銅線の限界がAIデータセンターの通信を光に変える
マーベルとルメンタムが公表した買収資料には、買収の理由として「銅線による接続の物理的な限界」が挙げられている。
AIデータセンターでは、数千個の半導体チップが絶えずデータをやり取りする。通信速度が上がるにつれ、銅線を流れる電気信号は短い距離で弱まってしまう。ガラス製の光ファイバーなら、より多くのデータを、より遠くまで伝送できる。
マーフィーは「AIインフラの設計が、光による接続へと根本から変わりつつある」と述べた。半導体メーカーが自社株を対価に、企業価値1150億ドル(約18兆2031億円)と評価したレーザーメーカーを買収しようとしているのなら、通信方式の転換はすでに始まっている。
我々も2026年6月、有料の投資情報ニュースレター『Digital Creators & Consumers(DCC)』の会員に、同じ見通しを伝えた。「最高の性能を維持するには、コンピューターの構成を、銅線で電気信号を送る方式から、ガラス製の光ファイバーで光の粒子(光子)を送る方式へ切り替えなければならない」
ルメンタムの売上高は前年同期比で2倍超に
業績数値も、光通信需要の伸びを裏付ける。ルメンタムの2026年4〜6月期の売上高は、前年同期の2倍を超える10億1000万ドル(約1599億円)だった。ルメンタムは続く7〜9月期の売上高を約12億5000万ドル(約1979億円)と予想していたが、実績は12億6260万ドル(約1999億円)となった。10〜12月期の売上高は、15億7500万〜16億2500万ドル(約2493億〜2572億円)と見込んでいる。
エヌビディアは約3166億円の出資でレーザー供給確保を狙う
買収発表より先に動いたのはエヌビディアだった。2026年3月、ルメンタムが米国内の製造拠点を整備するのを支援するため、20億ドル(約3166億円)を投資することで合意した。合意には、レーザー部品を数十億ドル規模で購入する約束(10億ドル当たり約1583億円)と、将来のレーザー生産能力を利用する権利も含まれる。
工場で生産する製品が不足していれば、買い手は確実に供給を受けるために対価を支払う。バブルは供給過剰から生まれる。ところが光通信分野では、時価総額で世界最大の半導体企業が、必要な量を確保するために資金を投じている。
最終的に誰がルメンタムを保有するにせよ、銅線から光への移行は何年も続く。投資家は、通信方式の転換に必要な製品を販売する企業の株式を保有すべきだ。対象は、ルメンタムが将来生産するレーザーを利用する権利を確保したエヌビディアと、光信号を運ぶガラス製の光ファイバーを製造するコーニングだ。


