【重要】Forbes JAPAN サイトメンテナンスのお知らせ(2026年11月10日(火)18:00〜)

AI

2026.11.06 10:17

エンタープライズAIを構想から実行へ移す3つの方法

Adobe Stock

Adobe Stock

BRANDVOICE | Paid Program

もっと見る>

エージェント型AIは未来の潮流かもしれないが、多くの企業はその導入において、現在の課題に足を取られている。この断絶がマーケティングに影響を及ぼすと、企業は顧客の期待を裏切るリスクを負う。

Forbes Insightsが数百人のビジネスリーダーを対象に実施した調査によれば、多くの企業がエージェント型プラットフォームを構築する際に、人間の役割の不確実性、分断されたデータエコシステム、そして旧来の慣行に苦慮していることが明らかになっている。

この新たなエージェント型の世界で成功するには、戦略的な人間の統括者が中心に位置し、自らの役割に対する明確な理解、フェイルセーフなデータ基盤、再構築されたワークフローを備えていなければならない。AI導入の成功はテクノロジープロジェクトではなく、AIネイティブ企業への変革である。

1. エージェント型AIで成功できるよう人材を備える

エージェント型AIの取り組みはまだ始まったばかりだ。調査によれば、エージェント型AIによる意思決定とエンゲージメントのスケーリングで成熟していると考える企業はわずか16%にとどまる。多くの企業では、組織全体にわたる価値創出型AIを従業員が活用できる体制が整っておらず、AIを組織的に定着させることに苦戦している。従業員が独自にエージェントを作成した結果、ビジネスへの影響が限定的で互いに連携していない何千ものエージェントが生まれてしまうこともよくある。賢明なスケーリングには、ガバナンス、ガードレール、そして共通の役割、タスク、ワークフローを支える再利用可能なエージェントに焦点を当てた戦略が必要である。

また、技術的であると同時に心理的でもある重要な成功要因がある。従業員の賛同である。そのためには、AIが従業員にどのような影響を与えるのか、企業が変化に向けて従業員をどのように備えさせているのかについて、明確に示す必要がある。

「人々の仕事がどのように進化するのかを冷静かつ明確に見極めなければ、AIの拡大にはためらいが生じる」と、Acxiomのグローバルプレジデント、ショーン・マジーは語る。「AIが価値を付加する領域と、人が最も重要な役割を果たす領域を定義する必要がある」

AIのエージェント型機能は、職場における人間の役割を再定義し、人間を究極の戦略的統括者、創造者、裁定者へと引き上げようとしている。

「AIの世界で人間にとって有効な役割は、これまでになされたことのないものに集中することだ。予測可能なタスクは自動化が担うようになるからだ」とマジーは述べる。

この新たな職場の力学に備えるために、雇用主はAIを協働者として使う方法について従業員を訓練し、学習、実験、さらには失敗までも企業文化に組み込むべきである。

2. 強固でつながりのあるアイデンティティとデータ基盤を構築する

エージェント型AIの成熟度が低いことは、必ずしも警戒すべき事態ではない。実際、強固なデータ基盤を先に構築せずにエージェント型AIを導入することは、効果が薄くリスクを伴う可能性がある。断片化された、または信頼できないデータをAIに与えると、顧客体験の悪化につながりかねない。顧客は、メッセージがパーソナライズされ、正確であることを期待しているからだ。

「投資を活用して、組織全体でデータの連携を強化すべきだ。ユーザーアプリケーションに先んじて、データとアイデンティティの基盤に注力してほしい」とマジーは強調する。「エージェント層に意味のある文脈を提供できるようにデータが構造化され、連携されていなければ、成果は期待に届かない」

多くの企業はいまだデータ基盤の整備に取り組む必要がある。調査では、AIを活用したマーケティングにおいてデータが意思決定に有効に影響していると答えた企業はわずか18%だった。明るい材料として、一部の企業はデータインフラの改善(25%)や、アイデンティティとデータ接続性の強化(23%)に取り組み、エージェント型の未来の基盤づくりを優先している。

大企業はサイロ化しがちで、独立したデータセットやチームが統合されずに並存している。この体制がボトルネックとなり、共通の理解を阻む障壁を生み出す。「大企業がデータへのアクセスをさらに民主化するためにできることはたくさんある」とマジーは語る。

もう1つの足かせは、組織が構造化データセットに焦点を当てがちな点だ。しかし、AIにとって最も価値ある入力の一部は、プレゼンテーション、契約書、メール、文書、会議の文字起こし、その他企業知識の源といった非構造化コンテンツに存在する。AIから最大の価値を引き出す企業とは、そうした組織的知識を活用・統治し、単なるデータだけでなく意思決定の背景にある文脈へのアクセスをAIに付与できる企業なのだ。

マーケターにとって、アイデンティティはデータ基盤の中核である。その用途は単一のキャンペーンを超えて広がる。アイデンティティ解決は、エージェント型マーケティング、データガバナンス、同意取得、同意管理を可能にするからだ。

3. AIに「活躍の場」を与えるためプロセスを変革する

既存のプロセスやワークフローの上にAIをそのまま追加することは、難題に挑むようなものだ。従来のシステムは硬直的で段階的なロジックを前提に構築されてきた一方、AIは柔軟で確率的なパターンに依存している。AIネイティブ企業になるには、働き方を再考し、再設計する必要がある。「企業の働き方はAIに合わせて調整される必要がある」とマジーは語る。

調査回答者も、テクノロジー導入と業務プロセスの間にギャップがあることに同意している。企業の72%が、プロセスの刷新よりも早いスピードでテクノロジーの近代化を進めている。

AIを活用すればマーケティング資産のバリエーションを無限に作成できる一方で、企業は従来、単一資産の厳格な承認プロセスに慣れ親しんできた。この手法はモデルの並行的な反復を妨げ、個々の構成要素すべてについて人間のレビューを強いることで、AIのスピード感を殺してしまう。

AIの真価を発揮させるには、組織は厳格な手動によるゲートキーピングから、自動化されたフレームワークに基づくコンテンツ作成および承認へと移行しなければならない。フレームワークモデルを導入すれば、AIは厳格なルールではなくガイドラインに基づいて意思決定を行えるようになる。

キャンペーン費用の最適化も、AIを用いればより効率的になる。各契約を個別に承認する代わりに、週ごとやパートナーごとの支出の下限と上限を設定しておけば、AIのアルゴリズムがより流動的に資金を動かし、市場の変化を活かすことができる。

「AIに活躍の場を与え、マイクロマネジメントで足を引っ張ってはならない」とマジーは言う。さらに同氏はこう続ける。「AIがその範囲内で働ける明確なガードレールを与える企業は、市場により速く適応する。そのスピードこそが競争優位になる」

企業がSnowflakeやDatabricksを基盤とするコンポーザブルなエコシステムで独自のエージェント型マーケティング機能を構築する場合でも、SalesforceやAdobeなどのプラットフォームのAI機能を活用する場合でも、ワークフローをどのように再考するかを明確にすることが、非常に大きな成果を可能にする。

(forbes.com 原文)

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事