しかし、筆者の見方では、最近の選挙でデータセンター関連の議案が数十件も投票にかけられた理由を、こうした実務的な懸念だけで完全に説明することはできない。データセンターは、現政権、テクノロジー業界の政治的影響力、そしてAIインフラが地域社会に及ぼす影響に対する、より広範な不満の焦点にもなっていると筆者は考えている。
テクノロジー業界は政治的な過ちを犯し、AIがその代償を払っている。業界が軽い規制を求めるのではなく、もっと早い段階でステークホルダーとの関係構築に取り組んでいれば、その代償ははるかに小さかっただろう。この文脈では、選挙の2日後に発表されたOpenAIの「責任あるAIインフラの新基準」という称賛に値する取り組みも、機会主義的で遅きに失したものに聞こえるリスクがある。
規制がAIに利益をもたらし得る理由
AIは、驚くほど大きなプラスの経済効果をもたらし得る。生産性を高め、仕事の性質を変え、これまで解決困難だった問題への対応を助け、専門サービスへのアクセスを民主化し、さらには政府がサービスを提供する能力を変革することもできる。この可能性を実現するには、現在のAIバブルが崩壊してはならない。むしろ、成り立たないビジネスモデルから離れる方向へ調整し、消費者と企業の双方の需要が拡大し続ける信頼環境を築く必要がある。現実の、持続可能で収益性のある需要こそが、経済を支えるインフラ整備の真の原動力である。
安定し、予測可能で、適切に規制された環境は成長を可能にする。民主党の勝利がもたらそうとしているAI政策へのアプローチは、私たちをその方向へ押し進める可能性がある。今は極端な政治や施策の時ではない。野放図な自由放任も、技術を禁止するという非現実的な提案も、この国が必要としているものではない。
国家政策の空白に対処するために土台とできる超党派の連邦提案として、フロンティア法案(FRONTIER Act)がある。この分野最大の企業が本拠を置くカリフォルニア州では、知事が招集した専門家グループがこの11月中に、独立検証を含む同州のAI安全法の改正について提言を提出する予定だ。今回の中間選挙の結果は、膠着していたAI規制に新たな勢いを生む可能性がある。だが、連邦レベルで実効性ある枠組み合意に至るか、それが業界の成長にどう作用するかは、依然として不透明だ。


