2026年11月の米中間選挙で民主党が連邦議会とテキサス州政の主導権を握り、イーロン・マスクが追及の矛先を向けられている。マスクは民主党の勝利を阻もうと、選挙に4億5000万ドル(約711億円)超を投じた。民主党が連邦議会で調査権限を行使できるようになっただけでなく、テキサス州の政策転換もマスクの企業活動に影響しかねない。
マスクは第2次トランプ政権で政府効率化省(DOGE)による歳出削減を主導し、その活動期間中にも傘下企業は多額の連邦政府契約を獲得した。民主党はマスクが政府での立場を自社の利益のために利用しなかったかを調べる構えだ。
また、マスクが最高経営責任者(CEO)を務めるテスラと宇宙開発企業スペースXは、テキサス州に主要拠点を置いている。同州では共和党が長く州政を主導してきたが、民主党への交代によってデータセンター建設などへの規制が強まる可能性がある。マスクが法的責任を問われたり、事業の成長が妨げられたりすれば、世界一の富豪の純資産にも影響が及ぶ恐れがある。
民主党が議会とテキサス州の主導権を握り、マスクを追及へ
テスラや宇宙開発企業スペースXのCEOを務めるマスクは、連邦議会で主導権を握る民主党の主要な調査対象になった。民主党は議会で召喚状を発行し、調査を始め、公聴会を開く権限を持つ。特に問題視しているのは、マスクが政府効率化省(DOGE)を通じて大幅な歳出削減を主導したことだ。
バージニア州選出の民主党議員ジェームズ・ウォーキンショーは2026年11月2日(米東部標準時)、こう述べた。「イーロン・マスクは舞台でチェーンソーを振り回し、公務員を解雇して、米国民が頼りにする公共サービスを骨抜きにしながら笑っていた。……宣誓した上で説明する責任がある」
マスクが衛星通信サービス「スターリンク」のウクライナでの利用を遮断したとの報道を受け、民主党議員はマスクに書簡を送ったとCNNが報じた。マスクの傘下企業が連邦政府と結んだ数十億ドル規模の契約についても、不正がなかったか調べようとしている。
テキサス州の主要ポストで民主党が予想外の勝利を収めたことも、州内に事業拠点を置くマスクに打撃となり得る。次期州知事のジーナ・ヒノホサは以前からマスクを批判しており、次期州司法長官のネイサン・ジョンソンはNBCニュースにマスクを調査する意向を示した。
ロイターによると、民主党による監視が強まれば規制が厳しくなり、スペースXの成長に欠かせないデータセンターの建設にも影響が及び得る。マスクの純資産は主に自社株の価値に左右されるため、事業への打撃は資産にも波及する。
マスクは中間選挙の結果についてほとんど語らず、「選挙に干渉する宇宙レーザーは今回は効かなかった」と冗談を述べるにとどめた。ただし、マスクは自分を追及する議員に反撃する意向を以前から示している。2026年10月21日にはXに「私にけんかを売る者は、裏で糸を引く人物を突き止め、追及すると承知しておくべきだ」と書いた。



