借り入れ負担はデータセンター建設を遅らせるのか
2026年10月上旬から11月上旬にかけ、投資家はAI向けデータセンター建設企業の資金収支を厳しく評価し、資金収支がマイナスに転じた企業の株を売った。
巨額債務を抱えるコアウィーブが示す資金繰りの不安
典型例が、AIに特化したクラウドサービスを提供するコアウィーブだ。コアウィーブは2026年6月末時点で356億ドル(約5兆6248億円)の債務を抱えていた。2026年10月半ばには、投資家が同社の社債に15%の利回りを求めていた。高い利回りを要求されるほど、資金調達の負担は重くなる。
調査会社ガートナーは、AIに特化したクラウド事業者の80%超が2030年までに独立した形では事業を続けられなくなると予測している。エヌビディアはコアウィーブ株の10%を保有している。コアウィーブの株価は11月6日終値で46.40ドルとなり、2025年につけた取引時間中の最高値187ドルから約75%下落している。
2026年第2四半期のフリーキャッシュフローは57億4300万ドル(約9074億円)のマイナスだった。フリーキャッシュフローは、本業で得た現金から設備投資に使った資金を差し引いたもので、コアウィーブの決算資料に示された四半期の数値から算出した。コアウィーブは11月10日に第3四半期の決算説明会を予定している。
新しいデータセンターの建設に借り入れが欠かせなくなるほど、金利上昇の影響は大きくなる。投資家は、フリーキャッシュフローがマイナスの大規模クラウド事業者(ハイパースケーラー)の株も売っている。借り入れコストが過大になれば、AI向けデータセンターの建設が減速しかねないと懸念しているためだ。
エヌビディアも部品確保と建設資金の供給を支える
エヌビディアは、半導体の部品確保やデータセンター建設の支援に巨額の資金を投じる約束を重ねてきた。同社株に弱気な投資調査会社Seaport Research Partnersによると、2027年1月期第2四半期に新たに負った契約上の義務は約2500億ドル(約39兆5000億円)に達した。
別途、オハイオ州のOpenAI向けデータセンターに関する融資保証案の見直しも報じられている。エヌビディアが当初協議していた2500億ドル(約39兆5000億円)規模の保証案を、1200億ドル(約18兆9600億円)未満に縮小する方向だと報じられた。
エヌビディアは銀行や投資会社など計6社と提携し、5000億ドル超(約79兆円超)の第三者資金をAIインフラ建設のために集める構想も発表している。5000億ドル超はエヌビディア自身の出資額ではなく、提携先など外部からの資金動員規模だ。実行には正式契約の締結が条件となる。Seaportは、エヌビディアの関与が資金供給の枠組みに不可欠だと指摘する。


