金と銀は今年、ビットコイン価格とともに急落している。高成長のテクノロジー株に投資家が殺到する人工知能(AI)取引が、流動性を吸い上げているためだ。
AI取引が行き詰まるという懸念は、ビットコインへの関心を再び高める可能性がある。一部では、ビットコインが金や銀とともに勝者として浮上すると予想されている。
Bitwise Europeのリサーチ責任者、アンドレ・ドラゴシュは暗号資産メディアのDecryptに対し、「この状況は、ビットコインのような『通貨価値の希薄化に強い資産』への関心を再燃させる可能性が高い」と述べた。これは今年初め、インフレを背景に金価格を過去最高値に押し上げたトレードの動きに言及したものだ。
ドラゴシュは「個人的には、政治的な論争や対立が激化し、『債務膨張という列車はもう止まらない』という見方が強まるとみている」と述べ、米中間選挙で民主党が議会の支配権を握った後の、抑制のきかない政府支出に言及した。「われわれはおそらく、財政リスクが高まる財政優位の環境にとどまるだろう。これは最終的に、ビットコインのようなハードアセットにとって追い風になると考えている」
著名投資家であるレイ・ダリオやスタンレー・ドラッケンミラーを含む影響力のある投資家らは近年、膨れ上がる米国債務について警告してきた。
ドラッケンミラーは3月、「われわれは(ドルを)破壊するためにできることをすべてやっている」と述べた。これは、同氏が以前「債務爆弾」と表現した、膨張する米財政赤字に言及したとみられる。
同氏は、ドルは「おそらく私よりも長生きするだろう。しかし50年後に基軸通貨であり続けるかは疑わしい」と述べた。世界の基軸通貨としてドルに何が取って代わるかは分からないとしながらも、それは「私が嫌う何らかの暗号資産のようなもの」かもしれないと付け加え、2021年に初めて示した予測を繰り返した。
一方、ダリオは米ドルが崩壊の瀬戸際にあると繰り返し警告している。
ダリオは5月、「歴史を振り返ると、こうした時期にはすべての法定通貨が下落し、金が上昇することがわかる」と述べ、現在、金が中央銀行にとって「2番目に大きな準備資産」となっていることを指摘した。
経済が「危機と崩壊」に向かっているのかと問われたダリオは、将来の「金融危機は、支出能力が非常に限られることを意味する」と述べたうえで、「いずれの法定通貨も有効な富の保存手段になるとは思わない」と付け加えた。


