10月28日、ロサンゼルスの体験会場の主役は、初めてタッチ操作に対応した「PROLED XDRディスプレイ搭載MacBook Pro」だった。
Logic Proの鍵盤を指で押さえて和音を鳴らし、1000万ポリゴンの3Dモデルを両手でつかんで回す。そんなデモが次々と続いた。もちろん、実際にいちばん売れるのは、M6を載せた14インチのMacBook Proになるだろう。従来と同じ筐体とミニLEDディスプレイに新しいチップを載せ、価格を33万9800円に据え置いた14インチのローエンドMacBook Proである。
Macユーザーの大半は、MacBook Airでカバーできる。13インチに加え、15インチモデルも加わったMacBook Airは、ほとんどの人にとって標準のモデルであり、クリエイティブな作業を行う上でも十分な能力を発揮してくれる。
では、なぜアップルは、プロフェッショナル向けであるMacBook Proを、3つの製品レイヤーに拡張したのだろうか。
その5日後、CEOとして初めて臨んだ決算説明会で、ジョン・ターナスは「1年間にこれほど多くのMacを売ったことはない」と語った。7〜9月期のMacの売上高は108億ドルで、前年同期比24%増。2026年9月期の通期では379億ドルと、12.5%伸びた。ターナスは、Macは「Macならではの“AIの時代”を迎えている」とも述べている。
注目を集めたのは最上位の新製品だったが、アップルがこの秋のMacBook Proで行ったことの本質は、Proの名前が付けられた高付加価値ラインを3つに分けたことにある。その意味を、決算の数字と重ねて読んでみたい。
台数は過去最高、売上高は2022年度にわずかに届かず
ターナスCEOが述べる「過去最高」には、補足が必要だ。記録を更新したのは販売台数で、通期の売上高379億ドルは、2022年9月期の402億ドルにまだ届いていない。台数が過去最高でも売上高が最高にならないのは、Macの平均単価が下がったからだ。
単価下落の主役は、3月に発売した599ドルのMacBook Neoである。iPhone 16 Pro向けに作られたA18 Proを積んだこの低価格機が、Macの客層を広げた。7〜9月期にMacを初めて買った客の数は同期として過去最高で、新興国ではMacとして最高の1年になった。フィリピン教育省は教職員向けにMacBook Neoを17万台導入する。



