デザインソフトウェアの豪ユニコーン企業Canva(キャンバ)は、人工知能(AI)の導入を加速させつつ、事業の抜本的な改革を進めている。これに伴い、全従業員の5分の1以上を対象とした人員削減を行う。
共同創業者で最高経営責任者(CEO)のメラニー・パーキンスは、同社のウェブサイトに掲載された従業員向けのメッセージで、今回の大規模な改革は創業13年の同社を次の成長段階へと押し上げることを目的としていると説明した。同社の成長は今年、10年ぶりに鈍化している。
夫のクリフ・オブレヒトおよびキャメロン・アダムズとともにCanvaを創業したパーキンスは、「間違いなく当社の13年間の歴史の中で最も困難な局面だ」と述べた。「これまでの成功が、今後の成功を約束してくれるわけではない」
パーキンスによると、将来の組織体制や役割、スキルを見据えて会社を再編するために、勤務地や職務の変更、あるいは人員削減の対象となるのは全従業員の22%にあたる1271人となる。これは新しいテクノロジーやAIが世界をどのように変えつつあるかについて、数カ月にわたり「熟考」を重ねた結果だ。
「世界がいかに急速に変化しているか、私たちはこれまで何度も話してきた」とパーキンスは述べた。「新しいテクノロジーは人が作り出せるものや作成法、利用する製品への期待を変えつつある」
事業改革計画のもと、Canvaは業務プロセスを簡素化し、業務構築に充てる時間を増やすとともに、会社の成長に伴って硬直化した組織構造の中で調整に費やす時間を減らす方針だとパーキンスは説明した。また、細分化された専門分野を減らし、階層を統合して幅広い業務に責任を持てるようにするとともに、対面でのコラボレーションを増やし、関連するチームを同一拠点に集約する方針だ。
パーキンスは「次の10年間に向けて体制を整えるためには、Canvaを再構築する必要がある。意思決定の自由を持ち、主体性を発揮し、コミュニティにとって最も重要なことに集中できる、小規模で自主性のあるチームという原点に立ち返る」と述べた。
パーキンスによると、影響を受ける従業員には経済的な支援策の一環として6カ月分の給与を支給するほか、医療保険の適用を12カ月間継続し、キャリア支援や心身の健康(ウェルビーイング)を支えるサポートも提供する。
パーキンスと夫のオブレヒトの純資産は計150億ドル(約2兆3600億円)に上り、オーストラリア有数の大富豪として知られている。共同創業者で最高製品責任者(CPO)のアダムズも純資産38億ドル(約6000億円)のビリオネアだ。2025年8月時点でCanvaの評価額は420億ドル(約6兆6300億円)で、月間アクティブユーザー数は2億6500万人を超える。



