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2026.11.07 11:21

AIは働き方を変えつつある。企業の「所有権」を得る人々も変えるのか

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米連邦準備制度(FRB)が管轄する12の地区連銀のうち5地区で、ビジネス関係者から「AIによってすでに企業は従来ほど人を雇わずに多くの業務をこなせるようになっている」との声が寄せられている。

これは10月14日に公表されたベージュブック(地区連銀経済報告)で明らかになったものだ。企業が節約した資金は、オーナーのポケットに収まる。中小企業のオーナーであれば、そのうちどれだけを従業員に還元するかはあなた自身が決めることになる。

ほとんどの労働者には、その資金を分け合う別の手段がない。FRBの消費者金融調査によれば、米国の所得下位半分の世帯のうち、退職金口座を含めても株式を保有しているのは約3世帯に1世帯にすぎない。一方、上位層では95%が株式を保有している。

Black Unicorn Factoryの創業者ジョニー・スチュワートは、この問題の解決に取り組んできた。同社は、企業向けの業務を完了した人に対してエクイティ(小口の所有持分)を提供する仕組みを提供しており、彼はこのモデルを「エクイティ・クラウドソーシング」と呼んでいる。

「人工知能が莫大な新たな経済的価値を生み出すとすれば、その価値を生み出す資産は誰が所有することになるのか」とスチュワートは書面で述べた。スチュワートの問いかけは、雇用をめぐる議論がどのような結論になろうとも有効だ。たとえAIが失う仕事以上に新たな仕事を生み出すとしても、誰かがそう決めない限り、その仕事に従事する人々は利益を分かち合えないからだ。

この概念は新しいものではない

全米従業員所有権センターによる労働省2023年提出書類の分析によれば、すでに米国では約1500万人の従業員が、従業員株式所有制度(ESOP)を通じて自社の株式の一部を所有している。これらの制度全体の保有資産は2兆ドル(約317兆円)超にのぼり、そのうちおよそ1100万人が現役の参加者だ。

こうした制度に参加した退職者は、参加していない同程度の退職者と比べて、退職時の資産がおよそ2倍にのぼった。中央値では4倍近くに達したと、ラトガース大学の退職時資産に関する研究は指摘している。研究者らは、これは両者の関連性を示すもので、他の要因が差の一部を説明している可能性もあると注記している。

10月、連邦議会はこの枠組みを強化した。ティム・ケイン、ロジャー・マーシャル両上院議員による超党派法案「Retire Through Ownership Act」が10月に成立した。

ESOPが企業の株式を購入する際には適正価格を支払わなければならないが、その価格が妥当であることを証明する明確な指針は乏しかった。新法では、善意で行動する企業が確立された評価ガイダンスに依拠できることになり、制度導入の障害の一つが取り除かれた。

所有権を分け合ううえで最も難しいのは、多くの場合、株価を決めることだ。誰かが株式の価値を算定しない限り、オーナーは従業員に持分を渡すことができない。スチュワートのモデルも同じ課題に直面しており、さらに一つの業務につき何株を割り当てるかを決める必要がある。

ギグワーカーはどうなるか

ESOPに参加する1500万人は全員、企業の正規従業員だ。ESOPを魅力的にしている税制優遇も、連邦議会が明確化したばかりの評価ルールも、企業が雇用する従業員に株式を分け与えることを前提としている。

しかし、働く人の相当数は正式な賃金台帳に載っていない。FRBの家計の経済的ウェルビーイング調査によれば、米国の成人のおよそ5人に1人が、調査直前の1カ月間に配車アプリの運転やオンラインのフリーランス業務などのギグワークに従事していた。そのうち31%は「ギグワークがなければ生活費を賄うのに苦労する」と答えている。

ギグワークには所有権への道がない。複数のアプリをかけもちするドライバーを対象にしたESOPは存在しないからだ。スチュワートが届けたいのはまさにこの層、つまり企業のために実際に働きながら賃金台帳には載っておらず、ESOPに相当する仕組みをもたない人々だ。

