誰もが副業している
実際のところ、副業は急速に広がっている。米求人プラットフォーム「ZipRecruiter(ジップリクルーター)」の最新データによると、米労働者の35%が副業をしているか、複数の仕事を掛け持ちしている。そして、補助的な仕事をしている可能性が最も高いのは高所得者だ。
これは、「副業は生活費を稼ぐための手段である」という従来の一般的な見方に反する。もちろん一部の人にとっては確かにそうだが、ZipRecruiterの調査では、年収15万ドル(約2300万円)を超える人たちが本業以外の仕事をしている可能性が最も高いことが明らかにされた。
その気持ちは誰よりもよく理解できる。というのも、筆者自身が副業としてビジネスを立ち上げたからだ。実際、最初の製品である直感的に使えるフォーム作成ツールは、メディア企業でコーダーとして働いていた当時、自分の業務をより効率化するために自作したものだった。それは実際に役立った。確かに私は、最終的に自分のスタートアップに専念するためフルタイムの仕事を辞めた。だが、それは自分がつくったものが当時の勤務先を含め、人々の時間を大幅に節約できると気づいてからのことだった。
実際、ほとんどの従業員が夜遅くまで働いているのはフルタイムの仕事を辞めたいからではない。多くの従業員は自分の職務内容と完全に一致しない情熱や興味を持っているからこそ、そうしているのだ。それで何の問題もない。
リーダーが副業を奨励すべき理由
ウォズニアックのマイクロコンピューターを巡る判断は誤ったかもしれないが、HPには正しかった点もある。それは、社内のツールを使って自由にプロジェクトを試させることが、従業員のパフォーマンス向上につながるという考え方だ。好奇心や意欲、勤勉さなど、優れた従業員を形成する資質は、副業の原動力となる資質でもある。優秀さを求めて採用しておきながら、その才能が別の形で発揮されたときにそれを抑え込むべきではない。
私が勤めていたメディア企業の上司に辞めることを伝えるとき、どれほど怖かったかは今でも忘れられない。私はそこで5年間働き、新たな一歩を踏み出す準備はできていた。それでも不安だった。上司は裏切られたと感じるだろうか。失望するだろうか。予期せぬ事態に戸惑うだろうか。


