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経営・戦略

2026.11.07 12:44

事業は順調に回っている──まさにそれが問題だ

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多くの経営者が自社の改善を後回しにするのは、注意不足だからではない。事業が今も「回っている」からだ。

売上は入ってくる。顧客は支払いをする。給与も滞りなく支払える。そして機械が動き続けているため、経営者はあらゆる業務上の弱点を「後で対処すればよい問題」として扱う。何とかやりくりしている利益率の漏れ。創業者からの電話にしか応じない重要顧客。許可がなければ仕入れ先の変更すら承認できないオペレーション責任者。こうしたものすべてが温存される。事業が機能しているからであり、機能していれば十分だと感じられるからだ。しかし、機能していることと価値があることは別物であり、その隔たりこそ、経営者が最も多くの資金を失う場所である。

私は機能する会社を築いたが、私なしでは機能しなかった

私は39社を経営し、6,800人以上を雇用してきた。初めて会社を売却したとき、私は自信を持って交渉に臨んだが、結果は相手に決められた。買い手がすべてのカードを握っていた。私は何年もかけて、売上を生むものの、私なしでは売上を生めないものを築いていたからだ。取引全体を変え得た1つの問いを、私は一度も自分に投げかけていなかった。「もし明日、私がいなくなっても、この事業は回るのか」という問いである。

それから何年も後の2019年2月、私は自分の会社26社と従業員6,800人を単一の取引で売却した。買い手は現金で支払った。私が残って達成しなければならない将来業績に連動するアーンアウトではなかった。私には共同経営者も、交渉で調整すべき取締役会もなかった。株式を完全に所有していたからだ。また、それらの事業に負債はなく、売却価値のすべてが本来入るべきところに入った。これらのイグジットが以前と違ったのは、事業そのものが違っていたからだ。私はその間の年月を、売却計画ではなく事業運営の修正に費やした。日々の意思決定から自分を外し、顧客関係をチームが所有する仕組みとして明文化し、買い手があらゆる場面で私を必要とせずに引き継げる運営体制を構築した。市場に出す頃には、そのポートフォリオは無視できないほど価値あるものになっており、価格、タイミング、条件は私が設定できるものになっていた。

買い手は、あなたが見ているものを見ていない

創業者からの引き継ぎに関するHarvard Business Reviewの調査によると、創業者CEOからの交代は、非創業者の交代に比べて失敗リスクが2〜3倍高いという。この結果は、すべての買い手がデューデリジェンスの過程ですでに痛感していること、すなわち「事業が創業者に依存していればいるほど、買収のリスクは高くなる」という事実を物語っている。

経営者はその依存を「関与」として捉えるが、買い手は「値引きの要因」として捉える。創業者がすべての重要な関係を握り、主要な支出をすべて承認し、組織のノウハウを文書化されたシステムではなく自分の頭の中に抱えている場合、買い手が購入するのは会社ではない。買い手が購入するのは「職(ジョブ)」であり、それに応じた価格をつけることになる。

ゴールから逆算して設計する

多くの経営者は順算で計画を立てる。今年の売上を見て、成長率を上乗せし、それを戦略と呼ぶ。しかし、その数字は作り上げられたものであり、計画には拠り所がない。

この22年間で、うまくイグジットした経営者たちは逆のことをしていた。まず最終局面を定義する。売却によって、経営者本人、その家族、そしてクロージング後に歩み出す人生に何をもたらす必要があるのか。彼らは金額、タイムライン、譲れない条件を決める。そしてそこから現在へと逆算し、その結果を生み出す事業を築く。

この逆算プロセスは、売却を計画しているかどうかにかかわらず、すべての経営者が今すぐ問うべき3つの問いを突きつける。

1. 予告なく90日間事業を離れた場合、戻ってきたときに事業は大きくなっているか、小さくなっているか。大きくなっているなら、あなたは資産を所有している。小さくなっているなら、あなたは自分の名前が建物に掲げられた「職」を所有しているにすぎない。

2. あなたとともに会社を去る売上関係はどれか。会社のシステムではなく創業者のスマートフォンの中にしか存在しない関係は、会社の資産ではなく個人の資産であり、買い手はそれを取得できない。

3. 前に進めるために、あなたの承認を必要とする意思決定はいくつあるか。その数こそ、事業がどれほどあなたに依存しているかを示す最も明確な指標であり、その依存度こそが、買い手があなたのオファーに適用するディスカウント(値下げ)率となる。

売却するかどうかにかかわらず、やるべきことは同じだ

Exit Planning Instituteの調査によると、「売りに出される企業のうち、実際に売却されるのはわずか20〜30%にすぎない」。大半が失敗するのはタイミングが悪いからではなく、市場に出る前に事業が修正されていなかったからだ。経営者は砂の城をビーチフロントの高級物件として売ろうとし、買い手はその違いを見抜く。

業務上の問題を解決するたびに、今日の事業の収益性は高まる。そして、依存関係を取り除くたびに、あなたが動くと決めたときに事業をより譲渡しやすくなる。やるべきことは同じである。唯一の問いは、選択権が自分にある今それを行うのか、それとも誰かが条件を決める後になって行うのか、ということだ。

(forbes.com 原文)

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