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欧州

2026.11.07 09:30

米国のNATO関与縮小、ロシアの「核使用を誘発」する恐れ 通常戦なら欧州が勝つと専門家

ロシア首都モスクワで行われた戦勝記念パレードで、赤の広場を進む核ミサイル。2020年6月24日撮影(Mikhail Svetlov/Getty Images)

ロシア首都モスクワで行われた戦勝記念パレードで、赤の広場を進む核ミサイル。2020年6月24日撮影(Mikhail Svetlov/Getty Images)

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ロシアが欧州の民主主義諸国に対する「影の戦争」(破壊工作やサイバー攻撃、偽情報拡散などを用いたハイブリッド戦)を激化させる中、米国が北大西洋条約機構(NATO)から離脱したり関与を縮小したりすれば、旧ソ連領を再征服したいウラジーミル・プーチン露大統領が21世紀初となる核攻撃に踏み切る可能性が劇的に高まるだろう──。クレムリン(露大統領府)の核戦力と最高司令官としてのプーチンに詳しい世界有数の専門家は、このように警告している。

プーチンは今、1991年にソ連の支配から独立したバルト三国(リトアニア、ラトビア、エストニア)に照準を合わせている。旧東ドイツやポーランドなどかつて欧州各地に存在した共産主義衛星国と同様に、バルト三国もロシアに対する安全保障上の脅威からNATOに加盟した経緯がある。

クレムリンの保有する核兵器とその運用を規定する軍事ドクトリンの変遷に詳しいハーバード大学のスペンサー・ウォーレンによれば、プーチンは対ウクライナ電撃戦において核使用の威嚇を主要な戦術として用いており、今後、新たな侵攻目標に対しても同じ戦略を強化していく可能性が高いという。

ハーバード大学ケネディ行政大学院でスタントン核安全保障博士研究員を務めるウォーレンは、軍国主義化したプーチンとロシア指導部について、西側諸国に対する「核の瀬戸際外交」を強める一方で、ウクライナをはじめとするかつての従属国を制圧して再構築したソ連に組み込むために、核弾頭を実際に起爆させるという選択肢に近づきつつあると指摘する。

ウォーレンは筆者とのインタビューで、ロシアの核兵器発射に関する最終決定権はプーチンが握っていると述べ、ソ連再興へ向けた動きが拡大するにつれ、プーチンが核兵器を使用する可能性も高まっていると付け加えた。

「失われたロシアの共産主義帝国」を取り戻さんとするプーチンの「聖戦」において、ウクライナの次に標的となる可能性が高いのがバルト三国である。いずれも軍事力に限りのある小国であり、NATOの防衛支援がなければロシアの陸軍や空軍に到底、太刀打ちできない。

「もしロシアが近いうちにバルト諸国を攻撃すべきだという(誤った)計算をしているのなら、今後数カ月間にロシアが取る他の行動を注視すべきだ」とウォーレンは言う。それらはバルト諸国における局地的な戦争の引き金となり、ロシアの軍備増強が加速するにつれて他国を巻き込む紛争へと拡大する恐れがある。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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