ルール2:パートナー探しのプレッシャーを交友拡大のきっかけにする
シングルの人が感じるプレッシャーの多くは、人とつながりたいという基本的な欲求から生じている。自己決定理論(Self-Determination Theory)では、他者とつながり親密さを感じることを、中核的な心理的欲求の1つとして位置づけている。人とのつながりが十分に感じられないとき、その不足感を「パートナーが必要だ」という欲求として解釈しやすい。
学術誌『Frontiers in Psychology』に2025年に掲載された、さまざまなタイプのシングルの人を比較した研究は、こうしたプレッシャーには代償が伴うことを示唆している。シングルであることにほとんどプレッシャーを感じていない人は、最も高いウェルビーイング(幸福な状態)を報告する傾向がある。一方、もっとも苦慮している人は、交際相手がいないなかでも「パートナーを見つけなければならない」という強いプレッシャーを抱える傾向があり、この状況は孤独感の増大や低いウェルビーイングにつながっている。
そうしたプレッシャーを無視しようとするのではなく、情報として捉えると役に立つ。足りないものが人とのつながりであれば、友人関係によってその欲求の多くを満たすことができる。最近の研究では、新しい人を受け入れ、人生に変化があっても、柔軟な友人ネットワークを維持できるシングルの人は、孤独感を感じにくいことが示唆されている。友人をつくるのが得意で、その関係を維持できるシングルの人は、人生に対する満足度も高い傾向があり、友人や家族からの承認は、シングルであることへの不安を和らげてくれるようだ。
こうしたことから、「なぜ私はまだシングルなのだろう」という思いが湧いてきたときには、マッチングアプリを開く前に、まず友人に連絡を取ってみるといいかもしれない。充実した社会生活が恋愛の代わりになるわけではないが、シングルでいることへの焦りを大幅に和らげてくれる。また、いざその時が来たときに、正しい理由でパートナーを選ぶことも容易になるかもしれない。
2つの「シングルのルール」の共通点
どちらのルールも、意識の焦点を「交際しているかどうか」から「いかに日々を生きているか」へとシフトさせるという点で一致している。成長と人とのつながりは誰でも得ることができる。そして、多くの場合、これらは恋愛関係を良好なものにする要素でもある。
研究結果が一様に肯定的というわけではない。若年成人を対象とした一部の研究では、長期間シングルでいることが、生活満足度の低下や孤独感の増大と関連していることが明らかになっている。だからといって、シングルであることが解決すべき問題になるわけではない。ここで紹介した習慣が重要なのは、そうした孤立を防ぐのに役立つからだ。
シングルでいる期間は真の成長とつながりを得る時期になり得る。多くの人にとってそれは次の恋愛関係が始まるまでの「一時停止」期間ではなく、人生の重要な一部となる。


