イーロン・マスクはドナルド・トランプ米政権の「政府効率化省(DOGE=ドージ)」の顔役として短期間、チェーンソーを振り回してみせたが、連邦政府の歳出抑制にはほとんど寄与しなかった。一方で昨年、解雇や自主退職、早期退職を通じて30万人を超える連邦政府職員が政府を去る一因になった。また、米国や欧州でテスラに対する抗議活動を引き起こし、車両が燃やされたこともあった。
マスクは昨年12月、スティーブン・ミラー大統領次席補佐官の妻で、DOGEとマスクの両方のもとで短期間働いた経験のあるケイティ・ミラーのポッドキャスト番組に出演し、DOGEは「ちょっとは成功しましたよ」とため息交じりに語った。ただ、もしやり直せる機会があっても、する気はないとも認めた。
「DOGEをやる代わりに、基本的に自分の会社の仕事に専念しておけばよかったと思います」とマスクは吐露した。「そうすれば車が燃やされることもなかったでしょう」
しかし、民主党が上下両院で多数派になる新議会が来年1月に発足すれば、何台かのテスラ車に火がつけられたことや、マスクとトランプの協力関係によって同社のブランドが傷ついたことは、マスクにとって最も小さな問題になるかもしれない。一部の法律専門家は、マスクとDOGEの活動は少なくとも3つの点で連邦法規に違反したとみている。▽議会の同意を得ずにプログラムを廃止したこと▽連邦政府の透明性に関する法律を無視したこと▽個人情報や財務情報に無許可でアクセスしたこと──だ。マスクと、エドワード・“ビッグ・ボールズ”・コリスティンら20代のDOGE仲間たちは、第2次トランプ政権発足後の3カ月間に起こったことについて説明を求められると予想されている。
下院監視・政府改革委員会の次期委員長に就く予定のロバート・ガルシア下院議員(民主、カリフォルニア州)は今週、トランプ家の金銭絡みの活動や「エプスタイン文書」に関するものをはじめ、数多くの調査が計画されていると明らかにした。
「弁護士を雇っておけ」。ガルシアはDOGEには言及せず、一言そう述べている。ガルシアは昨年、議会側でマスク・DOGE批判の急先鋒に立ったひとりでもある。この件に関する公聴会の計画についてガルシアの事務所に電子メールで再三コメントを求めたが、返信はなかった。



