ドナルド・トランプ米大統領の功績の大部分は、極めて重要な外交問題にどう対処するかによって決まるだろう。誤った判断を下せば、同大統領の将来の評価は損なわれる。逆に正しい判断を下せば、歴史に残る高い評価を得られるはずだ。
同大統領は、米国と自由主義世界を自身が就任した時より安全な状態に導くことができるだろうか? 2029年の退任の時点で同大統領の成功を測る重要な指標となるのは、第二次世界大戦以降、われわれが築き上げてきた同盟国間の協調体制が維持されているか、それとも各国が安全保障に関して「自国さえ良ければ構わない」といった孤立主義的な姿勢へと逆戻りしているかという点だ。この1945年以降の協調体制を象徴するのが、北大西洋条約機構(NATO)や、日本をはじめとする国々との間で築いてきた同盟関係だ。米国はこれまで、権威主義的な敵対勢力やテロリストを抑え込むための献身的かつ信頼できる指導者であり続けてきた。
もし1945年以前のような弱肉強食の世界に逆戻りすれば、前世紀の2度の世界大戦を含む、過去に人類を苦しめた「終わりのない戦争」を再び招くことになるだろう。つまりトランプ大統領は、自身の政権内にいる孤立主義者や、反ユダヤ主義の傾向を強める民主党内の勢力に対処しなければならないということだ。
イランに核兵器を持たせないという同大統領の決意は極めて正しい。だが、2025年に米国とイスラエルがイランの核関連施設を攻撃した際に学んだはずの教訓がある。それは、同国の邪悪な政権がどれほど口先巧みに米国人を欺こうとも、その狂気に満ちたテロリストとしての本質を微塵(みじん)も変えることはないという点だ。この政権は打倒されなければならない。つまり、昨年4月にわが国が一方的かつ時期尚早な停戦によって中断した軍事行動を再開する必要があるということだ。2029年になってもイランの現政権が存続していれば、それはトランプ大統領の「失敗」と見なされることになるだろう。
中国は、第一次世界大戦前にドイツが英国の制海権に挑んで以来、最も急速に海軍の増強を進めている。中国の習近平国家主席は、同国が米国に取って代わり、世界を支配する超大国になるという目標を隠そうともしていない。ここで断言しておくが、そのような中国の覇権が平和で穏やかなものになることは決してない。



