次世代「Vera Rubin」はエヌビディアの主力となり得るか
経営陣によれば、Vera Rubinは、出荷を始めて最初の四半期となる2027年度第3四半期(2026年8〜10月)に、エヌビディアのデータセンター部門の売上高の約20%を占める見通しだ。つまりVera Rubinは、エヌビディアの売上高の大半を稼ぎ出しているデータセンター部門の、5分の1を占めることになる。データセンター部門の売上高は、2027年度第2四半期に890億ドル(約14兆600億円)で、前の四半期から18%増えた。2027年度第3四半期全体の売上高について、経営陣は1080億ドル(約17兆600億円)を中心に上下2%の範囲になると見込んでいる。エヌビディアの次の決算発表は、米国時間2026年11月17日に予定されている。
Vera Rubinは、大企業が手がける数ある製品のなかの脇役ではない。エヌビディアが売っているものの大半を占めるハードウェアの、次の世代にあたる。実際、2026年度(2025年2月〜2026年1月)の決算でエヌビディアが事業を分けていた二つの部門のうち、データセンター向けの製品などを含む「コンピュート&ネットワーキング」部門は、売上高の89.6%を占めた。もう一つの部門は、ゲーム用のGPUなどを扱う「グラフィックス」である。
好調な業績の拡大ペースに対し、株価の上昇は追いついていない。エヌビディア株の米国時間2026年11月3日の終値は、過去1年間で最も高かった10月6日の終値を13.6%下回った。同じ日までの1年間の株価の上昇率は2.3%にとどまり、S&P500の11.9%に及ばない。株価は過去12カ月の1株あたり利益の25.9倍で、S&P500の22.8倍と比べても、それほど高くはない。いまの株価は、エヌビディアの成長が、過去12カ月の売上高の伸び率である83.4%を大きく下回るところまで鈍ることを前提にしているように見える。
Vera Rubinの出荷拡大を阻みかねないものは何か
出荷の拡大を阻みかねないものの一つは、供給だ。経営陣は、少なくとも2028年度末(2028年1月)までは、供給がボトルネックであり続けるとみている。つまり、エヌビディアの売上高は、受注の量だけでなく、どれだけの量を製造してもらえるかによっても頭打ちになる。
コストも上がっている。メモリーの価格は経営陣の想定を超えて上がっており、経営陣はいま、粗利益率が2027年度第4四半期(2026年11月〜2027年1月)に71〜72%で底を打つとみている。すでに打ち出した値上げが効いてくる2028年度には、72〜73%に落ち着く見通しだ。
さらに、ハードウェアの代金を誰が払っているのか、という問題もある。エヌビディアは、AIのソフトウェアを開発する企業に、多額の資金を自ら投じてきた。外部の資金がそうした企業に集まるよう、手助けもしてきた。資金を受けた企業がエヌビディアのハードウェアを買えば、その代金の一部は、元をたどればエヌビディア自身が提供した資金に端を発していることになる。市場の懐疑派のなかには、売り手が買い手に資金を出して自社製品を買ってもらう「ベンダーファイナンス」の構図が働いているのではないか、と疑問を投げかける者もいる。
これに対して経営陣は決算説明会で、エヌビディアが出した資金が、製品の代金として自社に戻ってきているだけの「循環金融」だという指摘に反論した。最先端のAIモデルを開発する企業が計算能力を確保しているのは、目の前にある商用の需要に応えるためだ、と強調している。その需要とは、顧客向けのサービスでAIを動かす推論と、AIモデルをトレーニングする計算需要だ。


