米国時間11月5日、イーロン・マスクの推定資産額が9%以上減少した。米中間選挙での民主党圧勝を受けてハイテク株が全面安となり、多くの富豪の資産が目減りしている。
テスラ株が11.5%下落、スペースX株も8%安
マスクの推定資産額は5日午後に800億ドル(約12兆8000億円)減少し、8000億ドル(約128兆円)の大台を割り込んだ。1カ月足らず前には資産1兆ドル(約160兆円)の大台に返り咲いたばかりだった。
この日はテスラ株が11.5%下落して8月以来の安値をつけたほか、スペースX株も8%安の約125ドルとなった。
マスクはスペースX株の50%近くを保有しているが、8月の投稿では「その多くはスペースXが途方もなく好調な業績を上げた場合にのみ権利が確定するため、実際に権利が確定している保有比率はもっと低い」と説明している。
5日の資産減少は、マスクにとって過去最大級の下げ幅となった。スペースXの新規株式公開(IPO)を受けて世界初のトリリオネアとなった直後の今年6月には3500億ドル(約56兆円)もの資産を失っており、8月にも800億ドル減少していた。
他のハイテク富豪も軒並み資産減少
5日午後には他のハイテク富豪も軒並み資産を減らした。デル・テクノロジーズを率いるマイケル・デルの資産が186億ドル(約2兆9800億円)減少したほか、オラクル共同創業者のラリー・エリソンが113億ドル(約1兆8100億円)、メタのマーク・ザッカーバーグCEOが94億ドル(約1兆5000億円)を失い、エリソンは世界長者番付のトップ10から陥落した。また、エヌビディアのジェンスン・フアンCEOも資産が150億ドル(約2兆4000億円)減少し、フォーブスの『リアルタイム・ビリオネア・リスト』で順位を2つ落としている。
ドナルド・トランプ大統領も投票日以降で2億ドル(約320億円)以上の資産を失っており、トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループの株価は5日も11%以上急落した。
米中間選挙で民主党圧勝、「ブルーウェーブ」が追い打ち
ハイテクやAI関連の銘柄は、中間選挙の前からすでに強い下押し圧力にさらされていた。過熱するAI投資が最終的に利益を生むのかという投資家の懸念が強まっていたためだ。
ゴールドマン・サックスの予測によると、アマゾン、マイクロソフト、グーグル、メタを含む米国の主要ハイパースケーラーは、今年AI分野に約8000億ドル(約128兆円)を投じる見通しとなっている。そこへ中間選挙を席巻した民主党圧勝の「ブルーウェーブ」が追い打ちをかけた。民主党が上下両院の主導権を握ったことで、今後は巨大テック企業が厳しい追及の矢面に立たされるとみられている。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙の報道によると、複数の企業がすでに議会からの調査に備えており、社内タスクフォースを立ち上げたり民主党議員との関係構築を図ったりといった対策に動いているという。



