AMDは2026年第3四半期も好調な業績を上げ、売上高は45%増加し、データセンター部門の売上高はほぼ倍増した。AIインフラ投資への懸念から半導体株が業界全体で売られたが、AMD株は米国時間2026年11月4日の終値時点で年初から128%上昇していた。翌5日には前日比17.3%下落し、年初来上昇率は約88.8%となった。
インテルの状況はさらに厳しい。インテルが10月29日に発表した第4四半期の売上高見通しは市場予想を15億ドル(約2370億円)下回った。翌30日にインテル株は28.6%急落し、11月5日にも前日比10.3%下落した。
2027年を迎えるに当たり、投資家は高成長のAMDと、株価変動が激しい再建途上のインテルを比較している。両社を評価するには、直近の決算だけでなく、今後の事業環境にも目を向けた方がよいかもしれない。共通する逆風はPC市場の減速だ。AMDは、2027年にPC市場が10%以上縮小し、PC用半導体を扱うクライアント部門の業績を圧迫する可能性があると警告した。
メモリー高とPC市場の減速がAMDとインテルを圧迫
AMDのクライアント部門はPC用半導体を扱い、2026年第3四半期に29億ドル(約4582億円)を売り上げた。ノートPC向けのRyzenモバイルプロセッサーの販売増が寄与し、前年同期比7%増となった。ただし、メモリー価格の上昇でPCの購入需要が弱まり、売上高は前四半期比で4%減少した。
メモリーの値上がりでPC本体の価格も上昇し、価格に敏感な個人消費者の需要に悪影響が出ている。AMDは2027年のPC市場縮小を見込み、企業向け、高価格帯の個人向け、デスクトップPC向けなど、付加価値の高い市場に注力する方針だ。
クアルコム、Arm系チップでWindowsノートPC市場に挑む
従来のPC向け「x86」プロセッサー市場では、AMDとインテルが引き続き圧倒的な地位を占める。Windowsを搭載するPCの大半と、Linuxを搭載するデスクトップPCやノートPCの多くで両社の製品が使われている。
半導体メーカーのクアルコムもWindowsノートPC市場で競合する。クアルコムはArm系プロセッサー「Snapdragon X」シリーズで、AI機能を備えた高価格帯の軽量ノートPC市場を狙っている。AMDとインテルの事業構成は異なる方向へ変化しているが、PC市場の減速は両社に共通する問題だ。
インテルの工場投資を支えるPC事業の高収益
インテルはデータセンター事業も大きく伸ばしているが、PC関連製品などを扱う「クライアント・コンピューティング/フィジカルAIグループ(CCPG)」が依然として主な収益源となっている。CCPGは、消費者向けノートPCやデスクトップPC、家庭・オフィスのスマート機器に使われるプロセッサー、グラフィックスカード、Wi-Fiチップ、AI向けハードウェアを扱う。
CCPGの売上高はインテル全体の約半分を占め、利益率も高い。PC事業が安定して生み出す資金は、多額の費用が必要な半導体工場の建設計画を支えている。2026年第3四半期のCCPGの売上高は81億ドル(約1兆2798億円)、営業利益は23億ドル(約3634億円)で、営業利益率は28%だった。同じ四半期に、データセンター・AI部門の売上高は前年同期比78%増の73億ドル(約1兆1534億円)となった。



