1ドル当たりに支払う金額を、約3分の1引き下げようとしている。



