11月4日、24回目となる「世界のベストレストラン50」の授賞式が、南米初、ペルーのリマ市立劇場で行われた。
世界一になったのはスペイン・バスク地方で1990年に開業した「エチェバリ」。ヴィクトル・アルギンソニスシェフは薪火焼きのプロで、近隣からの上質の食材にこだわり、その味わいを素直に表現する。
予約が取れないレストランとして知られるが、料理の質をコントロールできる35席から席を増やさない。「世界一になった場合引退するのでは」という噂が流れていたが、アルギンソニスシェフは「エチェバリを受け継ぐ厨房スタッフはいない。すべてのものには始まりがあり、終わりがある」としながらも「今も日々料理への情熱があり、すぐの閉店は考えていない」と語った。
若者に対してのメッセージを問うと、「情熱がないとできない仕事。それが感じられないなら、この仕事を選ぶべきではない。日々高いスタンダードを保ち、献身する必要がある」とコメントした。
筆者も数回訪問したが、見事な火入れで焼き上げられたガリシア産のルビア・ガレガ種の経産牛や、長年取引のある漁師から届く、ビスカイ湾からの季節の魚介類などの食材、フレッシュさを生み出すため、ゲストが到着する直前にアルギンソニスシェフ自ら作るモッツァレラチーズなど、その一皿一皿が、まさに毎日の最上の食体験を生み出すために献身する職人気質の姿勢によって生まれたものだと実感できる。
その教え子は多く、エチェバリのすぐ近くで日本人の前田哲郎シェフが営む「チスパ」やシンガポール「バーント・エンズ」も、今回それぞれ80位、89位にランクインしている。
日本からは残念ながら50位以内へのランクインはなく、52位の「ラシーム」を筆頭に、56位に「茶禅華」、59位に「NARISAWA」、61位に「フロリレージュ」、91位に「傳」という結果となった。
その他、アジアからは2位にタイ・バンコクの「ガガン」が、世界のベストペストリーシェフには同じくバンコクのデジ・ケウカチャシェフが、世界のベストソムリエにシンガポール「オデット」のレスリー・リゥ氏が選ばれた。