「エクイティ・クラウドソーシングは仕組み、エクイティ・オーバー・サラリー(給与よりエクイティ)は哲学、そしてより多くの所有者を生み出して資産格差を縮めることがゴールだ」とスチュワートは語る。

連邦議会はこの問題に決着をつけていない

通常、株式を配布する企業は、投資家保護のために設けられたコストのかかる手続きである米証券取引委員会(SEC)への登録が必要となる。連邦規則では、報酬の一部として従業員や一定のコンサルタントに付与される株式には例外が設けられている。企業に所属せずに業務を完了する者は、一般にこの例外の対象にならない。

「Gig Worker Equity Compensation Act」と呼ばれる法案は、この例外を、従業員ではないが労働やサービスを提供する個人にも拡大するものだった。2020年以降、連邦議会に複数のバージョンが提出されてきた。そのうちの一つは2024年3月、より包括的な資本市場法案の一部として下院を通過したが、2025年1月に議会会期終了とともに廃案となった。

これに代わる法案は出てきていない。雇用関係の外で労働者のエクイティを構築しようとする者は、連邦議会がこの問題を検討しながら手つかずのまま残した領域で活動していることになる。スチュワートのようなモデルを違法と判断した者もいなければ、承認した者もいない。

連邦議会またはSECが動くまで、従業員ではない人々に株式を付与することは、明確なルールブックがないまま法的リスクを引き受けることを意味する。

エクイティ提供前に検討すべきこと

誰かに会社の持分を提供する前に、オーナーはその持分の価値を説明できなければならない。外部の会計士がチェックした監査済み財務諸表がない、あるいは価格を算出する合意された方法がないなら、その数字は誰かが勝手に決めたものにすぎない。

新しいESOP法はまさにこの問題に対処するために書かれたものであり、スチュワートのモデルを含め、労働と引き換えにエクイティを提供するあらゆる仕組みも同じ課題を乗り越える必要がある。

オーナーはまた、その持分がいつか現金化できるのかどうかも把握しておく必要がある。上場していない企業の未公開株は売却できないことが多く、時には数年、時には永遠に売れない。そうした持分はいつか価値を生むかもしれないが、今月の家賃は賄えない。

「エクイティ・オーバー・サラリーは、賃金をなくすという意味ではない。人々は当面の生活費のために現金を必要とし続ける。これは、一回限りの報酬に加えて、労働が所有権を生み出す機会をもっと増やすという意味だ」とスチュワートは述べた。

株式を受け取る側もこうした点をすべて理解する必要がある。来月の収入が分からない人が、今使えるはずの現金を手放すわけだ。その見返りに手にする持分は、会社がうまくいった場合にしか報われない。会社が苦境に陥れば、自分も一緒に損失を被る。

利益が出る前に、誰と分け合うかを決めておく

まずは、自社においてAIがもたらす実際の生産性向上の価値を、1年間でドル建てでいくらに相当するかを書き出し、次にその資金を誰が受け取るかを書き出してみよう。

正直に考えて答えが「すべてオーナー」になるなら、それが意識的な選択である限り、あなたのビジネスにとって正しい判断かもしれない。AIのリターンを測定することで具体的な数字が手に入り、それをどう分けるかという議論もはるかに具体的になる。

次に、金額を決める前に「どう分けるか」を決めよう。ESOPか、利益分配制度か、ファントムエクイティか、生産性向上に連動した単純なボーナスか。

それぞれに評価や課税のルールがあるため、会計士や弁護士と適切に制度設計する価値がある。AI投資が期待外れに終わる場合は金銭的な損失が生じるが、設計の甘いエクイティの約束は信頼を損なう。

スチュワートのモデルが広く受け入れられるかどうかはともかく、AIが小規模企業で価値を生み出し続ける限り、彼の問いは繰り返し浮上し続ける。連邦議会が所有権分配について明確なルールを整備するまでは、答えを見いださねばならないのはオーナー自身だ。

(forbes.com 原文)

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